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場面2:学校のグランドの端(音楽劇「君の名は希望」3)

乃木坂46の「君の名は希望」を題材にした舞台脚本。「透明人間」と呼ばれている女子が、お調子者の男子との出会いを通してクラスの中で居場所を作っていく物語。

いよいよ物語の最初。場面は学校のグランドから始まります。「君の名は希望」の冒頭の歌詞を思い浮かべながら読んでみて下さい。

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二年C組の松井希がグランドの端、舞台下手側のフェンスの近くに座っている
松井、右手にペンを持ってノートに何か書いている。
6月の少し蒸し暑くなって来た頃、放課後4時過ぎだというのに外はまだ明るい
さえぎる物のない太陽の光がグランドに照りつける
グランドでは男子何人かがバスケットボールをしている様子

白川の声「頼むよ、もう少し付き合ってくれよ。今度こそ成功するって」

声の様子からして、もう息が切れている

保田の声「だからさぁ、お前のドリブルじゃ無理なんだよ。二人抜きなんてさ」
白川の声「いや、少しずつ上達してるんだ」
鶴見の声「全然変わんないけどな」
白川の声「おい直樹、痛いとこ突くなぁ。じゃぁラスト1回」
保田の声「本当だな、これで最後だからな」

声は気乗りがしない様子。嫌々付き合わされているみたいだ
松井、バスケットをしている男子たちの方を見る。少し見た後、またノートに目線を落とし、ペンを持ち直す
少し経ってバスケットボールをドリブルさせる音が聞こえる

白川の声「ほら、二人とも来いよ。面白くねぇだろ」
保田の声「お前が来いってんだよ」
白川の声「おおそうか。じゃぁ狙わせてもらうぜ」

ドリブルの音のペースが速くなる。攻撃が前に出た様子
ドリブルのペースがさらに速くなり、そこからまた遅くなる

白川の声「ハハ、そう簡単には取らせないって」

一定のペースでドリブルの音が響く。少し睨み合っているみたいだ

白川の声「この鮮やかなボールさばき」

ドリブルのペースが速くなる。がそれも束の間、ペースがゆっくりに

白川の声「と、ここで回り込んで一気にシュート」

再びハイペースに。今まででいちばん速いペース

白川の声「ほら、これまでとは違うだろ。おっと、あれ」

ドリブルの音が止み、トントントン、とボールが跳ねる音が聞こえる

保田の声「はい、ドリブル失敗」
鶴見の声「これで終わったな」

グランドにボールがゆっくりと跳ねる音が響く

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