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人類の「砂不足危機」にアフリカで思うこと

4月28日のネットニュースに、【人類は「砂不足」の危機に直面、国連が警告 人口増加と都市化の進展で】というロイターの記事がありました。タイトルを読んで、

へ?砂不足?

国連環境計画(UNEP)が4月26日に「砂と持続可能性」について発表したことを受けて書かれた記事です。読み進めるうちに、

まー、こういう状況だったのか!

年間の世界の砂の需要は約500億トンといわれます。トンでの表示はわかりにくいので、地球の周りに幅27メートル、高さ27メートルの壁を連ねて建てる量といえばイメージつくでしょうか?うーん、とにかく果てしない量ですね。

砂は水に次いで世界で2番目に人類が使用する採掘資源だそうです。このまま規制もなく無計画に採掘されれば供給量が足らなくなるばかりか、災害や地球環境、生態系にも悪影響を与えます。

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写真はコンゴ川の堆積されてた砂です。サラサラとした、大変細かい粒を初めて触った時は、海岸の砂のようだと感じました。

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河川の砂は砂漠の砂とは違い、建築材料に最適です。都市部拡大でコンクリートの需要が増えると、それに混ぜて使用する砂の需要も増えます。残念ながら大量にある砂漠の砂は、風化で角が丸くセメントに混ぜると強度が弱くて使えないそうです。

前回の記事で、コンゴ川に現れた期間限定の島について書きました。

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そのツバメ島周辺には、建築資材として砂利を集める人々がいます。

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歌を歌いながら手作業でドラミングします。ゆったりした感じが良いですね、ここは。

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石も建築資材として拾われます。ここでは大掛かりな採取ではなく、人力で、日雇い賃金で皆が働きます。

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対岸で集められた砂利は袋に入れて小船で運び、一箇所に集められます。そこからはトラックで運ばれます。

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私も運んでみようと試しましたが、水分を含んでいるので、袋に半分の量でもとても重い。無理でした・・・めっきり弱くなったかな、私。

国連環境計画の報告書では、砂の需要を減らす為に、建設や設計の見直し、破壊した建造物の資材を放棄せず再活用することも提案されています。

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川のある場所で育ち、その恩恵を受けているコンゴ川沿いの人々の暮らしはとても素朴です。川で洗濯をして、飲料水も生活水も川から運び、調理も薪で煮炊きします。小さな家で暮らし、電気をあまり使用せず(この国は産油国ですが停電も多い)、暑い日中はマンゴーの木の下で涼みます。持ち運びできる太陽パネルで充電したラジオで音楽を聴いて。

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岩が砂になるまでにかかる年月は千年だそうです。持続可能な世界を目指す為にも、国のガバナンスがしっかりとされて、外部から乱獲する輩(他国企業)が入らないように、と願います。

そして、川の近くに住んでいる人が持続可能な恩恵を多く受けれますように。

参考記事:人類は「砂不足」の危機に直面、国連が警告 人口増加と都市化の進展で 

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