会社は学校ではありません。目指すものは…
「これパワハラ?」問題を乗り越える
これまでのnoteで「ルール設定」「ほうれんそう」の方法を紹介しました。
それでも心理的なハードルがある人がいるでしょう。
その背景には「パワハラ問題」が潜んでいるはずです。
「ちょっとでもきつく言ったら、パワハラになるのではないか?」
「部下に気を遣わない上司は、パワハラ上司かもしれない…」
そんな心配をしている人がたくさんいるでしょう。もちろん高圧的な態度や理不尽を押し付けることは絶対にやってはいけません。
しかし、パワハラになることに怯えるあまり「部下に指示ができない」「すべて自分で背負い込んでしまう」ことになるのは問題です。
ここでは、パワハラの考え方について説明していきます。
部下と「友達関係」になっていないか
識学の考え方を徹底的に実践してもらうと、パワハラは起こりません。
感情を脇に置いて「ルール」で管理し、「位置」によるコミュニケーションをするからです。
ルールの設定と運営だけでは感情が入り込む余地がありません。自分が人間として上に立つことで、部下は言うことを聞くと勘違いしているからマウントを取ろうとするのです。
自分の方が強くいないといけないと思うから、部下を威圧してしまいます。
あるいは自分の方が仕事について詳しくないといけないと思うから、部下のムチに対して必要以上の指摘をしてしまうのです。
上司と部下は、あくまでも会社のルールで規定された関係です。
ルールで規定されていない友人関係のように、強い人や、詳しい人が力を持つという関係ではないのです。
ルールがきちんとあって、そのルールに対して「できていない事実を淡々と指摘する」ということであれば、パワハラにはなり得ません。
「赤信号だから止まってください」というルールに従ってモノをいう分には、感情が入り込む余地はないのです。
赤信号を守らなかったことを指摘したら、「パワハラだ!」と言い返されるなんて逆ギレもいいところです。
仮面をかぶり、堂々と伝えるリーダーになりましょう。
「孤独を感じる」ができるリーダーの条件
ピラミッド組織では、立場が上に上がれば上がるほど、孤独になります。
最初にリーダーになるタイミングでは、その孤独を引き受けられず、つい仲良くなることを優先させてしまいます。
これはある飲食工場の部長の話です。
前任の部長から業務の引継ぎがなかったことで、部下からいろいろと教えてもらう立場からスタートしました。
すると、常に部下が部長に対して教えてあげるという感覚が抜けなくなり、上司の指示を聞かなくなってしまいました。
緊張感がなくなり、要するに「ナメられてしまった」のです。
そんな、なあなあの関係を辞めるために、部長は部下と距離を取るようにしました。
すると、コミュニケーションが減り、「最初は寂しく感じた」といいます。これはどの組織の管理職も同じことを口にします。
「寂しい」
この感情を引き受けることが、リーダーの立場では必要です。
その後、業務スピードが向上したことで、その部長は寂しさを気にしなくなっていきました。
この部長のような悩みを抱えている人がいれば、識学を信じて、まずは部下と距離を取ってみてください。
学校ではなく塾を目指せ
さて、こうした「寂しさ」を感じる原因は何でしょうか。
それは「学生気分に」にあると思います。
多くの人は、高校や大学を卒業し、就職活動をして、今の会社に勤めていると思います。
つまり、学校生活の延長線上に会社生活があるのです。
入社1年目や新人の頃は、同期も横並びで学生気分で乗り切れたでしょう。うるさい上司は学校の先生のように見え、同期同士で愚痴を言ってストレスを発散していたかもしれません。
しかし、いざあなたが責任のある立場を任せられると、一気に学生気分ではやっていけなくなります。
そこで感じるのが先ほどの「寂しさ」です。
ここで考えてほしいのは、学校ではなく学習塾です。
楽しい学校の先生と、厳しい塾の先生をイメージしてみてください。
楽しいけれど緊張感がなくて、志望校に落ちるのか。厳しいけれど緊張感に溢れ、志望校に受かるのか。
その二つを選べると思ってください。
識学の考えでは、会社は塾に近いです。
「最近、部下から食事や飲みに誘われなくなったな」
そう感じるなら、それはあなたが優れたリーダーになったサインです。識学の社長も社員とは飲みに行きません。
他の会社の社長同士で会食することはあります。
同じ立場で同じ景色について話ができるからです。リーダーになったなら、そういう「切り替え」も必要でしょう。
みなさんには、寂しさから逃げて楽しい学校生活にするのではなく、厳しくても結果を出すリーダーになってもらいたいのです。