言葉のないところ

魔法が呪いになって返ってきて体を包んでいる。
そのせいでやりすぎな悪夢を見た。
それでまた、答えのないことに執着して考えはじめる。
それが呪いを強くする。


寝れずに布団の中で目をつむっていると、文字が書かれた紙が水の上に敷かれているのが見えた。
紙は濡れて、書かれた言葉がジワジワにじんでぼやけていく。
目を閉じたまま何度かそれを再生した。

濡れる
にじむ
ぼやける

繰り返し再生すると、考えていたこともぼやけてにじんでいった。
なんだかよく分からなくって、その日はよく眠ることができた。