『俺が風鈴とドライヤーを戦わせてる間に友人が結婚した』
「ぼくさ、結婚したんだよね」
と言われて思わず時刻を確認する。午前4時である。こいつも俺も、夜が明けてもなにもすることのない身の上であるから、思ったより進んでいる時計に驚くことはない。
かといって驚くような話でもない。ああこいつもか、と思っただけだった。淡々とキルを取り、ゲーム終了を待ってコントローラーを置く。たっぷりと伸びをしてから「そりゃめでたいな」とマイクに向かって発してみる。
「ちょっとはびっくりするかと思ったのに」
「そんなことでエイムがずれると思ったら大間違い