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【ミカタをつくる広報の力学】 #56 冬のPRネタを考える

10月に入りましたので、そろそろ「冬のPRネタ」について書きたいと思います。

10月10日時点で全国の新規感染者数は減少傾向で、イベントや外食も復活の兆しが見えますが、まだ油断できない今年の冬はハイブリッドな計画が必要です。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


今年の冬は「リベンジの冬」

昨年の冬は新規感染者数が急上昇し、第3波が到来。
忘年会やクリスマスなどの年末行事は軒並み自粛傾向で、鉄道会社は大晦日から元旦にかけての終夜運転を中止。年明け早々には1都3県に緊急事態宣言が発出され、各地で成人式が中止の事態となりました。
年明け早々には1都3県に緊急事態宣言が発出され、各地で成人式が中止の事態となりました。

一方、現在(10月10日時点)の新規感染者数は今年一番の減少傾向。
経口治療薬の開発やワクチン接種者の増加、ワクチン接種証明制度などの追い風を受け、今冬の年末行事の復活へと期待が高まっていることでしょう。

昨年末から今年頭にかけて、忘年会・新年会に参加できなかったり帰省できなかった人たちは、今年こそは旧友や家族・親戚と会いたい、と思っているのではないでしょうか。

振袖商社が成人式中止への神対応で大きくメディアに取り上げられていましたが、成人式に参加できなかった人たちも、今年改めて晴れ着を着たいと思っているかもしれません。

つまり今年の冬は「リベンジの冬」
昨年できなかったことを、今年こそ実現したいと思っている人がたくさんいるはずなのです。

しかしながら、宣言解除後の人流増加や季節的な条件に伴う第6波の可能性も無視はできないので、この冬のプランは、昨年の経験から学習したことも踏まえて、オンラインとオフラインのハイブリッド、さらには両方を選択肢とする計画をおすすめします。


冬の定番行事をピックアップ

一般に、PRのネタとして使われる、冬の行事や記念日、法改正などを一部ピックアップしましたので、ネタづくりの参考にしてください。

【祝日・記念日】 ※( )内の日付は2021・2022年のものです。冬至(12/22)
クリスマス(12/25)
大晦日(12/31)
元日(1/1)
成人の日(1/10)
節分(2/3)
立春(2/4)
建国記念の日(2/11)
バレンタインデー(2/14)
天皇誕生日(2/23)
障害者週間(12/3~12/9)
人権週間(12/4~12/10)/世界人権デー(12/10)
省エネルギー月間(2月)


【行事・レジャー】
クリスマスパーティ/忘年会/新年会
カウントダウン/初詣/帰省/成人式
冬休み/雪まつり/ウインタースポーツ
入学試験/大学入学共通テスト(1/15~1/16)
北京オリンピック(2/4~2/20)
北京パラリンピック(3/4~3/13)
東京マラソン2021(2021年10月から再延期され2022年3月6日に開催予定)


【生活・文化】
衣替え/こたつ/大掃除/火の用心
冬のボーナス/歳末セール/お歳暮
鍋料理/おでん/燗酒/みかん/焼き芋
年越しそば/おせち料理/お雑煮/七草粥
大晦日/年越し/お正月/年賀状
風邪予防/乾燥肌対策/加湿器/カイロ


【社会・時事】
改正電子帳簿保存法(2022年1月施行)
プラスチック資源循環促進法(2022年4月施行予定)
こども庁設置法案
給与デジタル払い法案
インボイス制度


「選択肢が広がる」でPRを考える

リモートワークが普及したことで、様々な事情を抱える人たちにとって働き方を選べたり、ダイバーシティの考え方が浸透したことで、すべての人に対応できるサービスが増えたり、サステナブルな社会形成のために、「選択肢が広がる」ことが重要視されています。

上記でおすすめしたハイブリッドなプランとは「選択肢が広がる」プラン。
リアルで体験したい人も、リモートせざるを得ない人も、どちらも応援できるプランのことです。

緊急事態宣言の影響で、昨年からテイクアウトメニューを充実させた店舗が増えたことで、お店で楽しむだけでなく、フード宅配を活用して自宅でも楽しめるようになりました。

ですが、これはもはや当たり前。

今年はさらに「リアルorリモート」から「リアル&リモート」へ進化させるのはいかがでしょう。

例えば、旧友と集まりたいけど県境を跨ぐのは抵抗があるという場合。

もし居酒屋のテーブルにもカフェのように電源タップがあって、デバイスをつないでリモート飲みで参加できたら、近くのリアルで会える友人と、遠くのリモートでしか会えない友人とが、一緒に飲み会に参加することができます。

このように選択肢を増やすことで、第6波が来たとしてもフレキシブルに対応することもでき、「新しい飲み会の形」として提案することができます。

リアル参加とリモート参加の融合は、場所だけでなく人の選択肢も広げて、障害があって遠距離移動が困難な人たちでも、みんなと一緒に飲み会に参加することができます。

12月3日からは障害者週間、12月4日からは人権週間、12月10日は世界人権デーなので、すべての人に配慮した施策をアピールする良い機会にもなるでしょう。

例としてリアルとリモートを融合させた選択肢を紹介しましたが、おせち料理で、ビーガンやハラル、プロテイン系フードに昆虫食などのニーズに対応するのも、今年できなかった成人式を一年越しで実施したり、いつやっても良いと考えるのも、「選択肢が広がる」施策だと思います。

考えてみたら冬の料理には、個々の家によって具や味が異なるお雑煮や、具材とスープでバリエーションが広がる鍋料理など、選択肢の広さが魅力のものが多いので、融合させるとさらに面白いかもしれません。


おわりに

今回は、「リベンジの冬」に応えるための「選択肢が広がる」冬のPRについて書きました。

第6波の可能性があるとはいえ経済復興も大切な今の課題は、「いかに安全に楽しむか」というトレードオフに近いものになります。その矛盾を解決するフレキシビリティこそがサステナブルな社会をつくるのだと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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