最近の記事

【完全版】ゲンロンβ50アンケート回答

田中功起 日付のあるノート、もしくは日記のようなもの 今号から始まった田中功起さんの「日記のようなもの」。作品の作り手が記す文章は、作品を観賞するだけでは得難い自分の体験を深めるフックとなるきっかけが増えるのでとても楽しみです。作品は結果だとすると、日付のついたテキストは経過だと思います。作品に対して、作り手と観賞者が共に客観的な距離を保つとして、作り手が記す文章は、その作品が生み出されていく手触りや生み出した後の変化を残すものとなり、作り手や観賞者の世界を広げるものになる

    • 【完全版】ゲンロンβ49アンケート回答

      小松理虔 当事者から共事者へ                      第5回 「真実」が開く共事の回路 「柳さんの作品では「悲しみに共事できた」と感じたのだろう」という小松さんの文中の問いはとても大切だと思いました。ここ最近はコロナ禍で演劇を観に足を運ぶことも無くなってしまったけども、ここ4、5年、観劇をするようになって、大きく心を揺さぶられる経験もありました。自分なりに思っていることは、演劇は結果でなく、過程を提示していること。さらに目の前で人が演じていること。そして、

      • 【完全版】ゲンロンβ48アンケート回答

        東浩紀 観光客の哲学の余白に   第20回 コロナ・イデオロギーのなかのゲンロン ゲンロン10周年を記念するゲンロンβの刊行であるはずが、このような状況となってしまい、素直に喜べないことが残念です。ただ、この論考はゲンロンが実践してきた/していくことを凝縮したものだと思いました。 コロナウィルスの感染拡大によって、時間の

        • 【完全版】ゲンロンβ47アンケート回答

          さやわか+大井昌和+東浩紀 永田洋子と「かわいい」の思想――マンガは歴史を語れるか・特別編 「十六の墓標」が#MeTooの告発本に読めることは面白いです。現在はSNSで個人で発信できるが、当時は出版がその役目を果たしていたのでしょうか。「愛」や「感情」が分からない永田洋子のような人は今も昔もいるはずで、ジェンダーの問題も未だに存在しています。テクノロジーによる広がり方は違いますが、社会的な問題の根本はつながっているのだと思いました。90年代は社会学と心理学の時代と言われてい

        【完全版】ゲンロンβ50アンケート回答

          【見えないスポーツ】サッカーと交錯した手ぬぐいと紙風船

           個とチームの重心という表現は面白い。1対1で相手を抜くというスタイルから、チームとして戦略を持つスタイルへの転換。だが、個人技が光る局面もある。ネットワーク的で、攻守の切り替えが常に入れ替わり続ける。そして、1点ずつ積み重ねていく。非常に現代的だなと思った。  

          【見えないスポーツ】サッカーと交錯した手ぬぐいと紙風船

          【完全版】ゲンロンβ45アンケート回答

          福冨渉 『新しい目の旅立ち』訳者インタビュー  ――「日本でタイ文学を読むとは」        ゲンロン友の会「選べる単行本」サービスで選んでいたので、すでに本書は手元にあり、読んでいる最中である。『新しい目の旅立ち』については、別の機会に感想を書こうと思う。 

          【完全版】ゲンロンβ45アンケート回答

          【完全版】ゲンロンβ44アンケート回答

          星野博美 世界は五反田から始まった    第12回 党生活者  ソニーの話がでたことで、五反田が製造業の町であることを改めて思い知った。五反田コンシャスの星野さんでなければ、このような形で五反田の歴史が浮かび上がることはなかっただろう。製造業の終わりの風景が広がっている現在、ゲンロン に行く道すがら、連載で挙げられた場所に訪れてみたいと思う。継承さ

          【完全版】ゲンロンβ44アンケート回答

          ゲンロンβ42 アンケート回答

          さやわか 【新連載】愛について――符合の現代文化論   第1回 記号から符合へ――『エンドゲーム』の更新はどこにあるのか  さやわかさんの新しい連載がいよいよ始まった。その布石である『ゲンロンβ39』の論考も面白かったし、ひとり語りのイベントでも、愛について書くことは明言していた。記号から符合へというテーマもクリティカルで、解釈の余地を狭めがちな現在において、重要な論考になりそうな予感がする。  今回の『エンドゲー

          ゲンロンβ42 アンケート回答

          オイディオプス@Bunkamuraシアターコクーン

          原作:ソポクレス 翻案・演出:マシュー・ダンスター 翻訳:木内宏昌 美術・衣装:ジョン・ボウサー 振付:シャーロット・ブルーム 出演:市川海老蔵、黒木瞳、森山未來 他 オイディプスを観劇してきた。シアターコクーンが実施している「DISCOVER WORLD THEATRE」の第7弾。ギリシア悲劇の「オイディプス」を英国の演出家マシュー・ダンスターが翻案した。主な出演者はオイディプス:市川海老蔵、イオカステ:黒木瞳、コロスの中心人物:森山未來である。 翻案するとあったので、

          オイディオプス@Bunkamuraシアターコクーン

          ゲンロンβ41

          小松理虔 【新連載】当事者から共事者へ   第1回 障害と共事 東浩紀 観光客の哲学の余白に・番外編    ドストエスフキーとシミュラークル(1) 星野博美 世界は五反田から始まった     第9回 乳母日傘 速水健朗 【特別再録】よい子のためのツーリズム 第1回 ビーチとマスツーリズムの終わり 伊勢康平 哲学と世界を変えるには――石田英敬 × ユク・ホイ × 東浩紀イベントレポート 藤城嘘 五反田アトリエからのお知らせ ゲンロンβ41 アンケート回答メモ 小松理虔 【新連

          ゲンロンβ41

          下野新聞 鹿沼クレーン事故 被害児童の日常描く 「あいちトリエンナーレ」で展示

          下野新聞 鹿沼クレーン事故 被害児童の日常描く 「あいちトリエンナーレ」で展示

          <マル激>理念無きなし崩しの増税を許すな

          日本はどんな国家像に基づいて、来週の消費増税を行おうとしているのだろう。この問いに答えられる人がどれほどいるだろうか。  消費税をいよいよ二桁の大台に乗せようかというのに、メディアを見ると、キャッシュバックがどうのこうのとか、軽減税率を最大限利用するためのノウハウを指南するような情報は巷に溢れているが、日本の税のあり方を根本から問う記事や番組がほとんど見当たらないことに驚く。  一応、今回の消費増税は、社会保障の充実と安定化のために不可欠なものとされている。また、同日より開始

          <マル激>理念無きなし崩しの増税を許すな

          『ゲンロン10』特設ページ

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          東浩紀「歴史的事件の加害側が害を記憶し続けなければ悪循環は断ち切れない」

          東浩紀「歴史的事件の加害側が害を記憶し続けなければ悪循環は断ち切れない」

          ゲームAI技術入門 ──広大な人工知能の世界を体系的に学ぶ はじめに 三宅陽一郎

          ゲームAI技術入門 ──広大な人工知能の世界を体系的に学ぶ はじめに 三宅陽一郎

          あの人のことば 「当事者」以外、苦しみを語ってはいけないのか?福島の地域活動家は問いかける

          あの人のことば 「当事者」以外、苦しみを語ってはいけないのか?福島の地域活動家は問いかける