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中国深セン教育事情

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イノベーション都市深センの発展は日本人にとって学ぶべきことが非常に多く含まれています。学校教育の教育ではなく、深セン人から学んでいきたいと思います。 また、深セン市が推進するST… もっと読む
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2018年10月の記事一覧

Vol.6 STEM教育の実践(メイカー作品展)

Vol.6 STEM教育の実践(メイカー作品展)

深セン市南山区主催の科技教育フェアー(深セン市南山区第二十届科技節)の1部門としてメイカー作品展(創客機械人展)が開催されました。

今回のメイカー作品展では、生活上で役に立つ発明品やスマート玩具を生徒自身で設計、製作した物を展示するという趣旨のイベントです。

作品はさまざまで、スマート物干し機、自動宿題回収ロボット、ミニチュアスマートハウス、姿勢矯正機、スマートiPadスタンド、植物採光ロボッ

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Vol.5 STEM教育の実践(科技教育フェアー)

Vol.5 STEM教育の実践(科技教育フェアー)

深セン市南山区主催の科技教育フェアー(深セン市南山区第二十届科技節)が深中南山創新学校で開催され、参加者に同行することができました。

実施会場になった深中南山創新学校は2017年に開校したばかりの学校で、その名称は、「深中」つまり深センのトップ校である「深セン中学(高校)」の兄弟校である「創新学校(イノベーションスクール)」ということになり、日本風に言えば「深セン中学イノベーションスクール南山校

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STEM教育のmakeblock新商品発表会

STEM教育のmakeblock新商品発表会

日本でも認知度が高まっている深センのSTEAM教育関連企業であるmakeblockの新商品発表会に参加してきました。発表は大きく4つの新商品に関することでした。

1.Haloboard(光環板) 99RMB
  教育用、開発用マイコンボード。

2.MotionBlock 2,499RMB
  高性能サーボを搭載したブロック型を組み合わせられるロボット。
  UBTechのロボットのようなロ

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vol.4 STEM教育とメイカー教育(創客教育)

vol.4 STEM教育とメイカー教育(創客教育)

深センのSTEM教育を理解するときに同時にメイカー教育(創客教育)というキーワードも出てくるのでそのあたりをまずは整理しておきます。

2013年ごろから深センで始まったSTEM教育の研究の中で課題の一つとなったのは「STEM教育」という名称そのものです。日本語の場合そのまま「STEM」あるいは「ステム」を採用するということでなんら問題ないのですが、中国の場合、名称にアルファベットを採用すること自

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Maker Faire Shenzhen 2018

Maker Faire Shenzhen 2018

2018年10月12日〜14日に深センの海上世界文化芸術中心でMakerfaire深センが開催されました。もともとDIY、ものづくり愛好家の交流、発表の場であるMakerfaireですが、科学技術の普及、教育の観点からも非常に面白い発見のある3日間でした。

今年は深セン日本人学校の小学生にはSTEAM教育としての手作りの車のワークショップに参加してもらい、中学生は日本人出展者のブースのボランティ

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vol.3 STEM教育の背景

vol.3 STEM教育の背景

深セン市(公教育)におけるSTEM教育を理解するには、深セン市の発展を理解する必要があります(高須正和さんの『メイカーズのエコシステム』や関連するWebの記事、ブログが非常に詳しいです)。

もともと世界の工場としてスマートフォンを代表とする電子機器の製造で成長した深セン市ですが、中国独特のコピー商品の製造の温床として暗躍した歴史もあります。そのコピー商品を安価にかつスピーディー(とりあえず使える

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vol.2 マインドセット

vol.2 マインドセット

前回の「中国深セン教育事情vol.1幼児教育」では、深センにおける幼児教育は過熱しており、月5万円もの投資が行われている事実があり、そこに見えてくるのは中国における苛烈な大学受験による強迫観念だけではないということをお伝えしました。今回はそのマインドセットについてプログラミング教育を例にとってまとめたいと思います。

中国深センの状況を理解する前に、日本の現状を改めて見直すことで中国がはっきり見え

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