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我は風紀委員長、明日この世界を粛清する

こんにちは、風紀委員長をしている者です。自主的に近所の風紀を取り締まっています。

昨日、家の近所を歩いていると、著しく風紀を乱す設置物を発見しました。

ガチャ

1000円ガチャです。

煌々たる明かり、巨大テプラによる喧伝……1000円ガチャで間違いありません。ドン・キホーテの領事館ともいうべき設置物がこの街の商店街にとうとう出現したようなのです。コインパーキングの精算機の横という、財布を出すシーンを見計らってにゅうっと顔を出し、千円札を掠めていく。そんな狙いなのでしょうか。

いえ、それだけではないでしょう。コインパーキングの客数などたかが知れています。狙いは間違いなく商店街に買い物に来たこの街の住民……取り出し口付近には[王様の宝箱から貴方の夢を探してください]という自然な窃盗の勧めや[KING'S TREASURE BOX]という普通の嘘が堂々と書かれています。

我々近隣住民はこれに対して憤激しなければなりません。低く見積もられたものだなと。[あこがれの人気ブランドからレアアイテムまでお宝ザクザク]の文字を見て「わ~い」と飛びつく阿呆だと思われているのです、私たちは。

また、空き巣の被害も増えるに違いありません。空き巣は念入りに下見をするといわれていますが、近所にこんなものがあると分かれば阿呆住民だらけと思われ、噂が噂を呼び、街は「住民・空き巣・空き巣を食らう犯罪組織」で満たされ、ハンター×ハンターのヨークシンのようになるでしょう。


しかし、撤去するにもその権限はなく(自主風紀委員長なので)また私の話など誰も聞いてくれない(自主的な取り締まりにより、住民に嫌われている)ため、この街を守るためには空き巣に(ここの住民は1000円ガチャをみんなスルーしている、賢民なんだな)と思わせるほかありません。


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買いました。



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複数、買いました。
早速開けていきます。



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3通りに使えるスタイリッシュな機能ボールペン
2WAY耳かき
 が入っていました。

way[wéɪ]
 [固有名詞に伴って] (古代ローマ人が造った)街道;
 《主に英国で用いられる》 (町の)通り.

引用:weblio英和辞典

調べて分かったのですが、”WAY”というのは「通り」のことなので、1000円でなんと3+2=5通りの用途を満たせるみたいです!お得ですね♪


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ただ、2WAY耳かきって耳かき以外に何が出来るんだろうという感じでよく見てみたら、両端とも耳かきでした。これって1WAYなのではないでしょうか。一方通行だけど2車線ある、みたいなことなんでしょうか。



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次はハクション大魔王2020のアクビちゃんタオル
ハクション大魔王2020のアクビちゃんビーズストラップ
 でした。


皆さんはハクション大魔王が2020年にリメイクされて放送されていたのを知っていましたか?私は知りませんでしたので、とうとう同人グッズが出てきたのかと思いました。

前回の放送が1969年だそうなので約50年の時を越えてリメイクされたことになります。私は1990年代生まれなので、ちょうどハクション大魔王谷間の世代ということになります。

となると今後、上の世代と下の世代が仲良くハクション大魔王の話をしているものの私だけが混ざることができない、という事態が予想されます。そんなときにこのアイテムは役に立ってくれるはずです。

というのも「この人はこの話題に興味がない」と思われれば二人のトーンダウンは確実。せっかくの世代間交流を台無しにしたとなると私の評価も降下することは間違いありません。しかし話題を知らなくとも「あ!私もグッズだけは持ってて~……今度教えてくださいよぉ」の一言があれば十分なのです。いざとなればこのグッズをそれぞれに与えてやれば二人の歓心を買うことができるでしょう。世代間交流を1000円で取り持ったと思えば安いものですね。



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3つ目はHandy Fanでした。
ちょっと欲しかったので、よかったです。


「おかしなものばっか出て~」という論旨で書こうと思ったんですが、なんか、ハンディファンはみんな持ってるし試してみたいな、という気持ちが心の奥の自分でも気づかないところにあったみたいで、そこにちょうどハマったので……

取り出した時に「おっ」て声も出てしまった……ですし……しかもUSBで充電できるタイプってことなので、すいません。よかったです。それだけです。


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最後はこちら!!!Candy Flavor!!!!

これだけなぜか丸出しで出てきました。産地直送?


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[キャンディーを本体に入れて振るだけ♪
簡単にくだいて粉々にできちゃう!]

今まで私はキャンディーをくだいて粉々にしたい、と思ったことが一度もありませんでした。でもこれを手にした今、キャンディーをくだいて粉々にしたいという欲求に取りつかれています。

品質が価値だという。だが、この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買っているのではない。買っているのは、欲求の充足である。彼らにとっての価値である。何を価値とするかは、顧客だけが答えられる複雑な問題である。推察してはならない。顧客のところへ出かけて行き、聞かなければならない。
                        ピーター・ドラッカー

経営学者ドラッカーは上のように伝えました。つまるところ客は自らの欲求を満たすものを探しているのであるというのです。

しかしこのCandy Flavorはその一歩先を行きます。「キャンディーをくだいて粉々にする」という独自性により今まで顧客が意識したことのない欲求を自ら生み出し、それを自ら満たす。マッチポンプが一番儲かるとはよく言ったものですが、「顧客のところへ出かけて行き、聞」いたところでわからない欲求を、一製品の中で生み出し満たそうとする貪欲な姿勢には胸を打たれるところがあると思います。

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こうして「買占めによる近隣住民保護作戦」は開始されました。皆さんも私の街に立ち寄った際は深夜にこっそりと1000円ガチャの早期無力化に協力してください。よろしくお願いします。


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妥当な値段なんかい

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