累計29万部突破した『リーダーの仮面』のメッセージを識学社員が要約してみる。
こんにちは。識学でマーケティングを担当している城所と申します。今回は、識学代表安藤の著書『リーダーの仮面』の内容を、要点を絞ってお伝えしていきます。
はじめに
多くの組織では、プレーヤーとして優秀な成果を上げた人がマネジメントのポジションに就くことになると思います。
それでうまく回れば良いのですが、残念ながら多くのリーダーはその変化に戸惑います。
優秀なプレーヤーがマネージャーなったとき、彼らがよく犯す失敗は下記のような行動です。
手取り足取り自分のやり方を教える
自分についてこさせようとする(背中を見せて育てようとする)
実は、これらはリーダーとしては最悪な行動パターンです。
また、よくある理想のリーダー像で上がるのは「カリスマ性」という言葉です。
言葉と熱意で人を動かし、皆から尊敬されるような学級委員タイプのことですね。
しかし本来、リーダーにこのような資質は不要なのです。
むしろ、成果に関係なくこのようなリーダーが選ばれてしまうことには弊害もあるといっても過言ではありません。
今回は、優秀なリーダーになるために「これだけ意識すれば問題ない」というポイントを絞って解説しています。
ぜひ皆さまの日々のマネジメントに生かしていただきたいと思います。
リーダーに必要な思考法①「ルール」
組織のマネジメントにおいて、リーダーがまずやるべきことは「ルールを決める」です。
「ルール」と聞いて直感的にどう感じるでしょうか?
「窮屈だ」「息苦しい」などネガティブな印象を持たれる方が多いのではないでしょうか?
しかし実際は、ルールがあるからこそ、伸び伸びと行動することができるのです。
例えば、夏休みの宿題だとどうでしょうか。
あなたは学校の先生から以下の2つの指示が出されたとします。
どちらの方が、より取り組みやすいですか?
A:「何でもいいから自由に研究して発表してください」
B:「好きな生き物を1種類選んで研究して発表してください」
自由度が高い指示は当然Aです。
しかし、多くの人にとって取り組みやすい指示は、Bになります。
Aは考える範囲が広すぎるために「本当にこれで良いのだろうか?」といった余計な心配をしてしまい、ストレスを感じてしまうからです。
そして、自由度が高い組織においても、自由度が高すぎるために「空気の読みあい」や「顔色うかがい」があちこちで発生しています。
すると、メンバーは「何をやるべきか?」に意識が向いてしまい、作業への集中力が下がってしまうのです。
そのため、リーダーはまず「ルールを決める」ことを始めましょう。
「ルール運用」の注意点
ルール運用の際の注意点を1つご紹介します。
「ルールを守らせるときに個人的な感情を入れない」ということです。
リーダーが一度ルールを決めたにもかかわらず、個人的な感情で社員それぞれ違う対応で運用すると、周りの社員は「なぜ彼は良いのに私はだめなのか?」と言い出してしまいますよね。
当然、社員の不満は高まりますし、何よりも、この説明に時間を使うのは多大なロスタイムです。
正しい対応は、全員に対して平等にルール設定し、同じように守らせることです。
リーダーに必要な思考法②「位置」
次にリーダーがやることは、部下に対して彼らの「位置」を正しく認識させることです。
すなわち「誰からの評価を獲得すべきなのか」を認識させることですね。
部下の責任は、「上司の求める結果を達成すること」です。
そして部下は、その結果に対する達成度で評価されます。
これを部下に正しく認識させられないと、部下は「自分が良いと思ったこと」と「リーダーの指示」が違う場合、従わなくなったり、手を抜いたりするようになります。
あくまでも、部下を評価するのは上司なのです。
位置を認識させるために、部下とは迷わず距離をとるべき
部下に対して「位置」を正しく認識させる上で必要なのが、「距離をとる」ことです。
世の中では上司と部下の仲が良いことが是とされる風潮があります。
しかし、チームを勝たせることを目的にするならば、それは誤りです。
なぜなら、距離が近いと、部下は「上司に従わなくても仲が良いから許されるだろう」という思考に無意識に陥るからです。
その結果、たとえ上司が最高の戦略を作ったとしても実行がおろそかになり、目標達成の可能性が下がります。
あくまでも、最終意思決定者は上司であり、上司が求めていることの達成度で評価される存在であることを正しく認識させる必要があります。
ただし、部下は上司に対し、チームにとって良いと思った情報を上げることはOKです。
その情報を下に、最終的には上司が意思決定の権限を持つということです。
リーダーに必要な思考法③「結果」
最後にリーダーは、部下の評価を「結果のみ」で判断することです。
世の中では「プロセスを評価すること」が良いことだという風潮がありますが、もちろん、識学ではこれを否定する立場です。
プロセス評価がダメな理由は主に2つです。
自己評価であるから
プロセスに集中してしまうから
1つ目は、プロセスは「頑張った」など個人の主観であるため、実際の会社の利益とは必ずしも一致しないからです。
結果が出ていないにもかかわらず、「夜遅くまで準備を頑張りました」と言ってきた部下を評価し続けるということは、会社が利益を上げていないにも関わらず、従業員の給与を上げることと同じです。
これでは当然、会社はいつか潰れてしまいます。
2つ目は、部下が「結果を出すこと」よりも、「プロセスをよく見せる(頑張りアピール)」に集中してしまうことです。
プロセスを褒めた結果、「私の上司が求めているのは結果ではなくプロセスなんだな」というような錯覚を起こしてしまうわけです。
当然、チームの成果は上がらなくなります。
上記のことから正しい対応とは、「結果のみを評価すること」になります。
※ただし、結果が良かったときのみ、後でプロセスを褒めるのは間違いではありません。
「真に」社員を大切にするとは?
世の中に「部下を大切にしたくない」リーダーなどいないでしょう。
ただ、ここで改めて「部下を大切にする」ということについて考えたいと思います。
「部下を大切にする」とは、部下に楽しく働いてもらうことでしょうか?
部下にモチベーションや夢を与えることでしょうか?
識学は、そうではないと考えます。部下を大切にするとは、部下を成長させ「生き抜く力」を身につけさせることです。
親はこどもを大切にするからこそ、甘やかさずに育てます。経営も同じです。
どんなに厳しい時代になったとしても、会社が無くなってしまったとしても、力強く生きていけるように、人と組織を育てる必要がある。
リーダーの仕事は「従業員満足度」を高めることではないのです。
「部下の成長」にこそ責任を持つべきなのです。
本当に「部下を大切にする」リーダーのパートナーになることが、私たち「識学」の思いです。