文章が書けたらよかったのにな

1

壊れそうに苦しい思いをしている。これが何かの罰なら、無責任な自分でも、なんの罰なのか向き合うレベルだ。

15年くらい前、私は今と全然違う方向性で苦しいんでいた。
当時住んでいたロイトヴィッツの大家さん、マリオンおばさんに、「あなたは今砂漠にいて喉が渇いているの。だけれど歩かなければ水は手に入らないわ。」と諭された。

若く生命力の強い私は、涙を流し、そして進むことを選ぶ勇気と、進む根性をふりしぼった。

今日、公園でタバコを吸っていて、ぼんやりとその時のことを思い出した。

そして今思う、いや、まって、なんで俺は砂漠にいんの?と。

何砂漠なんだと。

水の心配くらいしておけと。

帰れなくなるほど歩いちゃうおちゃめなその性格をどうにかしろと。

時間が過ぎて思い返すが、その水があの時、それからの日々で手に入ったかよくわからない。水をくれる人に出会えたような印象もある。おそらく水が自分の手柄だったことはない。

けれど、みんながラクダとか京浜東北線とかに乗ってどこかへいくのを見送ってしまった。

でもさマリオン、僕はあの時、本当に水が必要だったのかなぁ。と思ったりもするんだよ。

2

好きなドイツ語の単語に、Zeitraumという単語がある。「期間」という意味だ。別に期間という単語が好きなわけじゃない。

zeitは「時」、raumは「部屋」という意味の単語で、その二つが一つになっていることが好きなのだ。時間という存在に、部屋、空間という概念を足して三次元にしているのが好きだ。惚れ惚れする。

好きな単語ノートにも書いている。

ちなみに、さっきまで、嫌いなもののことを同じような感性のやつと飽きるまでボロクソ言いたいと思っていた。ところが好きなものの話を突然したりして、春は人の心をこうも簡単に変えてしまうのか。

3

シドニアの騎士という漫画があって好きだった。作中、「言ったはずだぞ小林、大事なものには常に予備を用意しておけと(おろ覚え)」というセリフが出てくる。

これをいうキャラクターはエンジニアで科学者なのですごくしっくりくる。

そして、これを言うシーンがまたいい。倒したはずの強敵が蘇る、盛り上がり最高潮のシーンでこのセリフが登場する。痺れる。

しかし、読んだことがない人にこの話はしない。話すのは、星白という可愛い女の子が、おしっこを濾過して脱水状態になった主人公に飲ませるシーンのことだ。

美少女がおしっこを飲ませてくれるSFマンガ、それがシドニアの騎士である。