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美しく諦めたりもがいたり


今日は、仕事で荒んでいる私の心を潤してくれている2作品をご紹介。

“Hip Hop-eration”   ~観たら自分の祖父母に会いたくなる映画~


邦題は「はじまりはヒップホップ」。

「~観たら~」というのは私が勝手に付けた見出しです。

そしてこれは、映画オリジナル予告編。

Amazonprimeで無料で観ることができました。

これを昼休みに観たら、本当に心が軽くなった!!


ニュージーランドの人口8,000人の島が舞台のドキュメンタリー映画。

ものすごくかいつまんで紹介すると、世界最高齢の、おじいちゃんおばあちゃんのダンスチームがラスベガスの世界大会の特別出場を目指す姿を記録している。

このアイデアの発起人、かつ振り付けを担当する中年のビリーという女性が、島の高齢者に、新しくて輝かしい体験をしてほしい、と訴える。

みんなきっと一人だったら断ったであろう奇抜なアイデアだけれど、「友だちがやるなら私もやる」「夫が施設に入ってさみしいから私も外へ出る」とそれぞれの事情と情熱に従って話に乗っかる。

チームの最高齢は96歳、73歳で若手扱い、その年齢になれば当たり前のように抱えるそれぞれの身体の不調と折り合いをつけながら、可能な限り体を揺らす姿は本当にクールだった。

そして、彼らが折り合いをつけているのは体調だけではない。

それぞれの人生でやり残したこと、愛する伴侶を失くした悲しみ、孤独、

そういうものに対して、美しく諦めたり、もがいたりしながら、今目の前に現れた新しい世界、「ヒップホップ」という若者のダンスに挑戦する姿には、とても勇気が出た。

そして彼らのダンスを受け止める若者ダンサーたち、観客の割れんばかりの拍手と尊敬のまなざしに、鳥肌が立った。

若者も、おじいちゃんおばあちゃんも、それぞれなんて柔軟なんだろうと思った。

とりあえずやってみましょ、できるかわからないけど。という精神とか、

若者カルチャーに高齢者が入り込んできたことを喜んでくれることとか。

昼休みに、ご飯を食べながら映画を見てゾクゾクしたりこっそり涙ぐんだりできて、

わたしはけっこうリフレッシュした気持ちで仕事を頑張れた気がする。



そして先日、神保町の三省堂にて、大好きな物語の文庫に出会った。

群ようこの「かもめ食堂」

フィンランド人気に火をつけた映画「かもめ食堂」には小学生のころ出会った。

以降何度も観ているほど好きなのに、原作を読んだことがなかった。

本当にファンなんかいなと言われそうですが、この映画を見てからずっとフィンランドに行きたくて、大学卒業前にフィンランドに一人旅ついでにロケ地を巡ったほど、好きな作品。

好きな映画は?と聞かれると絶対「かもめ食堂」というようにしている。

これが好きということで、私がどういう系統かなんとなくわかってもらえる気もする。

さて、肝心の本は、映画ではくわしく語られていなかった描写が沢山あって、ワクワクが止まらなかった。

ああそういう前段があって主人公ははるばるフィンランドまで来たのね、そういう覚悟で、そういう運と縁があったのね、とか。

映画だけ観たことある方がいらっしゃれば、ぜひぜひ原作もお読みくださいませ!



この物語を読んで私がいつも思うのは、「人間、何歳になっても夢はかなえられるし、私もかなえていきたい」ということ。

「さあ私はどうするかな?」と思いを馳せずにいられない。

かもめ食堂を読む(観る)と、長年何かをひとところで積み上げていった先でしか花は咲かせられない…ということじゃないんだなあ、といつも思うし、

最近仕事に身が入らず自分の身の振り方を毎日考えている自分と照らし合わせて、心が軽くなった。

ただ言えるのは、決断した先にでなければ冒険はないんだろうなあと。

待っていてもおそらく来ない、「えいっ」がないと、ない。

何がきっかけでどういう飛び出し方をするのか、

恋みたいに失ったから新たな恋をする、みたいに無理くりどこかから去らないと新しい冒険に踏み出せないのか、

大きな冒険に踏み出したことが無い私にはあんまりよく分かってない。

でも、留学したころとか思い返すと、何もかも不安だったけど行くことだけは決めていて、飛行機のチケットと入学許可と住む場所が得られたから行ったんだった。向こうでの生活は行ってから。ありがたいことにお金の心配はなかったけど。親の庇護のもと、安心して行けたわけだけれど。

でもマインドはそういう感じで、これからもやっていこうとしてもいいのかもしれないなあ。

大人だから、これからのひとつひとつの決断が人生を左右する気がして…と怯える私に

人生がこれで決まってしまうということなんて、何一つないよ、

と言葉をかけてくれた人がいる。

そのときの心強さと安心が、かもめ食堂を読んでまたよみがえってきた。


さあわたしどうするかなあ?


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コンテンツ会議のタグ付けたけど相変わらず自分のことになっちゃった。ひとつひとつのエンタメを享受するたびに自分の現状と重ね合わせてしまうのは癖のようなものだ。客観性0。客観的に書く評論家3って本当にすごい。(笑)

そしてそして、なんだか久しぶりのnoteになってしまったから文章の調子がつかめなかった。

やっぱりお仕事が忙しい時期はnoteを書くのがたいへんだ。

他の方のを読んではいるのですが、読むことと書くことのエネルギーの差がちがいますね。


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