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短いシカ、キレた!!
お菓子でよく、サラダ味ってあるじゃないですか。私はよくあれを好んで食べていました。「くっさいチーズ味が食べたいな」「バターの利いたコッテリ系もいいな」そんな風に思っても、基本的にはサラダ味を選んできました。
何故かというと、少しでも健康なものを食べよう、という意識があったからです。年齢も重ねて、若い頃のように脂身への食欲も薄れ、野菜をとらねば身体の不調をダイレクトに感じるお年頃……じゃあそもそもお菓子なんて食べるなって話ですが、それは土台無理な話です。カロリーはカロリーで正義なのです。
そんな苦境の狭間にいる私が選んだ折衷案は「サラダ味」でした。せめて摂取するなら少しでも健康なものを……野菜ジュースにも劣るだろうが、ほんの僅かの野菜を、サラダ味に一縷の希望を託して……しかしつい先日、何の前触れもなく、私の頭の中にふとした疑念が浮かびました。
「サラダ味、全然野菜の味しなくね?」
何故この疑念が今まで湧き上がってこなかったのかも不思議です。兎にも角にもこの些細なクエスチョンが、残酷な真実の扉を押し開くことになるのです。
以下、残酷な真実が明らかになります。
心臓が悪い方はご注意ください。
「なんだァ?てめェ……」
こんな裏切りが許されるのでしょうか?シェイクスピアでもこれほど邪悪で狡猾な瞞しのトリックは描かなかった。私が名探偵コナンの登場人物ならこれを機に復讐犯罪を決意する程の度し難い裏切り行為です。健康的な野菜だと思ってたサラダ味は、ギトギトのサラダ油味だったのです。私はギュッと拳を握りしめました。この時の私の握力は八百屋に並べられたトマトを全てぐちょぐちょに出来るほどの強靱なものでした。
そして怒りと悲しみに打ち震えた私は空を仰ぎ、深いため息を吐いて、こう言うのです。
短いシカ、終始上から目線!!
終
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