ものすごくイケてない時間と書き物
時間をつぶし、無駄にしていた。
のんびり過ごしたのと違う。
こんなに無駄な一日は、生まれてこのかた記憶にない。
働いてた頃のわたしにすれば、何とも贅沢なことではある。
けれど、やっぱり虚しさが広がる。
やりたいことに手をつけられず、他所を彷徨わねばならない自分に。
今日は朝からイケてなかった。
マンション工事の騒音がピークに達することがわかっていたから、とにかく家からの脱出を目指した。
朝9時過ぎからどこへ行けというのだろう。
図書館は自転車で30分。この暑い中行く距離じゃない。
昨日は都心でお芝居をみた。
本音を言えば、今日は外出したくない。
いつもだったら家でまったり。
HSPのわたしは毎日出かけると疲れちゃう。
とにかく、逃げるように家を出た。
立秋の夏空に、いろんな雲が浮かんでいる。
ちょっぴり雲を学んでいるから、あの雲は空の高いところ、この雲は低いところとわかることが増えてきた。
お風呂で石けんをひたすらもこもこ泡立てた、そんな雲の中に両手を合わせて作ったようなハート型がぽっかり空いてる。
ああ、あの写真を撮りたい。
けれど、はり巡らされた電線が邪魔でしかない。
そう、この空の下にあるものはたいていわたしの邪魔をする。
京都にだって電線はあるけれど、ちょっと歩いて場所を変えれば、切り取りたい空に次々と出会えた。
この街はその真逆。
電線、高い建物のオンパレード。
ただでさえ狭い空を、行けども行けどもさらに狭めて、わたしの邪魔をし息苦しくする。
些細な不満がここかしこに積もっている街。
どうしてだろう?
どうしてわたしは、ここに住まねばならなかったのだろう?
そうして親の毒へとたどりついては、もう関係がないことだと頭を振ってお祓いをする。
空が取れず、不機嫌なまま駅前のファミレスへ。
今日一番嬉しかったのは、ノートパソコンを初めて買ったパソコンケースに入れて持ち運んだこと。
ボディの艶やかで透明感のあるメタリックブルーと、ケースのしずく模様のマッチングが最高すぎる。
フリーWi-Fiの登録や接続とファミレスのアプリのダウンロードに手間取る。
ここには2時間しかいられないのに、30分くらい使ってしまった。
そこから、書く。
筆が乗らない。
もやもやしつつも、とりあえず書く。
紫式部の夫・藤原宣孝のことをごくわずかだけ書き進める。
ああ、家にいたなら大河ドラマの録画を見返したりできるのに。
再びちょっと、もやもやが沸き立つ。
夢と希望にあふれたワクワクが、入道雲のように高く湧き立つ。
そんな心に、なかなかなれない。
心療内科の先生が、ずっと心を抑え込んでいた分、すぐに動かすことがなかなかできないのでしょうねと仰っていた。
とりあえずの勢いで他のことを書き進める。
炭酸水というnoteさんのお題を書いた。
それもなんだか進まない。
もうずっと昔から炭酸水を毎日飲んでる。
特に冬の朝はホットです。
以上。
……本当はもっとぐだぐだ書いてから、結局こんな一言でまとまる話じゃね?と虚しい気分に。
ファミレスを出て、次の居場所へ。結局別のファミレスだけど。
超痛いのは、次のお店にフリーWi-Fiがないこと。
テザリングすべく自分のスマホにつなげようとしたけど、何度やっても、どうしたって接続できない。
理由は不明。やり方は間違ってない。ググっても正解は謎。
わたしのスマホが古すぎてBluetoothのバージョンが合わないのかも。
結局、小型のワイヤレスキーボードをスマホにつなげ、何かを埋めるように3時間近く駄文を打った。
本来、駄文という表現は好きじゃない。
どんな言葉でも、何かにつながると信じているから。
けど、今日ファミレスで書いた文章は駄文だった。
ああでもない、こうでもないという書き連ねては、投稿しないで消し続けていた。
日常の残念な思いや不本意な生き様が積もれば積もるほど、文章にも表れる。
書きたいのにわたしの指先から流れ続けるのは、そんな念が乗った文字たち。そう、きっと今だって。
ようやく太陽が傾き、夕立をにおわせる灰色の雲の影へ。
夕方になれば、工事が終わってやっと静かな家になる。
部屋に戻ると、いろんな忍耐と闘っていた魂がほっとする。
そうして力尽きたように眠くなる。
ああ、ここから本能にまかせてひたすら惰眠を貪れたなら。
それもどうせ叶わないから、パソコンを起動する。
またひとつ書く。
お芝居にまつわること。
でもやっぱり没にしてしまった。
出来上がりはともかく、書くのが好きだ。
書けないことは、悔しさしかない。
50年近く生きた。
まだまだというか、今だからこそ悔しいキモチがうずうずと湧く。
だから、書くのだ。
わたしの人生における残念を、少しでも拭うため。
今は、書くしかできない、書くことに向き合うしかない。
ようやく勢いでこれが書けた。
今日のnoteとイケてなかった時間は、
これでもうおしまい。
ここまで御覧くださった皆様、
貴重なお時間ありがとうございました!
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