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【ミカタをつくる広報の力学】 #49 防災とデジタルと多様性

オリンピックも終了し、9月1日の「防災の日」まで1ヶ月を切りました。ということで、今回は防災関連の話です。
ちなみに同じ日、デジタル庁も設置される予定ですので、デジタルと防災の話を一度にしてしまいます。さらに多様性にも言及していきます。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


「防災の日」の報道傾向

「防災の日」は1960年(昭和35年)に閣議決定によって制定されました。

1923年(大正12年)の9月1日に発生した関東大震災と、台風襲来の厄日と言われる「二百十日」にちなんで決められたそうです。制定の前年に甚大な被害をもたらした「伊勢湾台風」の影響が大きかったともいえます。

「防災の日」である9月1日には、毎年様々な防災関連のニュースをメディアが取り上げ、各所で行われる避難訓練の様子や、防災グッズの情報が流されています。

特に昨年からはコロナ禍の影響で、避難場所での感染対策や除菌グッズの備蓄など、感染予防を前提とした防災活動が多く取り上げられる傾向にあるようです。

ちなみに内閣府によると、「防災の日」前後の一週間(曜日に関係なく毎年8月30日~9月5日)を「防災週間」としていますが、その期間は丸ごとパラリンピックの開催期間と重なっていますので、メディアの皆様は相変わらず忙しくしていることでしょう。

というわけで先週に引き続き、ステークホルダーを相手にしたブランディング広報の話をします。

「メディアの取材を獲得しにくい」とは言っても、やはり「防災の日」となれば関連ワードの検索率は上がるので、防災関連のニュースを発信するのは「防災の日」前後が適当であるといえます。

とはいえ、ライバルが集中的に多くなるレッドオーシャンでもありますので、ユニークな情報で差別化を図ると同時に、リーチを多く獲得できる振れ幅を用意するのが王道。

今年の場合で言えば、「防災の日」「デジタル庁開設」でしょうか。


「デジタル防災」が重要

「防災の日」と同じタイミングで開設されるのが「デジタル庁」。
全国的なDXやキャッシュレスのブームの波に加えて、行政におけるデジタル化ミッションのすべてを統括する中央官庁として注目を浴びています。

noteの公式アカウントも発足前だというのに4000人近いフォロワーを獲得(8月8日時点)しているくらいですから、発足当日の9月1日には、メディアだけでなく一般の人たちも関連情報にアクセスすることでしょう。

一方で、今年5月に内閣府が設置する防災に関する有識者会議によって、
災害時の情報共有におけるデジタル技術の重要性が提言されました。

つまりキーワードは「デジタル防災」

この話、広報にとっては他人事ではなく、まさに当事者としての問題になります。
BCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン=事業継続計画)にも含まれますが、災害時には、従業員の安否報告、工場などが周囲に与える二次災害の影響、供給サービスの可否など、ステークホルダーを不安にさせないための報告をするミッションが、広報にはあります。

なのでこの機会に、災害時の社内外に向けた情報網を再確認しておくことをお勧めします。

私自身の経験でいえば、東日本大震災のとき電話がつながらなかった際に、
社内ネットワークのイントラネットを活用することで全社員の安否を確認することができました。

革新的なシステム採用はステークホルダーの安心だけでなく、ニュースにもつながる可能性がありますので、アプリなどの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。


これからの防災には多様性が必要

「防災」と「デジタル」については書いてきましたが、タイトルの「多様性」はいつ出てくるのか?
ここから書くのは「多様性に配慮したデジタル防災」の話です。

タイミング的にパラリンピック開催期間だからというわけではありませんが、多様性への配慮が求められる昨今では、防災システムにおいてもあらゆる人を想定して構築しなくてはなりません。

特に観光地や商業施設など、多くの人が集まる場所では、避難場所や避難方法など防災に関する情報を発信することが重要となります。
視聴覚や身体に障害がある人や、日本語が分からない外国人など、スムーズな避難ができない人たちも少なくありませんので。

そこでDXが重要になってきます。

デジタルデバイスを活用した避難案内であれば多言語化できるため、国籍を問わずコミュニケーションできます。

スマホであれば、視聴覚に事情がある人でもリアルタイムに避難情報を受信することができるだけでなく、位置情報を使うことで見えていなくても安全に誘導することが可能になります。

最近では点字ブロックや白杖も、デジタルシステムが内蔵されているものが増えてきています。

これらのデジタル技術を活用することで、すべての人に対応した防災システムを構築することができたら、SDGsにも関連したニュースになるのではないでしょうか。


おわりに

今回は、防災の日に関連したニュース発信について書きました。
メディアが忙しい時期は年に何回もありますので、その都度ブランディング広報の話を書きたいと思います。

今回も最後はSDGsの話に落ち着いてしまいましたが、今はこれが一番重要なことなので、恐らくこれからもたくさん出てくると思います(笑)


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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