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昭和的工場変革日記①:現状把握とExcel機能のアップデート

『大企業の最年少課長』として記事を書いていますが、大企業に星の数ほどある末端部署は横の連携も希薄で、文化の違いにびっくりすることが多々あります。

人事異動で新たに兼務になった部署の仕事のやり方が、あまりに昭和的で今日も衝撃を受けてきました。

昭和から一気に令和に・・・とまでは難しくても、平成25年くらいの仕事ぶりに届くよう奮闘する様子を綴ることにしました。

変革に着手したきっかけ

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普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。

4月からの人事異動で隣の部署の課長を兼務することになりました。

兼務にあたっての上層部から示されたミッションは『〇〇課を立て直してくれ』でした。

4月からの1か月はチームビルディングや現状の把握に力を入れ、今は業務改善に着手し始めています。

解決するべき問題の洗い出し方法の一つとして、各担当者から『負荷の高い』と思われる作業をヒアリングしました。

問題作業の洗い出し

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ヒアリングの結果、5人いる課員が口をそろえて回答したのが『生産指標数値の算出』でした。

この作業には5人の作業者が毎月1~1.5日をかけてデータを作っているそうなのです。

ざっくりと1か月に20日営業とすれば、実に5-8%を占めるかなり大きな作業でした。

『生産性指標』って何?

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製造業でない方にはなじみのない言葉だと思いますが『生産性指標』とはギョウザ屋さんに例えればこんなものです。

・野菜を切る、具材を混ぜる、具を皮に包む、焼くのそれぞれの工程でどれぐらい時間がかかっているか?

・包んでいる途中で皮が破れて不良品になってしまったギョウザはどれくらいの量があるか?

・野菜を切る担当がバイトのA君からB君に変わったことで時間がどれくらい変わったか?

といったものです。

なぜこんなに時間がかかっているのか?

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一応プロの製造業なので日々膨大な種類・数のデータが詳細に蓄積されます。

ここから必要なデータを抜き取り、様々な計算をして生産指標を出すのですが、この抜き取り作業がすべて手作業だったのです。

エクセルを使って作業はしているのですが、膨大なデータから必要なデータを表示して、コピーして、別のエクセルに張り付けて、計算して、計算結果をグラフにしています。

これを大量の製品種類(ギョウザや小籠包)、工程(野菜を切る、皮で包む)別に何度も同じ作業を繰り返していました。

『これは解決の実現性と、解決された時の効果がデカイ。』

そう確信してこの昭和工場の変革に着手しました。

なぜ手作業でデータ分析をする状態なのか?

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東証一部上場でそこそこの規模がある企業と言えど、その末端の部署は中小企業の集合体のようなものです。

部署によっては設備も文化も昭和の香りがたっぷりです。

こんな状態になっている理由は以下2点だと思われます。

①プライドだけは立派なので勉強の意欲がない。
⇒電卓からエクセルに進化した時点で成長を止めてしまう。

②歴史だけは立派なので縦割りが激しい
⇒個々にエクセルの勉強をする人がいるが、部署ではなく個人レベルでの縦割りが進んでいるので知見が広がっていかない

この①②が悪い相互作用を発揮した結果、企業規模に反してエクセルを使いこなすスキルが大きく不足した状態になっていると考えられます。

だからこそ上層部が僕に与えたミッションは『この部署を立て直してくれ』だったというわけです。

具体的に何をやる?

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今日は現状確認までで終了。

ヒアリング後は早速立て直しプランの作成です。

製造業用の生産性指標を出すシステムを購入することも可能ですが、まずはエクセルなどのMicrosoft officeシリーズを活用して追加料金なしの対策を目指します。

・毎月更新されるデータを自動的に取得して処理しやすい形に加工するエクセルの『クエリ』機能

・膨大なデータの中から必要なデータを拾って並べ替えてくれるエクセルの『ピポットテーブル』機能

・膨大なデータの中から特定の製品や工程ごとのグラフを切り替えることができて、個別のグラフを作る手間がなくせる『Pwoer BI』

この辺をフル活用して、今ままで1日以上かかっていた作業を10秒まで短縮することを目指します。

この成功に何を期待するのか?

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せっかく頑張るからにはこの成功の後に、どう変化するかを明確に描いてモチベーションを沸き立たせることが必要です。

実行する自分も、実際に運用する担当者たちもモチベーションを高く保たないと、現状を変えずに途中で終わってしまう可能性があるからです。

丸1日以上かかっていた作業がなくなるわけですから。

その分データを眺めてクリエイティブな作戦づくりの時間に充てることができれば、残業時間を増やすことなく大きく成果が出るでしょう。

作業に1日半かかっていた人は生産性を下げずに毎月半休以上の有休をとることができるようになるでしょう。

この変化した状態を目指して課員一丸となって変革に進んでいこうと思います。

この成功体験をもっと欲しがるようになれば、放っておいても変革が進む素敵な組織になると信じています。

『課を立て直す』というミッションに対するビジョンはこれだと信じて突き進みます。

続きはまた今度。

まとめ

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今日は『大企業』という看板とのギャップが大きい作業実態に対し、改革を始めたという記事を書きました。

電卓からエクセルに進化した。

ここで成長の止まってしまった組織文化を立て直すべく、変革を始めました。

昭和から一気に令和に・・・とまでは難しくても、平成25年くらいの仕事ぶりに届くよう頑張っていきます。

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せっかくなのでこの記事をシリーズ化して変革までの軌跡を綴ることにしました。

『昭和的工場変革日記』というタイトルでマガジンにまとめていきます。

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