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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2024年5月の記事一覧

まぼろしの小さい犬~読書記録424~

まぼろしの小さい犬~読書記録424~

まぼろしの小さい犬  フィリパ・ピアス 作  猪熊 葉子 訳

ロンドンに暮らすベンの夢は犬を飼うこと。誕生日に、約束していた犬のかわりに刺繍の犬の絵をもらって失望したベンは、想像の犬を飼いはじめる。やがて引っ越しを機に念願の犬を手に入れるが、それは想像の犬とあまりにも違っていた……。少年の心の渇望と、葛藤を乗りこえる姿をくっきりと写した傑作。

猪熊葉子(いのくまようこ) 児童文学者・翻訳家。聖

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世紀末奇芸談~読書記録423~

世紀末奇芸談~読書記録423~

世紀末奇芸談 リッキー・ジェイ

両手両足と口を使い、5つの単語を同時に綴る男、どんな質問にも即座に答えられる記憶の達人などを初めとした、時代の話題をさらった「奇芸」の持ち主たちを、資料をもとに紹介する。

あまり知られていない通好みの本と言えるかもしれない。
沢山の絵や写真入りで、昔のいわゆる見世物小屋というのだろうか。そういう所で、奇術をする人たちを紹介していた。
たまたま乗り合わせた電車が各

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甘え・病い・信仰(長崎純心レクチャーズ)土居健朗~読書記録422~

甘え・病い・信仰(長崎純心レクチャーズ)土居健朗~読書記録422~

甘え・病い・信仰(長崎純心レクチャーズ) 土居健朗 

著者が精神医学界に問うた「甘え」という新しい概念はその後、世界の学会に着実に受け入れられてきた。個の自立を強調する思潮に対し、人間関係の根底で「甘え」と信頼が果たす役割を明快に論ずる。さらに「甘え」の視点から聖書に光を当てて、愛されること、愛の受容がもつ深い意味を浮き彫りにし、癒されて在ることの真実の姿を示す、病める現代に送るメッセージ。

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チョコレート工場の秘密~読書記録421~

チョコレート工場の秘密~読書記録421~

チョコレート工場の秘密  ロアルド・ダール 柳瀬尚紀訳

チャーリーが住んでいる町には、世界一のチョコレート工場がある。
だれもそこで働く人を見たことがないナゾの工場だ。そこへ五人の
子どもたちが招待されるというので大騒動! さあ、何が起こるのか?!
奇抜な発想が楽しい大人気の物語が、新装版で登場。『ユリシーズ』の名訳で知られる柳瀬尚紀氏の新訳です。

柳瀬 尚紀(やなせ なおき、1943年3月2

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わたしは目で話します~読書記録420~

わたしは目で話します~読書記録420~

わたしは目で話します 文字盤で伝える難病ALSのことそして言葉の力 たかおまゆみ

話せるってことがどれほど贅沢か、知っていますか。全身の筋肉が動かなくなる難病ALSを発症した著者が問いかける「人間にとって言葉とは?」

たかおまゆみ
1960年生まれ。金沢大学大学院教育学研究科修士課程修了後、日本聾話学校に勤務。その後、6年間のスイス・チューリヒ滞在を経て、ドイツ語の翻訳・通訳を始める。そのかた

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空飛ぶ馬~読書記録419~

空飛ぶ馬~読書記録419~

空飛ぶ馬 北村薫

「私たちの日常にひそむささいだけれど不可思議な謎のなかに、貴重な人生の輝きや生きてゆくことの哀しみが隠されていることを教えてくれる」と宮部みゆきが絶賛する通り、これは本格推理の面白さと小説の醍醐味とがきわめて幸福な結婚をして生まれ出た作品である。異才・北村薫のデビュー作。

北村薫 (キタムラカオル)
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。89年『空飛ぶ馬』でデビュ

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