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#3 しあわせを紡ぐ場所

「 今ここで、しあわせを繋ぐ意味がある」〜 しあわせ探求庁です!

しあわせは何でできていて、どんな姿をしているのでしょうか? 私たち「しあわせ探求庁」は、デンマーク🇩🇰発祥の「対話」をもとにした手法を用いて「しあわせの地図」を描いていきます。
 メンバー2人が対話し、その記録を元にした記事を毎週水曜日に投稿、はじめの部分は2人によるトークでお届けします。下のボックスの右下にある再生ボタンを押して、放送をお聞きいただけると光栄です✨


〜 以下の記事は、上の stand.fm 放送の続きです 〜

オランダ🇳🇱へ引っ越してきた!


透さんはまさに今日から新しいお仕事が始まったわけですが、オランダへの転職を決める前に、一度街を見に行ったと言ってましたね。住む街を決める時には、主にどんなポイントに注目するんですか?私も来月からの新しい仕事のために、今月末に東京に引っ越しますが、都内では比較的自然が多いと言われるエリアを選びました。あとは、東京の方が出身地も職業も、多様な人がいるのが刺激にもなり学ぶことも多いように思いました。

以前自分の note の記事で書いたことがあるのですが、僕は多少霊感があり、自分に合わない場所はすぐに分かります。「好きな街を選ぶ」というよりは「自分に合わない場所を選ばないようにする」という方が正しいかもしれません。引っ越してきたオランダ南東部の街アイントホーフェンは、ドイツとベルギーとの国境に近くて、とてもインターナショナルな感じの街ですよ。

霊感というのは気になりますね。具体的にどんな場所が「無理」なんですか?ごく簡単に教えてもらえませんか?

では少しだけ。ドイツに来てから国内のいくつかの街と、いくつか外国も訪ねて、「自分に合わない」場所の共通点が分かってきました。気持ちよく過ごせる街は、フィンランドのヘルシンキ、デンマークのコペンハーゲン、ここアイントホーフェン、ドイツならブレーメンやエスリンゲン、日本なら東京や神戸などで、これらの街は「第二次世界大戦であまり被害を受けなかった、あるいは逆に壊滅して作り直された街」です。
 一方、「合わない」街は、ドイツならケルンやデュッセルドルフ、フランクフルトなど「街の中に戦前と戦後が混在している街」でした。戦争では多くの命が奪われているので、今でもその影響を感じます。壊滅して作り直されたアイントホーフェンや東京、神戸にはなんというかプラスのエネルギーを感じます。

関西と関東


なるほど、でも共通点が分かったということは、これからは住む場所を決めたり旅行に行く場所を探したりする時に役立ちそうですね。私は出身が和歌山県、つまり関西で、今度初めて東京に住むのですが、東京の人はなんというか関西人に比べて「まじめ」な印象があります。透さんも神戸出身で長らく関東にいらっしゃいましたが、関西と関東のちがいをどう捉えていますか?

東京の人が上手だなと思うことの一つに、「無関心でいてくれる優しさ」がありますね。ちゃんと人に囲まれているけど、過度に干渉せずにちょうどいい距離にいてくれるという感じでしょうか。大阪なら、「なんや顔色悪いな。ぱーっと飲みにでも行こか?」ってすぐに言われそうな感じですね。

なるほど〜人的環境という意味では、私は前の仕事が鉄道関係で、周囲にいる人があまり固定されていない職場環境だったので、今回初めて「都市の性格がはっきり出た」場所で仕事をすることになりますね。楽しみでもあり、大きなチャレンジでもあると思います。

住環境の「住」は「住む」だけ?


ところで、「住環境」っていうと、つい「住む場所」が頭に浮かびますが、実際には「仕事をする場所」も大切ですよね。たいていの人が職場で一日の3分の1ほどを過ごすわけですから。キレイで開放的な街に自宅があっても、毎日仕事をするのが狭い場所だと、息が詰まってしまいますね。各国軍隊や日本の自衛隊でも、お給料が一番高いのは潜水艦乗務員だというのは、それが理由のようですよ。

あとは、会社のオフィスの所在地とは関係なく、外回りが多い仕事の場合は、また違った「仕事の住環境」になりますね。直行直帰なんていう働き方をしている人もいるみたいで、そうするとキレイなオフィスがあってもあまり関係ないですよね。透さんはインテリアとか凝ってそうなイメージがありますが、どうですか?

インテリア、大好きですよ。日本の自宅は北欧テイストです!デンマークのデザイナー、ナナ・ディッツェルの名作「トリニダッド・チェア」をダイニングに使っているのですが、何より気に入っています。高いのですが、こちらでも一脚だけ買いたいと思っています。

典型的な北欧デザインの「トリニダッド・チェア」(写真はフレデリシア・ファニチャーのサイトより)写真をクリックすれば販売元サイトへ飛べます

北欧らしい素敵なデザインですね🇩🇰私が留学していたデンマークは、普段から天気も悪く冬がとても長いので、室内で過ごす時間が自然と長くなります。そんなところから、自然とインテリアにお金と労力をかける人が多いですね。日本ではあまり自宅に人を招くことがなく、人に見られないインテリアよりも、見られる服や髪型、ネイルなどにお金をかける人が多いですね。「家は寝に帰るだけ」という発想の人も多いように思います。

僕は家でもオフィスでも「自分の城」を作らないと快適に過ごせないタイプなので、新しく職場になったオランダの大学でも、これから好きな小物や置き物、文具にこだわって場所作りをしていこうと思います。奇抜なデザインやキャラクターものではなく、ナチュラルカラーで素材感のいいものを選びたいですね。それでも、オランダ生まれのミッフィーの小物は何か欲しい!

ところで、美織さんはデンマーク時代、首都のコペンハーゲンのみならず地方都市にもいらっしゃいましたが、何か違いは感じられましたか?

北欧やハワイの住環境


郊外の街に住んでいた時、「今度コペンハーゲンに住むんだ!」というと、多くの人に、「コペンハーゲンなんて、最悪だよ!」と言われたのが印象的でした。実際コペンハーゲンに引っ越してみるととってもいい街で、この街のどこが最悪なんだろうと不思議になりました。
 逆に、地方にいた時は、夜は真っ暗で誰もいなくて、孤独感が半端じゃなかったです。コペンハーゲンに来ると、特に人と話すわけでなくても、周囲に人がいてくれる安心感がありました。どのくらいの規模の都市を気持ちよく感じるかは、幼少期を過ごした場所がベースになっているのかもしれませんね。

僕も一時期ハワイ関連の仕事をしていて、最長で一ヶ月ハワイにいたことがあります。その時感じたのは、「太平洋のど真ん中で、どこにも逃げられない」という恐怖感でした。実際、同じような感覚からハワイでの仕事を諦めて帰る人もいたようです。車で1時間も走れば島の反対側に出てしまうので、何ともいえない閉塞感がありましたね。

興味深いですね。ハワイといえば私は開放的な印象がありますが、仕事で長期滞在しているとまた違って見えてくるのかもしれません。東京も、今抱いている印象と、実際に住んでみてどう思うかを自分で観察してみようと思います。
 それと、コペンハーゲン、ハワイと来ると一つ気になるのが、街で飛び交う言語と住環境の関係ですね。透さんは英語圏のオーストラリアに一年間と、ヨーロッパでは非英語圏のドイツとオランダに住んでいますが、言語と住環境の関係については、どう思いますか?

言語が住環境に与える影響


面白い観点ですね。オランダはまだ日が浅いので、ドイツの話をしますね。ドイツには中東系やアフリカ系の移民が多く、学生や研究者には中国やインド出身者が多いので、街中ではドイツ語以外にもいろんな言語が普通に飛び交っています。
 ドイツで生まれ育った人にとっても、理解できない言語を話している人たちが周囲には普通にいるわけです。日本にも外国人はいますが、圧倒的に日本語を話す人の比率が高いので、周囲の話が全部分かるという状態ですね。

デンマークもドイツに似た状況でした。特に私はデンマーク語がそれほど理解できたわけではないので、積極的にコミュニケーションを取りにいかなければ、なんというか「耳を取られる」とか、悪い意味で「心を揺さぶられる」状況にならずに済みましたね。人が話していることが全部分かってしまうと、なんというか情報過多で疲れてしまうことがあります。

そうですね。何年か前、日本でドライブに出かけた時に、奮発して少し高い鰻屋さんに入りました。鰻はとても美味しかったのですが、後の席にいた二人組のお客さんが、ひたすら親戚の悪口を大きな声で言っていて、せっかくの鰻の味が台無しになったことを覚えています。「人の話していることが全部分かるわけではない」状態は、時には楽かもしれませんね。僕は英語圏ではなく、多言語が普通に飛び交っているヨーロッパの環境が気に入っています。

ヨーロッパというくくりでもう一つ思うのは、自然に近い場所にこだわる人が多いということですね。ドイツはどうでしたか?デンマークでもスウェーデンでもスイスでも、とにかくみんな自然の中に出て、森や湖に行くことに大きな価値を感じていたようでした。

土に近いところへ!


ドイツにいた時の大学の建物は州立公園の隣にあったので、僕もそのことは日々感じていました。ホリデーシーズンになる前に、公園の整備をしているのをよく見ました。アスファルトで舗装してしまえばホコリも立たずに耐久性もあるのに、あえて舗装せず、土をならして砂利をひいて、土のままキレイに整備し直している箇所が多かったです。数ヶ月後にはまた整備していました。
 そんな道を晴れた日に歩くと、草の匂いに土の匂いが混じって、なんともいえず「自然に戻った」感覚が得られました。ヨーロッパの人はあの感覚が欲しいんじゃないかな。

そうそう、自然というよりも、もっと言うと「土に近い場所を求める」でしょうか。文字通り「地に足がついた」感覚を求めているように感じました。道が舗装されて都市が形成されたのはここ数百年ですが、人間の遺伝子のようなものはそのずっと前から変わっていない部分があるはずなので、なんというか、土に近いところへ行くと感覚が研ぎ澄まされるのを感じます。
 アウトドアも、日本では最近施設が整った「グランピング」が人気ですが、ヨーロッパではシンプルに芝生の上にシートをひいてその上で座って話す、みたいな時間の過ごし方が多いですね。

芝生の上に直接座って、ジーンズが汚れても気にしない人も多いですし、晴れた日には靴を脱いで裸足で歩いている人も見かけますね……この話をしていて、昔大好きだった曲を一曲思い出しました。最後に紹介させてください。

歌手の沢 知恵(さわ ともえ)さんの「つちにかえる」という曲です。沢さんは僕が昔大好きだった大阪のラジオ局 FM802 の番組 Music Gumbo の月曜日 DJ をなさっていて、しあわせ探求庁の活動に stand.fm を取り入れる一つのきっかけになりました。この曲は美織さんが生まれる前の曲ですが、ミュージック・ビデオの風景は美織さんにとっても大切な風景のはずですよ。

そうなんですね、私も一度覗いてみます。今日は「住む場所」の話から始まって、職場の環境、地方と都市、言語環境、さらに自然との触れ合いと話が広がりましたね。来週は少し戻って、私たちしあわせ探求庁が手段として使っている「対話」について見直してみようと思っています。


「 今ここで、しあわせを繋ぐ意味がある」
〜 しあわせ探求庁でした🍩
 それではみなさん、また来週水曜日にお会いしましょう!

(2024年5月1日)

しあわせ探求庁|Shiawase Agency
  
日本支部:成江 美織
  (miori @しあわせの探究
オランダ支部:佐々木 透
  (ささきとおる🇳🇱50歳からの海外博士挑戦
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