書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 496
――王家の墓、オリーブ園にて。
デオンは墓場を歩き、今日まで積み上げてきた失敗作たちの棺に黙祷する。
「なぜ、遺髪をオリーブの枝に括り付ける弔い方にしたのですか?」
「因果律の調整みたいなものだよ。新天地で俺達では手に負えない、未知の生物や植物が発生しないように、この場所のこの位置で生きた証という名の情報を保管していたんだ。それがようやく花開く――」
デオンは隠し持っていたナイフで自身の髪を切り、地面にばらまいた。
【マスターコード認証。転移魔法陣を起動します】