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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 497

「これにて殺世界事件は一件落着だな」

 上位世界でプルートスが満足げにつぶやいた。
 滝面には誰もいない。
 プルートス以外誰もいない。
 そして、自分もいなくなる。
 魂が引っ張られる感覚に、ニヤリと笑うプルートスは、こりゃ圧倒的に不公平で不条理だなと腹を抱えて笑う。
 ある意味、ジンは幸運だった。
 魔王が神の領域の到達する前に、ジンの魂を上位世界ではなく第二世界へと送り届けたからだ。転移魔法陣がうまく作動すれば、純粋な人類であるジンの魂は、新天地へ運ばれて、再び人間として転生することが出来るのだろう。

 そういえば、ジンは気になることを言っていた。

 種神の他に神がいる。種神を傷つけてグロテスクな存在へと貶めた何か。神にも派閥争いがあるとするならば、自分たちと神を分かつ者はなんであろう。
 そんなことを考えながら腹をさする。
 種神は造ることしかできなくなった。なんとか、傷を治す手段の延長として世界を創造するも、考えて記憶する頭のない神は、次第に私念に塗れて暴走し、世界を無限ループの地獄へと導いた。
 亜神のモデルは、おそらく種神を傷つけた神であろう。だからこそ、残虐に無限に苦しめることが出来た。

「さて、次に目覚めた時には、どんな世界になっているやら」

 せめて、地獄ではないことを願って。

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