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呑みながら書きました!

お供にしたのはシラーの赤ワイン……3杯飲み干して、もはやベロンベロンの短いシカです。お酒弱者の私ですが楽しそうな企画、どうせならトコトン酔っ払って書こうと普段より多めに飲んじゃいました。今回面白そうと息巻いたのがこちらの企画です!

お酒呑みながら愚痴書こうぜ!って企画ですね。いざ……!

私は日常生活では基本、愚痴を言われやすいタイプです。誰々が、誰々に対しての愚痴を、延々と私に聞かせてくる。多分私が無口で、友達がいなさそうだから言ってくるんでしょうね。コイツに愚痴言っても誰かに漏れる事は無いだろう、そう思われてる気がします。

漏らさないけども!!というのが私の愚痴ですかね。愚痴を言うことでその人の気持ちが軽くなるなら、良かったとは思えます。でもそれを聞いた私には、その人の愚痴が日常の中で楔になるのです。度が過ぎると人間不信にもなりますとも。愚痴と言う名のあなたの業を、(都合が良いというだけで)私に背負わせないで!という、気持ちになる事が時々あります。多少は大丈夫なんですけどね、時々、許容量が超えると、ちょっぴり辛みです。

当たり前ですけど、今回の企画は別ですよ!!だって共有出来ますもん、沢山の人と、抱える業を。皆で背負えば重くない、というやつですかね。こっちも愚痴を聞く体制で拝聴しますので、全く苦じゃありません。温かくて、優しい企画だと思います。愚痴を言わねばやってられない、そんな人は沢山いますもんね……そして、他人の愚痴『業』を私1人で背負いたくない、という人も沢山いるでしょうから、双方にとってwin-winの企画だと思います。あったけぇあったけぇ。

愚痴って言うのも難しいんですね、何だか新鮮な気分です。酔っ払った勢いで、ちょっと短い物語も書いてみたいと思います。アルコールを含んだ私がどんな話を書くのか、個人的な興味もあるので。誤字脱字が凄い事になりうそうですが……勢いで、まずはタイトルから、即興で。今思いつきで決めました!

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『紳士R氏とポロライド・マシーン』

単調な部屋だった。
争いはそこで生まれた。

1999年8月、終末論が闊歩する街、東京都新宿区早稲田、その流れを汲み取る神田川沿いのベンチでR氏は悲嘆に暮れていた。彼の頭には幾つかの間違いが反芻していた。「胎内回帰、呪詛的肉体論、一つの机、二つの椅子……」R氏は近所では評判の紳士であった。信号待機は常に最後尾に、井戸端の銃撃を一身に受け、落ちぶれた星は夜空に飾り直す、つまるとこと風変わりな善人であったのだ。そんなR氏の目下の悩みは、世界の終末にたいする厭世にあった。

予言に支配された街、雨水が天に墜ちる夜、虫食いのベンチでR氏は文庫本を片手に流れる水面を眺めていた。『流刑の地』そんなタイトルの不条理の物語に彼は感化されていたのだ。
『流刑の街、肥大した夜、呆けた月に、簒奪者ヨーゼフRは憂うのだ。これから未来、それが過去に姿を変える時、我々は獲得する。過去が未来に姿を変えるその瞬間を、現在が現代において過去であり未来であるその現実を。そしてヨーゼフRの心臓は眠るのだ。二人の犬の生臭い爪において、引き裂かれた傷跡に希望の逆光を見いだして』

R氏はこの不可解な『語』に心乱されていた。終わるかもしれない世界の片隅で、空白が世界を侵犯するのか、世界が空白を量産するのか、曖昧な余白の片隅で、R氏は決断する。

「もし私が今を獲得することが出来たなら、世界の終末を食い止める事が出来るやもしれない。大予言を未来に送り、過去を今に変えることが出来たなら、私たちのミレニアムを、燦然とした夜に送る事ができるやもしれない」

そして紳士R氏は夜を放棄し今を獲得した。一冊の『語』を世界に残して。彼は単調な部屋に冒険の旅に出た。そこでR氏は対面したのだ、二人の犬に、呆けた月に、現実に。そこでR氏は沈黙した。終末論を背負ったR氏は、確かに世に存在したのだ。そして今も確かに夜に存在している。そしてR氏は再びミレニアムを前に消失する。流刑の地、単調な部屋、東京都新宿区早稲田、その流れを汲み取る神田川のベンチで。R氏は呟く。

「胎内回帰、呪詛的肉体論、一つの机、二つの椅子……」そして終末論が闊歩する街が、R氏を飲み込むのだ。時の胃袋の中に。雨水が天に墜ちる夜に。


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如何でしたでしょうか?『紳士R氏とポロライド・マシーン』。多分Rはアルコールの『アル』という部分から拝借したんでしょうね、単純……。しかし楽しかったです!癖が強い話になっちゃいましたが、多くの人にも、アルコールのお供に楽しんで貰えてたらいいな……。

本日の投稿はここまでにします。素敵な企画を立ち上げてくれたお二人に感謝です。遅れて参加も言いそうなので、皆さまもよかったらぜひ^^ここまで読んで下さりありがとうございました!この投稿が数分の暇つぶしになっていたら幸いです。

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