見出し画像

1月に観た舞台(神の子/ キレイ/うるう)

今月はスタンディングのライブはナンバーガール以外見ず、週末はほぼ観劇だったのでまとめて感想。芝居はソフト化される率低いから大事にしたい。

1.13 コムレイドプロデュース『神の子』@福岡国際会議場

「その夜の侍」「葛城事件」などの映画も手掛ける劇作家・赤堀雅秋による舞台作品。警備員のアルバイトで300万円の借金を何とかしようとする池田(大森南朋)に、田畑(長澤まさみ)がゴミ拾いのボランティアを持ち掛ける、、という所から始まるお話。ままならない毎日に突如現れた長澤まさみが、金にもならない善行に誘ってきたらば、ねぇ!という俗っぽい妄想がそのまま物語を駆動させてて最高だった。"長澤まさみ像"ありきの作劇だと思う。

どんづまりな人生の連続を8800円で鑑賞する、それ自体が作品への強烈な意味づけであるように思う。赤堀雅秋本人が所謂"無敵の人"を演じて、脳内で大事件を起こし続けるバースを担っていたのだけど、その情景すら遠くから眺めることで"日々"へと溶かされていくようで。恐ろしくもあり、まぁコレだよな、、って。絶妙なチョイスのJ-POP(青山テルマとか氷川きよし)を暗転時に流し続けてたけど、脳内BGMはBase Ball Bearの「HUMAN」でした。



1.17 キレイ~神様と待ち合わせした女~@博多座

松尾スズキが手掛けたミュージカル作品、4度目の再演。大人計画が福岡に来るの自体めちゃ久しぶりなので本当に待望の観劇である。今回は主演に生田絵梨花(乃木坂46)、神木隆之介を迎えてかなりの若返りを果たしている。

DVD化もされてる著明な作品であり、2005年版を見たことがあるのだけど、人と時代に沿ってこうも変わっていくのかという。人造人間やら戦争やらが何だか架空のものじゃなくなった2020年においてこの題材はとても輝く。

笑わせる部分と急に真顔になる部分のスイッチングが凄まじいので3時間20分というボリュームはかなりヘヴィなのだけど、それを差し置いてもやはり圧巻の作劇である。時系列も演者も全て並列に描ける舞台ならではの構成で如何にして"人間"であるかという部分を抉る。結果、人間賛歌なのです。

阿部サダヲ、荒川良々、皆川猿時、村杉蝉之介らのアクの強さも最高に面白い一方で、岩井秀人によるやや気の抜けた発声も妙にハマっていて良かった。生ちゃんや鈴木杏の歌のうまさもさることながら、橋本じゅんa.k.aダイズマルが納豆おばけになっても美しい美声を響き渡らせていたのに笑った。


1.26 小林賢太郎 演劇作品「うるう」@北九州芸術劇場・中劇場

中学時代からずっと1番好きなお笑い芸人で在り続けた小林賢太郎、4年に1度上演されると噂の演劇作品で初・生観劇。1階の最後列だったけど、結構きゅっとした会場だったので、ありありとその姿を。マイムのしなやかさ!

KKP作品の中で唯一ソフト化されておらず、現場で味わうしかない作品。アートワークの雰囲気からも何やら不気味な雰囲気、、と思わせておいてこんなにもストレートに良い寓話が見れるとは。終盤の展開、涙がぽろぽろ零れてきて大変だった。彼の"あまりもの"としての自覚とかが滲んでね、、

彼の作品に限らずだけど、自分はやはりロジカルとエモーショナルの掛け算にとても弱い。ギミックでオッとさせられる面白さと心に訴えかけてくる作劇、「うるう」はそれが最後の最後まで奇跡的なバランスを保って駆け抜けていく強烈な熱情があった。展開の予見なんて軽々超えていく驚異の結末。

常に、何かを疑い続けて思い続けている男だろうから、舞台装置やアイテムを隅々まで使うのは分かっていたし、正直、何度も伏線であるマイムをやっていたにも関わらず!まんまと!まんまと、その最初から貼られていた伏線に気付けず、そして大号泣。それが明かされた瞬間、思わず「やべえ」って口走ってしまいましたからね、、はぁ、パラリンピック開会式楽しみだ。

画像1

#舞台鑑賞 #舞台日記 #舞台感想 #コンテンツ会議 #イベントレポ #お笑い   #芸人 #コント #神の子 #キレイ #うるう #赤堀雅秋 #長澤まさみ #大森南朋 #松尾スズキ #岩井秀人 #生田絵梨花 #橋本じゅん #小林賢太郎

この記事が参加している募集

イベントレポ

コンテンツ会議

舞台感想

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?