![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84523687/rectangle_large_type_2_d245ae296a2db45472295fea142ae766.jpeg?width=1200)
「子ども習字教室」をボランティアで書道講師をしています
いきなりですが、あなたに質問させてください。
あなたは、誰かからメッセージまたは手紙をいただく場合、パソコンで作成されたものがうれしいですか?
それとも、手書きされたお手紙がうれしいですか?
多くの方は「手書きの手紙がうれしい」と感じるのではないでしょうか。
現代は、パソコンとスマホの普及で、なかなか字を書くことが少なくなりました。
だからこそ、アナログが人の心を打ちますよね。
実は、今こそ手書きが見直されている時代です。
こんな時代だからこそ、字がきれいに書けることで、ほめてもらえる機会が増えます。
学校の先生、周囲の大人たちから「すごいね」「立派な字ですね」と言ってもらえることは、子どもの自己肯定感を育むことにつながるのです。
子どもの自己肯定感を育む
そんな思いから、幼稚園・保育園で「子ども習字教室」をボランティアで始めました。
1、なぜ、書道を教えているのか
私が、はじめて毛筆を手にしたのは、3歳の時です。
母が自宅で書道教室を開いていたので、幼稚園の頃から習字を始めました。
字がきれいに書けることで、たくさん良いことがありました。
大人になった今でも、役所や病院などで自分の名前を記入したとき
「きれいな字ですね」
とほめてもらうことがあります。
とってもうれしいです。
大人になるまでの子ども時代も、字がきれいに書けることで、たくさんほめてもらう機会がありました。
また、就職活動の時には、手書きした履歴書を見て、人事部長が「立派な字ですね」と仰ってくださり、複数の会社で最終面接まで進んでいきました。
ある経営者は、「筆圧が弱いと、自信が無いと感じるものだ」と仰っていました。
確かに、FAXの場合、筆圧が弱いと読めないので、仕事の手戻りが起きてしまいます。
それだけでも、仕事効率が悪くなってしまいます。
また、日本では、「字は体を表す」とも言われます。
文字の形に、その人の性格や人格があらわれると言うことです。
私の感覚ですが、経営者や教養の高い方は、字が美しいかどうかなど、細かいところまでよく観察されていると感じます。
幼稚園・保育園の園児たちに、習字を通して身につけて欲しいこと。
それは、自信 です。
2、習字を通して身につくこと厳選3つ
①美しい姿勢
戦後の教育者 森信三先生はこう言いました。
「美しい姿勢は、集中力を高める」
毛筆で書く時、姿勢が悪いと、どうしたって筆の運びが歪んでしまいます。
そうならないために、習字の稽古で、腰骨を立てた正しい姿勢をキープする習慣が身につくのです。
②頭と体の全身運動
幼稚園・保育園の子どもたちは、私たち大人が考えている以上に、意識を半紙に向かっています。
お手本を見て、自分の頭の中で(どのように書こうか?)書き方の構想を組み立てています。
そして、息を止めて、グッと丹田に力を込めて、筆を動かしていくのです。
筆は、指先で動かすのではなく、実は肩を動かすイメージ、つまり全身運動なのです。
このように、頭の中をフル回転させて、背筋を伸ばし、肩から動かす。
頭と体を連動させる、全身運動なのです。
③集中力の強化
墨で書くことと、パソコンに入力することの決定的な違いとは何か?
それは、やり直しがきかないということです。
この1枚に込める。
まさに、真剣勝負。
「今日のお稽古の最後の1枚」は、目をつぶって、深呼吸して、自分のタイミングで書かせます。
この時間は、一瞬ですが、教室の中の空気は、シンと静まり返ります。
3、自己肯定感を育むきっかけの提供
書道で審美眼を養う
大袈裟に聞こえるかもしれません。
がしかし、美しい文字が書かれたお手本を見習い、それを真似る。
理想の状態を目指して、実践を繰り返し、体得していく。
これって、何かを達成するプロセスとして、全てのことに通じる王道だと思いませんか?
私は、子ども達に、書道の先生を目指して欲しいわけではありません。
習字の段を取得していくことを望んでいるわけでもないのです。
習字を通して、生きる力を伸ばしてほしい。
生きる力を伸ばすために重要なことは、自信とやり抜く力です。
現代では、魅力的な習い事はたくさんあります。
ですので、習字だけが素晴らしいと言っているのではありません。
むしろ、色々な習い事に通える環境にあるのであれば、チャレンジすることはすばらしいことです。
さまざまな選択肢の中で、私が子ども達へ教えることができるのが、習字です。
子ども達の健やかな未来のために、少しでもお役に立てたらうれしいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?