光も闇もないところ
盲目の少年のインタビューがインスタに流れてきた。
冒頭で彼は「『盲目の人はなにが見えてるの?』という質問を何千回も聞かれている」と話している。(インタビュアーが聞いたかはわからない)
答えは「無」で、「黒も白もない」らしい。
それで以前盲目の女性を案内したのを思い出した。
池袋駅の地下で困っていたので、2人で西武のカウンターまで歩いた。
別れ際、彼女は窪んだ目を閉じたまま私の顔を見て
「ありがとうございます」
と笑った。
私はその時制服を着た男子高校生だった。
彼女が顎をあげてこちらを見た時、確かに向こうの世界との繋がりを感じた。
彼女は自分の笑顔を永遠に見られない。こちら側の人間だけがその美しさ知っている。