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自分の強みを見つける4つの方法

自分のことは自分が一番よくわかっていない、といことはあります。

自分のことが見えていないのは、自分の目は常に自分以外を見ているから、当然のことでもあります。

録音した自分の声を聞いたとき、「私ってこんな声していたんだ」とか、録画した自分の姿や動作を見て「私ってこんな風に見えていてこんな仕草をしてるんだ」と感じた経験は誰しもあるのではないでしょうか。思い描く自分と違う場合、恥ずかしさを感じることだってあると思います。

そんな自分自身では捉えどころのない自分を、特にここでは、社会人として必要な「自分の強み」を知る方法を考えてみます。

社会人は強みで生活している

社会で活躍する人間になろうとしたら、自分の強みを生かして、社会に役立ち貢献する人間になる必要があります。

言い方を変えれば、人はみな「自分の強みで飯を食っている」のであって、自分の弱みを何とかすることで生活できているのではありません。

自分の強みが他人の弱みを助けることで、社会に役立つことができます。

ですから、教育で一番大事なのは、社会で飯を食って行ける、社会で活躍する人材になることを重視することであり、その子の得意な分野をどんどん伸ばすことです。

落第点を取った教科は放っておいて、合格点を取っている教科をさらに強くしていく方が社会では有用です。

しかし、学校教育では落第点の生徒、授業についていけない生徒が出ないようにして、全員が合格点を取れるようにすることに重きを置いているように思えます。

苦手なことを合格ラインに上げるのは、苦手なことを誰かに頼まず自分でやれるようにすることなので、社会経済的には支出を減らすための勉強です。

得意なことをさらに伸ばすのは、誰かの助けになる範囲をさらに拡げ活躍できることになるので、社会経済的には稼ぐための勉強です。

先生や親は、「長所を伸ばすことこそ、その子の社会での成功に直結する」と考えて指導した方が良いでしょう。

「できないことをできるようにする」より、「できることをさらにできるようにする」のが社会を生き抜く力となります。

強みの見つけ方には、以下のようなものがあります。

①大して努力してないのに、なんだかうまく行った経験

②自分では大したことしてないつもりなのに、他人からほめられた経験

③他人の行動に対して、イライラしたり怒りを覚える経験

④色々な人から何度も同じことを頼まれる経験

私の実体験を例に挙げてみます。

大して努力してないのに、なんだかうまく行った経験

この経験は成功体験だけに、わかりやすく気づきやすいと思います。

これは弟の話ですが、体育の成績表がいつも低かったのに、なぜか一輪車をスイスイと乗ることができました。

私が何度挑戦しても乗れるようにならなかったのに、弟はすぐに乗れてしまい、運動能力では自分の方が勝っていると思っていたのに驚きでした。

認めたくはなかったですが、バランス感覚については、弟が自分より優れていたのだとわかりました。

他の例では、私は幼少時代に立体迷路を誰よりも早くクリアすることができました。

始めて通る道でも、どんな嗅覚があったのかわかりませんが、よじ登ったり潜ったりして直観で進む道がつながってゴールまで時間をかけずに到着しました。

なかなかスタンプを集められず出て来れなかった子が、なんでそんなに時間をかけているのか不思議でした。

大して努力もしないのに良い結果を得た経験から、自分の強みのヒントを得れるかもしれません。

自分では大したことしてないつもりなのに、他人からほめられた経験

高校時代に、クラスの試験結果を分析して傾向と対策を発表する機会がありました。

その分析と発表を担当することになり、自分なりに考えて資料をまとめた記憶があります。

自分では大した分析内容に思えなかったのに、先生から「今まで聞いた中で、これだけしっかり分析した発表は聞いたことない」とほめられたことがあります。

今では何をどう発表したのか覚えてないですが、分析して発表することが得意だったのかなと、後になって思うことがありました。

大学時代には、アメリカに短期留学する機会があって、英語で授業のテーマとなった題材のレポートを書くことになりました。

先生から「主張がはっきりしていて良いレポートだ」とほめられ、自分ではまったくそんな風に言われるなんて思っていなかったのでビックリしました。

英語も小学生レベルの単語を使っていて不思議でしたが、先生にほめられたことで文章の構成や主義主張は得意なのかなと、後になって思いました。

どちらもその時は表彰や優勝などというわかりやすい結果でなく、そのときだけほめられたことなので、思い出すとそんなことがあったかなというくらいです。

自分でほめられた経験を語ると自慢話のように聞こえてしまいますが、例として上げているわけで、誰しもほめられた経験はあると思います。

真実はともかく、ほめるというチカラは、人の思い込みとポジティブな過去をつくるようです。

何気ないことでも、幼少期に大人からほめられるという経験がどれだけ大切で、その後の人生にどれだけ影響を与えるものか。

私は、あの時ほめてくれた大人に心から感謝しています。

私も子供や学生たちの良いところを見つけて、ほめられる大人になろうと決めています。

他人の行動に対して、イライラしたり怒りを覚える経験

他人の行動にイライラや怒りを覚えるということは、自分の中でその価値観を大事にしていて、尚且つ自分はあたりまえにやっていることです。

例えば、時間は絶対に守るべきだという価値観を持っていて、遅刻をしないように行動している人にとっては、時間にルーズな人が集合時刻に30分遅刻して来るという場面では、とてもイライラして怒りを覚えるでしょう。

この場合、時間をしっかり守るというのは、その人の長所であり得意なことになります。

挨拶をしっかりしない職員を見て「なんて元気がないんだ、もっとしっかり挨拶しろよ」と心の中で思ったとしたら、その人は挨拶は元気よくするという価値観を持っていて、実際に元気のよい挨拶をする人でしょう。

この場合、挨拶で好印象を与えられるという強みをその人は備えています。

介護の仕事場で、歩行困難な利用者様がイスから立ち上がろうとした際に、本来支えるべき位置から介助していない職員を見て、「そのやり方じゃ危ないよ、何やってるんだよ」とイライラして怒りを覚えたとしたら、それはその人が介護技術において優れているということです。

このように、一見ネガティブな感情の裏にはその人の強みが隠れています。

誰にでも過去の出来事から、うまく行ったこと、ほめられたこと、イライラしたことなどの経験はしたことがあるはずです。

色々な人から何度も同じことを頼まれる経験

人は自分自身のことが一番良くわかっておらず、他人の方が自分の良いところに気付いていることがあります。

自分の強みがわからなければ、身近な人に自分の良いところが何か聞いてみることです。

親、兄弟、友達、先生など、周りの人が自分の強みを教えてくれます。

他人から何か同じことを頼まれることが多い人は、それが自分の長所だと思っていいかもしれません。

他人からよく悩みの相談に乗ってほしいと頼まれる人は、カウンセリングに向いている人です。

周りの人が「頼むのならあなたが相応しい」と思うから、頼まれるわけです。

それは自分の長所が活かされているんです。

強みを活かしてかけ合わせる

以上、4つの方法で自分の強みの見つけ方を考えました。

幼少時代まで遡って、これらの経験が過去になかったかを思い出して、自分の強みを見つけ出しましょう。

今の仕事の中に思いがけない気づきを与えてくれるかもしれませんし、職業を選択する上で何かヒントを得られるかもしれません。

そして、一度自分の強みに気付いたなら、その強みを活かす場を見つけることです。

イソップ寓話の「ウサギと亀」の話は、亀が運良く勝つことができましたが、そもそも陸で勝負を受けてはならず、海で勝負をするべきでした。

どこに自分の強みを生かす場所があるのかリサーチして挑戦しましょう。

さらに、自分の強みが複数見つかった場合は、それらをかけ合わせることで、より異端な存在になることができます。

例えば、

話を聴く強みと、英語を話せる強み、両親を幼くして失った経験がある人は、それらをかけ合わせて、「世界中の養護施設に通う子供のカウンセラー」になることができます。

人に教えることの強みと、気さくに話せる雰囲気を持つ強み、親の介護をした経験がある人は、それらをかけ合わせて、「介護の資格を取る学校の気軽に相談できる先生」になることができます。

ある1つの分野で、10人に1人の強みであっても、3つかけ合わせることで、10×10×10の1000人に1人の強みを持つ逸材になれます。

特筆すべきは、自分が過去に経験した特別なシチュエーションは、たとえそれがネガティブなものでも強みになります。

強みとは、人より優れることにあるのではなく、人と異なることにあるのです。


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