見出し画像

合唱団の組織フレームワークの遷移

合唱団の組織作りの答えも1つではありません。いろんな合唱団がいろんな組織作りを苦労されているかと思いますが、よく発生する組織フレームワークの遷移についてご説明します。参考図書は以下です。

合唱でみられる組織形態

以下の3つの形態が主にみられます。

オレンジ型:役職によるヒエラルキー組織。指揮者の下にコンマスが居てパートリーダーが居て団員がいるような構造を強く意識している合唱団。

グリーン型:役職は存在するがボトムアップ的志向を持つ合唱団。多くの合唱団はここを志向している現状かと思います。

ティール型:役職から役割に移行している合唱団。この状態に移行している団体はまだ見たことがありません。

オレンジ型→グリーン型

オレンジ型は合唱団立ち上げてまもない頃など、まだ強く組織が団体が意識されておらず、強い個人により引っ張られている状態の時によく形成される組織形態です。
ある程度団体としての実績が積み上がって、多くの新しいメンバーを招いていくと、強い個人とそれ以外のメンバーに意識ギャップが生まれ、メンバーの声を活かしていきたいという方向に移行します。

カンサォン・ノーヴァでも、初期は3,4名の立ち上げメンバーが主体で運営を取り仕切っていましたが、運営メンバーを10名程に拡充して、なるべくボトムアップの意見も汲み取りながら活動していくスタイルに切り替わっていきました。

この辺りから「この団体はこういうことするよね」というような合唱団としてのイメージが徐々に形成されてきます。

グリーン型 → ティール型

グリーン型に移行して、組織として万々歳かというと、まだいろんな問題が発生し得ます。例えば、「XXという意見が上がってきたけど別の観点からしたらナンセンスだ」というようにボトムアップで吸い上げた意見が運営からすると全体が考慮されていない浅い意見に思たり、あらゆる最終的な判断が執行のごく一部の人間に委ねられトップの人間が高負荷になってしまうことなどが挙げられます。
これらは、役職的な階層性を保っている限りは、特定の層から下には情報が遮断されたり、お伺いを立てるフェーズが発生したりするので、組織構造上避けられない問題です。

ティール的な組織に移行することで、情報の透明性が保たれ、権限も全体に委譲されているので、特定の人にマネージメントの高負荷が発生することもありません。

ではこの合唱団においては前例がなさそうな移行をどう達成していくのでしょうか。まだ実験的な段階で答えが見つかっていないのですが、重要なキーワードとしては以下のようなものがあげられると思います。

・団体としての目的の明確化 → 「進化する目的」
・個人の目的意識に対する気づき → 「自主経営」
・個人の全体性を受け止められるロール(役割)の豊富さと柔軟性 → 「ホールネス」

これらを実現するために、カンサォン・ノーヴァでは、団体理念の明確化、個人との対話、チーム活動を試行しています。

まとめ

合唱団によく発生するフレームワークの遷移(オレンジ型からグリーン型へ)と、これから先起こり得る遷移(グリーン型からティール型へ)についてまとめました。
後者の遷移はまだ探索的なところもあるので、新しい現場での知見をまたまとめていきたいと思います。

関連記事



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?