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いま「ティール組織」を読む

いま、意見の対立を超えた「協働」が求められている。

しかし、わたしたちは「協働の方法」を学んできただろうか?ともに働き共通の目的に向かえる「しくみ」や「文化」を築いてきただろうか?

そういう視点をもてるのが、この本。

ともに働く人々のあつまりを「組織」と呼ぶとして。

それは強い意志で「つくる」ものではなく「しこむ」ものだ。

組織は生き物、発酵するもの。

放っておいても生まれるが、放っておくと腐っていく。

いい組織を「かもす」には「技術」がいる。

逆にいうと、上手に「しこむ」ことが出来れば、いい具合に「かもせる」ものでもある。

個の時代とは、だれもが、いつでも、どこでも協働できる時代。

これからその流れは、ますます速くなるだろう。

こうした組織論も企業の上層部だけに必要な知識ではなく、個人の「生きる智恵」になっていく。

どんな大きな組織も、本当は「あなたとわたし」の集合体。

だから、いま無力感を抱えている「あなた」にこそ読んでもらいたい。

2018年に日本語版が出版された「ティール組織」。

組織論という硬派なテーマのビジネス書にもかかわらず、一般書籍に並ぶ異例のヒットを記録したので知っている人もいるだろう。わたしはそのどこか神秘的なコンセプトに惹かれ、発売の直後に一気に通読した。

わたしが取り組んでいる発酵する協働体「かもノす」の活動は、それ以前から漠然と考えていたアイデアが、この本との出会いで一気に整理・補強され形になったもの*。そういう意味で、個人的に大きな影響を受けた本のひとつだ。その内容はこれまで、わたし個人にとっての重要な学びであり、ひとつの理想像だった。

しかしいま、COVID-19の脅威によってこの組織論の意義が急速にクリアになり、誰にとっても必要な「生きる智恵」になりつつあるように感じている。

それで、あらためてこの書評のようなものを書いてみた。

正直、ぶ厚いしやたらと難しそうにみえるので、気軽におすすめしにくい本。でも、この文章を読んでどこか引っかかるものがある人なら、いまどんな立場にいたとしても、なにかを得られると思う。ビジネス的なものへの意識を捨てて、組織という言葉の堅苦しさを忘れて、ぜひ手にとってみてほしい。

そして、よければ感想をきかせてください。

読書が苦手な人は動画もあるよ!

著者による講演の動画
https://youtu.be/gcS04BI2sbk

出版社公式
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2226

*ちなみに「ティール」という言葉は「鴨の羽の青緑色」意味する言葉。日本語だとそのまま「鴨の羽色」という。あとから知った、ちょっと面白い事実。

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