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陽気でいてくれなきゃ浮かばれない

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昔女の子だった人

夕方、スーパーの帰り道信号を待っていると、目の前に立っていたおばあさんが突然へたりこんだ。 少し放置しようか迷ったが、「大丈夫ですか?」と話しかけた。彼女はぼんやり「めまいがしたの」と答えた。顔を近づけなくても酒臭かった。痩せていて、ラフな格好をしている。目にはマスカラがされていて、年恰好とどこかギャップを感じた。 「救急車呼ぶ?」と聞くと、いいという。 「タクシー呼ぶ?」と聞くと、「家まで1分だからいい」とそれも断られた。 また倒れそうなので、腕を組んで酒臭い女の人と

    • 角のエデカの思い出

      何の流れか忘れたけど、Googleマップで昔のアパートメントを見に行った。 アル中ニート時代、ほぼ毎日買い物していた角のスーパーが取り壊されていた。 ある日、閉店まぎわに酒を買いにいった時のこと。 バイトの子がレジを打ちながら「リンゴジュースとウォッカっておいしいの?」と私に聞いた。「うん」というと、その子は「私はオレンジジュースで飲むよ」と笑った。 本当は味わったことなんてなかったな。流し込みやすくなれば何でもよかった。 いつもエデカでは同じようなものしか買わなかった

      • バカと思春期

        メモが出てきたのでここに残す。 2、3年前に大森のバーにいた女の人に聞いた話。 彼女は立会川だったか、北品川だったか、そこらへん出身。進行形でめちゃめちゃバカだし、昔からめちゃめちゃバカだったそうだ。 入学した中学もバカばかり。できた不良の友達と集まっては、学校をサボって公園でドロケイしたり、みんなでテレビを見たりしてだらだらすごしていたそうな。(ドロケイて!) ところが、中3になって思春期を迎えた不良友達に好きな男ができて状況は一変。友達は「好きな子が高校に行くから」

        • マンボウ

          この前ノート三連投した。 ただ書きたくて書いているようだ。 メモみたいな下書きもたまっているが、開くと本格的にしょうもない内容なので投稿していない。 文章力はもちろん、そもそも語彙がないからダメだ。 知らない単語を見たら紙に写すようにしている。見ると連続で同じ単語をメモしていることがある。頭の中をするりんと通り過ぎて何も記憶していないのがわかる。 (私は中卒でもわかる科学という本を2冊持っている男だ) でも最近、マンボウはドイツ語でMondfishというのを覚えた。M

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          ホクロ30っこ除去男

          4週連続同じ友人と飲んでいる。 ほとんど仕事の話か下ネタを話すばかりの、正しい男子の飲みをしている。 私が、刺青を入れようか考えていると言ったら、「太ももに正の字」と言われた。 私は全然真ん中じゃないところに、text-align: center; と入れると言った。 (「完全にCSS理解した」というミームがあります 痛みに耐えられそうもないし、普通に恥ずかしいので入れない方向で終わりました。 飲んだ流れで当たり前のように彼の家に4週連続泊まっている。すね毛が見苦しい

          ホクロ30っこ除去男

          言葉のないところ

          魔法が呪いになって返ってきて体を包んでいる。 そのせいでやりすぎな悪夢を見た。 それでまた、答えのないことに執着して考えはじめる。 それが呪いを強くする。 寝れずに布団の中で目をつむっていると、文字が書かれた紙が水の上に敷かれているのが見えた。 紙は濡れて、書かれた言葉がジワジワにじんでぼやけていく。 目を閉じたまま何度かそれを再生した。 濡れる にじむ ぼやける 繰り返し再生すると、考えていたこともぼやけてにじんでいった。 なんだかよく分からなくって、その日はよく眠る

          言葉のないところ

          光も闇もないところ

          盲目の少年のインタビューがインスタに流れてきた。 冒頭で彼は「『盲目の人はなにが見えてるの?』という質問を何千回も聞かれている」と話している。(インタビュアーが聞いたかはわからない) 答えは「無」で、「黒も白もない」らしい。 それで以前盲目の女性を案内したのを思い出した。 池袋駅の地下で困っていたので、2人で西武のカウンターまで歩いた。 別れ際、彼女は窪んだ目を閉じたまま私の顔を見て 「ありがとうございます」 と笑った。 私はその時制服を着た男子高校生だった。 彼女

          光も闇もないところ

          弘前

          この前初めて弘前へ行った。 墓参りのために。 若い頃、その墓の中の人の残したコトバに勇気づけられたり、悲劇的にされたり、随分とりつかれていた。 それでその人のいる墓は特別になって、その墓があるから弘前は特別だった。 行かずにいたけれど、ずっと行かなければならないと思える場所だった。 羽田から出たボーイングは青森上空で着陸の許可が降りず、予定より少しだけ長く空にいた。遠くの光をじっとみる。 次の日はよく晴れた。朝、ホテルの食堂に座っていると、少し離れた席に大学生くらい

          海辺の蛮族とみかんの木

          25_4_2024 1. 幼少期にすごした土地の日照時間は人格に影響を与える。そういう研究結果があるかは知らないが、勝手に唱えている。妙に説得力があるなと自分で思う。 暗い針葉樹林の中で育った人間と、日がさんさんと射す海辺で育った人間では性根が違う、気がする。そして私は陽の射しこまないところで育った。 ラテン系はドイツへ留学に来ると日照時間が短いので鬱になったりするそうだが、ドイツ人は最初から仕上がっているのでもう影響がない。実際暮らしていてドイツの冬はそれなりに厳しい

          海辺の蛮族とみかんの木

          足踏みしてても靴は減る

          4/9から何回もノートを書いて投稿した。投稿しない文章も書いた。 ある著名なカメラマンがInstagramで、「読んでもらえない物語を書く意味はあるのでしょうか。」とフォロワーに質問され、「あると思います。なぜらならその作業自体が自分の魂を救うからです。誰かに見せるためだけに何かを生み出す必要はないと思います。」と答えていた。 思わずスクショしたが、こういう本当のコトは相手と状況によってはなかなか受け入れ難い。 知らない人にわかったようなことを言われると「ケッ!」っとな

          足踏みしてても靴は減る

          悪魔をよくしらない

          芥川龍之介が夏目漱石のことが好きだったので、夏目漱石が好きだ。 しんどくなったら雑司ヶ谷の墓に行って、「先生きましたよ、私は生きる方にいます」と言っていた。 10年くらい前にも人と雑司ヶ谷に行って、護国寺まで散歩し、それから江戸デニで仕事をした。 その時世界は完全に灰色で冷え切っていたので、私は「自分が悪魔だったらよかったのに」とゆった。「だって、この世界は地獄だから、悪魔にとっては天国なんでしょ」と、劣表現者の精一杯を言った。 今から何ヶ月か前、耐えきれなくなって、

          悪魔をよくしらない

          中宮寺伝如意輪観音

          奈良の中宮寺に半跏思惟像がある。この星で1番美しい仏像だ。 中学生の時に歴史資料集ではじめてみたのだが、人間がこれほど美しいもの作っていたことを知らなかったので、突然目が見えるようになったくらい衝撃を受けた。 (長くなるので「美しい」を選んだ。確か聖徳太子の母がモデルという説があったはず) 二十歳になってはじめて中宮寺に行った。 本物の彼女は何かで作られた何かで(実際は木像)、とても古くて、長い間大事にされてきたものだというのが伝わった。多分それ以上の印象を受けたのだが、

          中宮寺伝如意輪観音

          死ぬほどお歳暮って書いた人

          死ぬ気でやる、という表現をする人がいる。彼らは中産階級であるため、死すら引き合いに出さなければ、自らに価値を見出すことができない。 と、いったような内容の文を昔インターネットで見たことがある。正確ではないけれど、大体こんな感じだったと思う。 以来「死ぬほど」「死ぬ気で」と聞くとそれを思い出してしまう。この人は強い単語を使わないと自分を保てないんだと。 それから時は流れてまたある時、「中産階級は信仰を持たない」という言葉をWIREDで読んだ。ロシアのどこかの街について解説

          死ぬほどお歳暮って書いた人

          あの子の好きなバンド(2024/4/10

          ※フィクションです 高三の時、綺麗で頭のいい女の子がクラスにいて、友達が「あの人は年上のセフレをしてるらしい」と言っていた。 あんな優等生がそんなことしてるなんてエロいねと友達は言ったが、そのエロさが自分にはピンとこなかった。 (今もこない) 今日なぜそんなことを思い出したかといえば、ゆらゆら帝国のベースが亡くなったからだ。 そして、ゆらゆら帝国はその子の好きなバンドだった。 当時の私は、「なるほど、ゆらゆら帝国は聴かないようにしよう」と思った。 ※フィクションで

          あの子の好きなバンド(2024/4/10

          文章が書けたらよかったのにな

          1 壊れそうに苦しい思いをしている。これが何かの罰なら、無責任な自分でも、なんの罰なのか向き合うレベルだ。 15年くらい前、私は今と全然違う方向性で苦しいんでいた。 当時住んでいたロイトヴィッツの大家さん、マリオンおばさんに、「あなたは今砂漠にいて喉が渇いているの。だけれど歩かなければ水は手に入らないわ。」と諭された。 若く生命力の強い私は、涙を流し、そして進むことを選ぶ勇気と、進む根性をふりしぼった。 今日、公園でタバコを吸っていて、ぼんやりとその時のことを思い出し

          文章が書けたらよかったのにな

          夢メモ 2024/3/7

          夢でしかこれない海岸にいる。夢ではもう何度もきている気がする。今回は何となく静岡にある気がした。 堤防を眺めたあとで、予約していた海辺の旅館へいく。するとなぜか父が泊まっている。彼は浴衣を着ていて痩せている。 私は「この旅館の案件をこれからやるんだけど、ディレクターが怖くてやるのが辛い」と伝える。 父は記憶に残らないリアクションをなにかして、部屋の冷蔵庫から大きなケーキを出して食べようとする。 しかしケーキは崩れてしまう。 父は手で元に戻そうとするが同じ形にはならない

          夢メモ 2024/3/7