2つのワイナリーで「ぶどう」と「自分」を重ね合わせて、ちょっと泣いた
香川県といえば、うどん県。じゃあ山梨県は?
答えは「ワイン県」!知ってました???
わたくしニシムラ、家電メーカーに入社したと思ったらひょんなことから、ワインソムリエを目指すことになり…(ことの顛末はこちら)
勉強を始めるまで、山梨県が令和元年に「ワイン県」宣言したことを知りませんでした。
山梨県は日本ワイン発祥の地であり、生産量もワイナリーの数も日本一。
ソムリエの教科書でも、しっかり出てきます!
それなのに私は、山梨県のワインについてほとんど知りません。エライコッチャ。
このままだと、シャープのECサイトを訪れてくださるお客様に、日本の美味しいワインをお届けすることはできない…。
とにかく現地に行かねば。学ばねば。
そんな一心で、山梨行きの電車に飛び乗りました!
そして今、帰りの特急と新幹線の中でこれを書いています。
すっかり魅了されてしまった甲州ワインをぐいぐい飲みながら…。
大阪までは5時間近くの長旅です。
この酔いどれ気分と、日本ワインのあれこれを知った興奮がさめやらぬうちに、ワイナリー見学レポートを始めたいと思います。
酔いにまかせて書いたら長くなりすぎたので。
◆駒園ヴィンヤード
「日本ワイン」を試飲
まず訪れたのは、塩山駅から車で十数分の場所にある「駒園ヴィンヤード」。
著名な醸造家の近藤修通さんが代表を務める、少数精鋭のワイナリーです。
「駒園」はこの一帯の字名だそうです。
山小屋風のゲストハウスに案内いただきました。
近くの庭石の上で、白いワンコが置物のように鎮座。
私たちがぞろぞろやって来ても、「スンッ」とした顔で微動だにしない。
まさに看板犬!と思っていたら、隣の家のワンコだそうです。
フリーダムww
まずはゲストハウスの中で、日本ワインの市場や甲州ワインの特徴についてレクチャーを受けました。
「日本ワイン」とは、日本国内で栽培されたぶどうを100 %使用して、日本国内で醸造・瓶詰めされたワインだけを指すそうです。
日本で流通するワインのうち、「日本ワイン」と呼べるのはわずか5.4 %だとか(2020年データ)。
その中で山梨県は、ワイナリーの数も、ワイン生産量も日本一。
その年にできあがった新酒「山梨ヌーボー」の解禁日には、飲み放題のイベントも開かれるんですって。
ここに住みたい…。
そういえば日本人は昔から、ボジョレー・ヌーボーのブームもあったりして新しいもの好きですよね。
今は「オレンジワイン」が流行しているとのことで、さっそく試飲させていただきました。
左がオレンジワイン「PONY オランジェ甲州」です。
柑橘のオレンジを使ったワイン…ではなくて、色がオレンジがかっているんですね。
通常、ぶどうの果皮を除いて果汁だけを使うと白ワイン、果皮も混ぜて発酵させると赤ワインになります。
オレンジワインは意図的に短時間だけ果皮と接触させることで、ほんのり果皮の色を付けているそうです。
香りは南国系のフルーツ、マンゴーのよう。
味わいは酸味の少ない、まろやかな舌ざわりでした。
他にも、同じくオレンジワインの「PONY 甲州桜花」、上位ワインの「TAO」、希少なぶどう品種を使った「ブラック・クイーン」と次々に試飲。
ブラック・クイーンは、日本ワイン用のぶどう品種として有名なマスカット・ベーリーAと同じく、「日本のワインぶどうの父」と呼ばれる川上善兵衛さんが品種改良して生み出したぶどうだとか。
赤ワインなのに、ほとんどタンニンを感じませんでした。
「そう、川上善兵衛さんの品種はタンニンがほとんどないんですよ」と近藤さん。
正解キターーーー!!ニシムラ成長したーーーー!!
「やるじゃないの」という先輩の目は忘れません。
先輩たちはテイスティングしたら吐き出し用の紙コップを使っていましたが、全部グビグビと胃の中へ。
もっと飲みたかったけれど、「ええかげんにしとけ」と目で合図され、後ろ髪ハゲそうになりながら畑へと向かいました。
有機農法のぶどう畑へ
この辺りは、用水路を流れる水もとてもキレイです。
夏だったら絶対に足ジャボンしてる。
てくてく歩き、ワイナリーからいちばん近いぶどう畑に連れて行ってもらいました。
ぶどう畑は「ほじょう(圃場)」と言います。
駒園ヴィンヤードは計4箇所のぶどう畑を所有されていますが、今回行った「駒園圃場」は1952年の創業以前からある、自社最古の畑だそうです。
ちょうど、若手のお兄さんたちが作業中でした。
手を止めさせてしまってスミマセン!
「今は有機石灰を撒いているところです。酸性の強い雨が降るので、石灰を入れて土壌のphをアルカリに寄せるんです」と近藤さん。
「甲州」は、山梨県を中心に栽培されている日本固有の欧州系品種です。
赤紫色の果皮が美しく、甘みの中に適度な酸味があってワイン醸造に最適ですが、生食でもイケます。
奥のほうに、オレンジ色のテープでマーキングされている樹が何本かありました。
「樹齢60年以上の樹に印をつけているんです。いちばん古い樹は樹齢80年以上です。数年前、自社の70周年記念で、古木のぶどうだけを使ったワインを醸造したことがありましてね」
近藤さんによると、古木のワインは凝縮された味わいになるそうですが、一概に「古い樹のほうがいい」というわけでもない、と。
若い木は暴れやすかったり、歳をとりすぎると房が少なくなったりするので、いちばん充実しているのは樹齢20〜30年とのことでした。
私世代…!
でも、古木には、やはりそれだけ環境に適応して生きてきたという強さがあるそうです。
新しいワインを瓶詰めして寝かせても年代は古くなっていくけれど、すでに歳をとっている樹のぶどうから造るワインは、それとはまた違うんだろうなぁ。
う~、こちらも機会があれば、飲んでみたい。
駒園ヴィンヤードのコンセプトは、ビオロジック(有機農法)。
驚いたのは「土を耕さないで、雑草も生えたままにする」ということです。
「雑草の根っこに付く微生物に土壌の成分を分解してもらうと、ぶどうの樹が養分を吸いやすくなります。モグラもいるんだけど、駆除はしません。僕らには切れない地下に伸びすぎたぶどうの根っこをモグラが切ってくれるから。自然の剪定師です」
人間の代わりにやってくれるんですね。
モグラとも共生するぶどう畑、素敵です!
土をさわるとサラサラでした。
こっこれは……ちびっこ達が狂喜乱舞する、泥だんごを磨くときのサラ砂…!
専門的には砂壌土というそうで、ぶどう栽培に適した水はけのよい土壌です。
できるだけ自然のまま、その環境に適応した生命力の高いぶどうを育てることで、凝縮感のある味わいになるんですね。
「ちょっとずつ、自然と仲良くするにはどうすればいいかを考えていたら、こうなりました」
4月の風に吹かれて、サラッと語る近藤さん。
ワインを飲みすぎてディオニュソスに見えてきました…
(ギリシア神話のお酒の神様)。
発酵場で面白ネタ発見
次に向かったのは醸造所。
酒好きの脳天をくすぐるヤヴァイ香りが漂っています。
「お酒に弱い人は、ここに入るだけで酔っ払います」。
ですよね…!
これは、「ぶどうの実」と「枝や茎などの硬い部分」を分けるためのイタリア製の機械。
「除梗機(じょこうき)」と言うそうです。
収穫したぶどうは、まずここにエッサエッサと運ばれます。
上からぶどうを入れると、この洗濯機のようなドラムがぐるぐる回転して、ぶどうが枝と実に分かれ、周囲の丸い穴から実だけが下に落ちてきます。
集まった実を、太いホースで次の機械へと運びます。
次は搾汁。
上からギュウギュウ押しつけるのではなく、この機械の中に入っている風船のようなものが膨らむことで、実にやさしく圧力をかけます。
これによって雑味が出ず、クリアな果汁だけが搾りとれます。
搾汁したものをタンクで発酵。
これは白ワイン用のタンクです。
発酵が終わると酵母が死滅して沈殿するので、上の透き通った部分だけを抜きます。
このタンク1基から、2,000本分のワインが作れるそうです!
ところで、目に留まったこの小さな青いタンク。
これは何ですか?と聞いて、面白いことがわかりました。
「さっき、畑で石灰を撒いてた若いのがいたでしょう?あともう一人、全部で3人の新人がいるんですけど、彼らのタンクですよ」
修業の一環として、各自が思い思いのワイン造りにチャレンジしたそうです。
同じ畑で収穫した甲州ぶどうを、酸化防止剤無添加で搾り、その果汁を3人に100リットルずつ与え、完成までのすべてのプロセスを自分で考えて管理。
結果、
「素人さんが飲んでもはっきり分かるくらい、ぜんっぜん違うワインになりました」
!!!
その違いがこちらです。
飲み比べができるよう、3本セットで予約販売したそうで、そのチラシをいただきました。
ボトルに貼るラベルのデザインも、それぞれ自分で考えたのだとか。
チラシの内容をまとめると…
ただ、発酵後の処理が少し違います。
※清澄…ワインの濁りを取って透明度を上げること
※澱引き…タンクや樽の下に溜まる沈殿物を取り除くこと
そしてCさんは、先の2人とはけっこう違います。
こうして、できあがったワインの味わいは…
まさに三者三様。
この話を聞いて、ますますワインが好きになりました。
面白すぎですやん。
親の育て方とか環境に、子どもがモロ影響される感じですね(酒飲みの母のもとに生まれたムスメが、大酒飲みになった例はニシムラです)。
私たちが見たタンクには、もう残液しか入っていない状態でした。
買いたかったなぁ…。
また来年ですね。
ワイン作りに失敗はない
ワインを作っていて、あーやらかした、失敗だ!ってことはないんですか?と近藤さんに質問したところ、こんな答えが返ってきました。
「ないですね。世界中にいろんなワイナリーがあるから、たとえ自分が失敗だと思っても、そんな味わいでやってるワイナリーは必ずどこかにあるんですよ」
そうなのか!
よっぽど腐っちゃったとか、そういうことがなければ、どんな味わいになっても失敗ではないのか。
「だから、さっきの新人3人のワインも、できばえに優劣はつけていません。それぞれに良さがありますから」
みんなちがってみんないい…。
入社2年目のヒヨッコとしては、なんだか元気の出るお話でした。
仕事であっても我が強い私は、空回りして落ち込むこともありますが、ワインのように腐らずに、私なりの味わいを出していけたらいいな、と、ちょっとマジメに考えてみたりして。
「ちなみに大手のワイナリーさんになると、その年のぶどうの出来がどうであれ、毎年作っている銘柄の味わいをブレさせるわけにはいきません。そのために、たくさんの種類の酵母の中から、どれを使うかを選択して一定の味に近づけているはずです」
えっ、酵母がワインに与える影響ってそんなに大きいんですね。
言ってしまえば、酵母である程度どうにでもなる、と。
「でも、うちは小さなワイナリーなので、全部の銘柄を同じ酵母、同じ発酵管理にしています。そうすることで、その年、その年のぶどうの味わいをストレートに楽しんでいただけるんです。新人たちのワインは修業ですから、ちょっとイレギュラーに試行錯誤してもらってますけどね」
なるほど…。
これまで私は勝手に、小さなワイナリーさんほど、あれこれアレンジした個性的なワインを造っているんだろうな…とイメージしていました。
でも駒園ヴィンヤードさんは、変化球を投げるより、ぶどうそのものの味わいを大切にするストレート勝負なんですね。
野球で例えていると、さっきから「近藤さんって誰かに似てるなー」と思っていた答えがわかりました。
WBCで侍ジャパンを率いた栗山監督です!
お顔立ちも似ているし、何よりも一つひとつのぶどうの良さ、一人ひとりの若手の良さを引き出すところが、まさに。
ワインって、その年々のぶどうはもちろん、「人」によっても全然変わるんだなぁ。
心を打たれながら、次のワイナリーに向かいます。
出迎えてくれた白いワンコが、同じ場所で同じ姿勢のまま見送ってくれました(生きてるかー!?)。
◆マンズワイン勝沼ワイナリー
圧倒的なスケール感と酵母の衝撃
2つめに訪れたのは「マンズワイン勝沼ワイナリー」。
キッコーマン・グループの一員として1962年に設立されたマンズワインが有する、山梨県で最大級のワイナリーです。
のっけから、巨大なタンクに圧倒されました。
このスケール感!
敷地は続くよどこまでも…。
もう、「プラント」「コンビナート」って感じですね(違)。
2020年にリニューアルオープンした、美術館のようにモダンなワイナリーショップも併設されています。
マンズワインは、この山梨県の勝沼ワイナリーのほかに、長野県にも小諸ワイナリーがあります。
勝沼ワイナリーでは、気軽に飲める入門的なワインをはじめ、マンズワインのほとんどをここで生産。
小諸ワイナリーでは、世界で勝負するトップブランド「ソラリス」シリーズをはじめとしたプレミアムワインを生産しているとのこと。
ワイナリーショップの入り口では、手の消毒液として、アルコール分66%のホワイトブランデーがそのまま使用されています。
手から酔う〜。
フィギュアスケートの高橋大輔に激似のお兄さんが、ブランドや施設の概要について説明してくださいました。
マンズワインは、日本ワインが台頭してきた時代から、日本国内や世界で開催されている数々のコンクールで受賞を続けています。
つい最近、フランスで開催された「ヴィナリ国際ワインコンクール2023」では、「ソラリス」シリーズの1品が最高位のグランド・ゴールドを受賞。
さらに、受賞品の中で最高得点賞に輝いたそうです!!
これが最高得点賞を受賞した「ソラリス 千曲川 信濃リースリング クリオ・エストラクション 2021」。
他にも「ソラリス」シリーズからは2品がゴールド、シルバーを受賞しました。
世界の444の生産者から2,234点のワインが出品され、その中から受賞した670点のワインのうち、日本ワインはこの「ソラリス」の3品のみ!!
日本ワインが、世界の名だたるワインを蹴落として最高得点賞に輝くなんて。
ジャイアント・キリング的な痛快さをおぼえるのですが、それは失礼なことなのかもしれません。
日本ワインは、すでに数年前から巨人と肩を並べていたんです、きっと。
ニシムラはワインソムリエを目指して舌を鍛えるため、白ワインならシャルドネ種を自分の中の基準にするべく飲みまくっているのですが、そろそろリースリングにも手を出してみようと思いました。
さて、説明をお聞きしたところで、お待ちかねの試飲です。
2銘柄を試飲します。
「甲州」はすっきりしているけれど、後味にアミノ酸っぽい旨味を感じます。
日本酒っぽい。
衝撃だったのが「酵母の泡 甲州」の、ほんのり甘めタイプ。
なにこれうますぎ!!(語彙力www)
「酵母の泡」は名前の通り、甲州種を使ったスパークリングワインで、日本で一番売れている甲州ワインだそうです。
ひとくち含むとガスっぽい香り、そのあとにフルーティーな香り。
けっこう泡がシュワアアアッとくるのに、するっと喉を通っていく…。
言うなれば、アメとムチの逆バージョン。
ムチ!アメ!ムチ!アメ!みたいな。
これはクセになるわ…。
独特の香りについては、まだまだ「ガスっぽい」という稚拙な表現しかできませんが、これこそが酵母の香りなのだとか。
語彙力はともかく、「酵母を感じとれた」というのは自分にとって大きな一歩だった!と思います!!
ぶどう畑に息づくチャレンジ精神
続いて、勝沼ワイナリーの裏手に広がる自社管理のぶどう畑も見学。
通称「うら庭」だそうで、ここで収穫されたぶどうを使った「甲州 うら庭」というワインもあるそうです。
そのままやーん。
でも飲んでみたい。
ここも駒園ヴィンヤードさんと同じ「棚仕立て」ですね。
ぶどう栽培には、ぶどうの枝葉を横方向に広げる「棚仕立て」と、下から上へ縦方向に伸ばす「垣根仕立て」があります。
他に棒仕立てや株仕立てもありますが、日本では主にこの2つ。
棚仕立ては、公園でよくみる藤棚のようなスタイルですね。
風通りが良く、収量も多くとれます。
その反面、機械での作業ができず、人による手間ひまがかかるのだとか。
垣根仕立てはこんな感じ。
ヨーロッパに多く見られるスタイルです。
機械で収穫できて、見た目もカッコいい!…のですが、収量は落ちる傾向にあるそうです。
棚仕立ての畑の一角では、こんな試みもされていました。
棚の上に、ドーム型のレインカバーをかけているんですね。
ぶどうに雨がかかり、病気が発生しやすくなるのを防ぐためです。
コストや手間がかかるため、棚仕立ての、しかも生食用ではないぶどうにここまでするのは珍しいのだとか。
それでも、ひとたび病気が発生するとあっという間に広がってしまうので、効果測定のため試験的にトライしているということでした。
マンズワインは1987年、垣根仕立てでレインカバーを使う栽培方法を「マンズ・レインカット」として確立し、ワイン用ぶどう生産者に一大革命を起こしています。
それを棚仕立てにも!という、飽くなきチャレンジ精神を知ることができました。
地下セラーや設備もスゴイ
畑から移動して、今度は地下セラーへ。
ゆるやかなスロープを下りていくにつれて薄暗くなり、空気がひんやり。
みんな無口になって、靴音だけが響きます。
地下は思った以上に広い空間で、スクリーンでマンズワインの歴史映像などを見られるスペースまでありました。
マンズワインは、1960年代から海外に人を派遣。
ワイン醸造のノウハウを学んで持ち帰り、自社のワインに取り入れてきたそうです。
当時の貴重な資料も展示されていました。
おお、これぞワインセラー!欲しかった絵面!
オークの樽に詰められた熟成中のワインたちが、眠りから覚める日をしずかに待っていました。
当然ながら、地下セラーはエアコンなどで常に一定に温度管理。
ちょっと肌寒さを感じるくらいの室温です。
いま地上で世界が終わっても、私はここで生き延びられるなぁ。
不謹慎ながらそんなことを考えていました。
ワイン飲み放題だし!
昔は木を曲げるために樽の内側を焼き、その焼き加減もワインの風味に影響していたそうです。
ちなみに、このような太鼓形状を見るとドンドコ叩きたくなるのが人間のサガですが、「叩かないでくださいね」と前もってご注意がありました。
繊細なワインは、きっと振動でも微妙に変性してしまうのでしょう。
瓶に詰められてから、さらに寝かせているワインもありました。
このワインたちはどんな家に行って、どんなシチュエーションで飲まれるのだろう…。
思いにふけりながら地下セラーを出て、設備の見学へと回りました。
でかっっ!!!
これは「酵母の泡」を作っている「シャルマタンク」です。
国内ではほとんど見られない方式のタンクで、この規模は日本最大級。
ここまでの大きな設備投資ができるのは、大規模ワイナリーだからこそだと思います。
このシャルマ方式、何がスゴイのかというと、ズバリ「きめ細かな泡」が生まれること!
日本のスパークリングワインは、炭酸ガスを外から注入したものが多くなっていますが、「酵母の泡」は違います。
シャルマタンク内でゆっくりと二次発酵させながら、酵母が生み出す炭酸ガスをそのままワインに溶け込ませているのです。
後付け感のない、シュワアアアッとした愛のムチ的な泡の秘密がここにありました。
◆見学を終えてから
甲州盆地を見下ろして考えた
駒園ヴィンヤードとマンズワイン。
対照的な2つのワイナリーを後にしてから、甲州エリアを一望できる高台を訪れました。
曇天が惜しまれる…。
そしてパノラマでお見せできないのが何とも残念なのですが、本当に「盆地だ」と納得できる、四方を山に囲まれた風景が広がっていました。
円形ドーム会場のアリーナ席みたいな。
盛り上がってるかーい甲府盆地!
この盆地は、伊豆半島が本州にぶつかって、陸地がギュッとなって生まれたのだとか。
周囲の山から涼しい風が吹き渡るので、昼夜の寒暖差が大きい。
これが、ぶどう栽培に適している最大の理由だそうです。
一日の気温の変化が激しいほど、美味しいぶどうになる…。
ぬくぬく温室で育つより、荒波に揉まれたほうがいいってことですね。
ニシムラも入社してから、新入社員なのに!?と思えるほど大きな仕事やタイトな仕事をブッ込まれ、はや2年目を迎えました。
1年目から色んな経験ができて、有難いです。
時には、さすがにキツイ…と思うこともあるけれど、揉まれてる〜〜〜!と甲府盆地に叫びたい気持ちです。
美味しいぶどうになりたい…。
ともあれ、こうした地理条件や気候条件を活かし、明治初期に2人の青年がフランス仕込みの醸造技術を勝沼に広めました。
これが、山梨県でワイン作りが盛んになった起源だと言われているそうです。
それ以降も、海外でワイン作りを学び、日本ワインを発展させた人が何人かいます。
今回取材させていただいたマンズワインの現社長、島崎大氏もその一人。
島崎社長は、ワインの醸造について学べるボルドー大学を首席で卒業(!)。
さらに、「シャトー・ラトゥール」(超有名なワインの醸造所)でアジア人として初めて研修を積まれた、日本を代表する醸造家です。
やっぱり、ワインを学ぶ本場はフランスのボルドーなのですね。
マンズワインのお兄さんも「ボルドーをひとつの目標にしながら、この土地でのおいしさを追究していきたい」とおっしゃっていました。
そんなわけで、まず敵を知る…じゃないけれど。
日本ワインが戦うべきハイレベルなワインを、シャープのECサイトでドドンと販売することになりました!
日本ワインのベンチマークはコレ!
すべてが金賞受賞のボルドー赤ワイン!
ボルドー赤ワイン6本セット。ワイン好きの方にも、6本あれば十分ボルドーワインをお楽しみいただけるかと。
◆おまけの合格祈願、そして…
山梨では最後に、甲州ぶどう発祥の地とされている「大善寺」へ。
ワインソムリエ試験の合格祈願をしてきました。
ここは通称「ぶどう寺」とも言われており、御本尊は手にぶどうを持っていらっしゃいます(撮影は控えました。ざんねん)。
無事に合格できますように。必死で勉強しますので、なにとぞ!!
御朱印めちゃくちゃかわいくないですか!?
じつは御朱印集めも趣味の私…。
一番のお気に入りになりそうです。
そして大荷物を抱えて帰ります。
ひたすら重い…。
後で飲めると思えば、重さもうれしい。
さらに、試飲で開けたワインの余りもみんなで山分け。
コンビニで紙コップを調達して特急に乗りました(そして記事冒頭に戻るw)。
最後になりましたが、駒園ヴィンヤードの皆さま、マンズワイン勝沼ワイナリーの皆さま。
そしてワイナリーと私たちをつないでくださり、丸一日アテンドしてくださった、(株)升喜(酒類の総合商社)の野口智之さん。
本当にありがとうございました!!
ニシムラもワインソムリエの資格を取ることで、日本ワインの発展にめちゃくちゃ微力ながら貢献していきたいと思います。
それではまた!!
ボルドー赤ワイン6本セットはこちらから
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