能楽とリーダーシップの共通点とは
過日、人間国宝 大槻文蔵先生が所有する大槻能楽堂にて、能の舞台を鑑賞しました。
「能楽鑑賞?
それって、ビジネスにどう活用できるの?
古いだけで時代遅れの遺物なのでは?
そもそも、眠くてだるいだけなのでは?」
そう思っている人も多いかもしれませんね。
なぜなら、わたくし河村晴美自身がそう思っていたのです。
というのも、はじめて能楽堂でお能を鑑賞したとき、ほとんど夢の中。
つまり居眠りしてしまいました。
のは、そう京都へ大学進学で上京した新学期、4月。
能楽堂へ行ったのは、京都の大学へ進学し、大学主催の催しだったので
「せっかくだから行ってみよう」と誘われるままにチケットを買い、結局は隣席のクラスメイトの肩を借りて、ずっと居眠りし続けたのでした。
そんな私ですが、今ではすっかりお能の奥深さに魅せられて、月1回程度、能楽堂で鑑賞するようになりました。
なぜ、能楽は時の権力者を魅了するのか?
さて、お能を鑑賞する理由は、人それぞれにあり、良し悪しも優劣もありません。
とはいえ、700年前の足利義満公が観阿弥世阿弥親子を庇護し、その後も時の権力者がお能に魅了されたのは、なぜでしょうか?
その理由の一つは
亡ぼされた側が主役だから
だと思うのです。
古代エジプトでは、ツタンカーメンとその父アクエンアテンなど、死後の権力構造によって王名帳から削除されていました。
日本でも、平家物語など、次の新政権の正当性を示すための大義名分として、前政権を悪者として描かれています。
つまり、歴史とは勝者による正当性の物語といって良いかと。
とはいえ、本当の勝者は「敵ながら天晴れ」と宿敵へ敬意を示す。
これこそが本物の勝者たるゆえんです。
*
亡びた側に華をもたせて、とむらう
*
確かに、歴史においては負けたのだけれども、能という日本文化の中ではずっと語り継がれ、むしろ、見事に昇華されて語り続けられる。
天晴れ(あっぱれ)から、もののあはれへの昇華。
お能の魅力とは、敵を敬い、花道をつくる美学
そして、悲哀と葛藤が、時の権力者の心をなぐさめて魅了するではないでしょうか。
本物のリーダーシップとは、敵をも敬意をはらい、花道をつくる
リーダーに必要なたった1つのこと
リーダーに必要なことは何でしょうか?
スピーチスキル?
マネジメント力?
それとも、稼ぐ力?
いやいや、カリスマ性でしょうか?
人それぞれ「これが正解」と思うことはあるでしょう。
わたくし河村晴美が考える、リーダーに必要なこととは
「敬意」です。
「パワハラ」と「叱る」の決定的なちがいとは
部下に、
「パワハラだ!」と言われるのか?
「お叱りをいただいた」と感謝されるのか?
部下の受け取り方が全く異なることは多いです。
その違いを生み出す原因は「部下へ敬意をもって接しているか」なのです。
リーダーとして、人を動かす極意とは「敬意」
人の上に立つ人は、部下のみならず、敵までも敬意をはらう。
その懐の深さを、部下は冷静に見つめています。
まして、自分の部下に敬意をはらわないなんて…。
そりゃ、パワハラと言われても仕方ありませんよね。
リーダーに求められるのは、視座の高さと視野の広さです。
どこまで見通しているのかが問われます。
過去に学び、未来を見通す。
敵をも包み込む度量の深さ。
お能は、昨日今日生まれたばかりの流行を軽々と超えてきた、百戦錬磨のエッセンスが詰まっています。
スケールの大きな大局観を養いたいリーダーには、ピッタリな教養ですね。
ということで、これからも現代の資本主義社会を生き抜くサムライのようなビジネスパーソンへお役に立つ情報をお届けしてまいります。
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