北野武監督の数学的感覚を参考にした文章教育が大好評だった話
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社会人になれば毎日使う必須スキルなのにも関わらず文章作成って学校ではしっかりとは教えてくれませんよね?
映画監督である北野武さんの発言を引用して文章スキルの社内教育を行った際に非常に好評だった『文章のポイント』をみなさんに共有します。
この教育以降、文章からパワーポイントの資料に至るまで課員の皆様はスッキリしたものになりました。
必須スキルなのに教育されない『文章力』
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや・経験・考察・組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。
社会人にれば、特に事務系で働く方は毎日『文章力』を使っていると思います。
メールに始まり報告書、発表資料、電話を受けたメモなんかも文章を作る機会はたくさんあります。
にもかかわらず、文章力の教育って学校では全然やってくれませんよね?
小学校低学年で作文の書き方を教わって以降、まともに誰かに添削されて、正しく読みやすい日本語文章を矯正してくれる機会に恵まれません。
ひとたび社会に出れば、有名大学の大学院まで出た人だってひどく読みにくい文章を書いているということを目撃した人も多いのではないでしょうか?
だからこそ文章力を社内教育する
この状況は今の教育制度下では当たり前といえば当たり前です。
『文章力』は『学力』としては見なされていないのですから、学校が教えなくても当然です。
個人的な話ではありますが、新入社員だったころこんな風に思ったことがあります。
げ、会社に入ったら毎日メールやら報告書やらで文章書かされるじゃん。
毎日使うスキルだからこれができないやつだと思われたら最悪だから自分でも勉強しなおそう・・・
あれから10年以上。
まだまだ下手な文章を書いていますが、自分なりには意識して文章力を磨いています。
だからこそ僕は社内教育で課員の文章力部分にを入れています。
以前の記事でも、社内教育で使った内容を記事にしたこともありました。
週報に関しては、現在の部署のルールでは各課員が僕(課長)に個人週報を提出し、そこから抜粋・校正をして課としての週報にまとめて上司に提出しています。
僕はここで教育のために課員から提出された週報をすべて添削して返しています。
校正・修正ではなく、添削・指導です。
文章のどの部分を消した部分は赤文字+取り消し線をし、加筆部分を青文字にしてわかるよう可視化します。
そして、削除・加筆した理由をすべて箇条書きにして返信します。
正直な話をすれば負荷はとんでもなく大変です。
楽:スルー >>> 自筆 > 修正 >>>>添削指導:大変
それでも『教育は課長の仕事』と捉えてこの他にも日々努力をしています。
北野武の発言を引用して社内教育で大好評
僕がまだ学生の頃、映画監督である北野武氏が深夜番組で言っていた内容にすごく感銘を受けた経験があったのでそれを社内教育に転用したことがあります。
深夜番組は数学をテーマとしたものだったのですが、僕が感銘を受けた発言は因数分解にまつわるものでした。
数学は概念の学問だから、何も紙の上だけでしか使えないものではない。
映画にも因数分解の考え方が使われている。
ある殺し屋が1人で映っているシーンで、ピストルを立て続けに『バン!バン!バン!』と3発撃つ。
次のシーンでは敵対する組織の人間の死体が3つ転がっている。
これで視聴者は殺し屋が1発ずつで3人を殺したとわかる。
これです。
因数分解が遠い記憶の彼方に置き去られている方も多いと思いますので簡単な例を挙げるとこんな感じです。
イコールの記号よりも左側が因数分解前、右側が後です。
詳しい数学のことはわからなくっても、右側の方がぎゅっとまとまってスッキリ見えるのではないでしょうか?
北野武監督が出した例を式にしてみるとこんな感じです。
数学的な正しさは少し置いといてイコールの記号を挟んで左と右ではスッキリ感がかなり違います。
つまり北野武監督が言いたかったのは
『因数分解とは数学の知識ではなく、複雑な状態をシンプルにまとめるための概念である』
ということです。
この言葉に衝撃を受けた記憶が残っている僕は、社内の文章教育にもこの概念を使って説明してみました。
映画と同様に文章にも無駄の排除やリズムの良さが求められるため、複雑な状態をシンプルにするという因数分解の概念は同じように適用できます。
文章への応用実例
少し耳慣れない言葉を使ってみれば、トートロジー(同語反復)を避けるということです。
簡単な例でいえば次のような感じです。
馬から落馬した⇒馬から落ちた
『馬』が2回出てきているのを1回にまとめました。
もう少し文章的にするとこんなイメージです。
A君は優しい人です。A君は僕を助けてくれました。
⇒A君は優しいので僕を助けてくれました。
人間は文章を書く際に、一つ一つ伝えたい要素を思い浮かべながら文字に落とし込むものなので、こういった同語の重複ついつい発生します。
それを因数分解してまとめるだけでかなりスッキリします。
また、この考え方は単純なテキストではなくパワーポイントなどで作られる資料にも適用されます。
例えば
『営業利益率が全社平均と比べてかなり高いA製品を売っていきたい!!』
というPRのための資料を作る場合を想定するとこんな風に因数分解が適用できます。
これは『営業利益率』という言葉の重複を表に落とし込む事で1回の登場にまとめた例です。
単純に相手に伝えたい情報がすっきりした上に、フォントなどのアシストをすることで何が伝えたいのかが瞬時にわかるようになります。
このような実例を出して社内教育をした結果、課員の方からはわかりやすいと非常に好評で、以降文章やスライド資料がすごくすっきりするようになりました。
まとめ
今日の記事をまとめるとこんな感じです。
✅社会で必須の文章力スキルは学校では育ててくれない
✅だから文章力の社内教育に力を入れている
✅北野武氏が因数分解について語っていた言葉を引用して教育
✅文章やスライドも因数分解して重複を避けることができる
✅実例と合わせて教育し、効果てきめんだったのでおススメ
こちらの記事は似たテーマの記事を集めた『大企業のリアル』というマガジンにも登録されています。
大企業イメージと実情のギャップに悩みながら奮闘して改善を目指す姿を投稿していますので、もしよろしければこちらもご覧ください。
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。こんなこと書いてる僕はこんな人間です。
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