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私の百寺巡礼

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五木寛之先生は70歳を過ぎてから百寺巡礼をされた。日本の寺院の多くは車が入れない険しい石段を登る事で辿り着く。横浜辺りの寺も、ちょっとした坂の上で、わざと車が入れないようにしてあ… もっと読む
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#百寺巡礼

同行二人

同行二人

同行二人
読み方:どうぎょうににん

お遍路などの巡礼、霊場巡りにおいて、常に自分には弘法大師がついていてくれる、弘法大師が共にいてくれるという意味で書きつける語。

一方、キリスト教の世界においても、似たような有名な話がある。

キリスト教会において親しまれてきた「あしあと(フットプリント)」という詩があります。今日は、この詩と、この詩についての伝えられているエピソードを紹介します。

あしあと

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綺麗な禅寺 秩父札所26番 臨済宗建長寺派萬松山圓融寺 私の百寺巡礼254

綺麗な禅寺 秩父札所26番 臨済宗建長寺派萬松山圓融寺 私の百寺巡礼254

圓融寺の本尊は、「恵心僧都(えしんそうず)」の作といわれる像立26㌢の「聖観世音菩薩」である。現在は圓融寺の本堂に安置されているが、かつては「岩井堂(観音堂)」に安置されていた。圓融寺本堂から出て山沿いに行き、300段余りの石段を約30分上ると朱色の豪快な舞台造りの岩井堂がある。京都の清水寺を模した舞台に立つと周囲の雄大な景色が一望できる。その昔、弘法大師がこの地に「巡錫(じゅんしゃく=僧が各地を

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SL撮り鉄スポットの聖地 秩父札所27番 曹洞宗龍河山大渕寺 私の百寺巡礼253

SL撮り鉄スポットの聖地 秩父札所27番 曹洞宗龍河山大渕寺 私の百寺巡礼253

大渕寺の観音堂は、明治・大正と二度にわたる大火災で観音堂を全て焼失した。その後、本堂と観音堂を兼ねた仮堂として再建されていたが、平成8年(1996年)裏山を切り開き、三間四面の「月影堂(観音堂)」が再建された。本尊は「聖観世音菩薩」で、微笑んでいるようにみえる聖観音像である。昔、「宝明(ほうめい)」という名の行脚僧が、この影森の地で病に倒れた。そこへ訪れた弘法大師は、宝明からの病の話を聞くと、聖観

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山深き地の古刹 秩父札所30番 臨済宗建長寺派瑞龍山法雲寺 私の百寺巡礼252

山深き地の古刹 秩父札所30番 臨済宗建長寺派瑞龍山法雲寺 私の百寺巡礼252

瑞龍山「法雲寺」は、臨済宗建長寺派の寺院で、開創は13世紀中頃の鎌倉時代である。本尊は「如意輪観世音菩薩」で木の坐像、像高約40センチメートル、唐の第9代帝王「玄宗(げんそう)」の作と言われている。皇帝が戦場にあって楊貴妃の冥福を祈り、観音の御心にすがる真情がうかがえて、美しく尊厳に満ちたものである。観音堂は六間四面、唐様の方形造り、過去帳に元和(げんな)元年(1615年)の建立とされている。この

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無人の猫寺 秩父市 曹洞宗自由山円通寺 私の百寺巡礼251

無人の猫寺 秩父市 曹洞宗自由山円通寺 私の百寺巡礼251

円通寺の縁起は、応栄2年(1395)に村の人々が地蔵堂を創建したことから始まります。弘治2年(1556)9月5日、照月禅達和尚により開基。当初は、圓東寺と称していましたが、慶長2年(1597)の太閤検地に伴い、自由山圓通寺と改称。境内の樹齢200年余りの桜は、近在の人々を楽しませています。

こちらの枝垂れ桜が有名で、あーー、又来る季節を間違えっちゃったよ。

であるが。ここ円通寺さん。Googl

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住宅街の中のお遍路廻り 杉並区 真言宗室生寺派泉涌山医王院龍光寺 私の百寺巡礼250

住宅街の中のお遍路廻り 杉並区 真言宗室生寺派泉涌山医王院龍光寺 私の百寺巡礼250

雨も降りそうであったし、今日は行くのは辞めようか?などと悩みながらも駅から近い!と、参拝したのが、こちらの真言宗寺院である。

当寺は泉涌山医王院と号する真言宗室生寺派の寺院です。本尊は薬師如来立像で、杉並区内では珍しい平安時代末期(12世紀前半)に造立されたものです。
開創は、明治10年の書上げによると承安2年(1172)とされ、開山は寺伝によれば龍観和尚(明応2年(1493)寂)と伝えられてい

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水戸藩と縁の深い寺院 水戸市 真言宗豊山派笠原山東光院神崎寺 私の百寺巡礼249

水戸藩と縁の深い寺院 水戸市 真言宗豊山派笠原山東光院神崎寺 私の百寺巡礼249

水戸駅から偕楽園までの一帯。事前の検索での簡単な感想を言うと、
「神社が多く、目だった寺院はないな」であった。
そんな中、ここ神崎寺が水戸駅周辺では一番大きいかもしれない。
(私が気づいていないだけであるなら申し訳ない)

県都・水戸市は茨城県の中部に位置し、この県の政治・経済・文化の中心地として発展を続けている。
那珂川流域の低地と周辺の台地から成り、中世以来江戸氏、佐竹氏の城下町だった。
慶長

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太田道灌開基の寺 伊勢原市 曹洞宗蟠龍山洞昌院 私の百寺巡礼248

太田道灌開基の寺 伊勢原市 曹洞宗蟠龍山洞昌院 私の百寺巡礼248

洞昌院は、太田左衛門大夫持資入道道灌(法名洞昌院心圓道灌、文明18年卒)を開基として、陽室照寅が開山となり、創建したといわれています。天正19年寺領3石の御朱印状を受領、近隣に多くの末寺を擁する中本寺格の寺院でありました。太田道灌は、軍学の大家で、江戸城・川越城・岩槻城を築城したことでも有名です。
太田道灌(一四三二ー一四八六)は幼名を鶴千代といい、成人してからは資長または持資といった。また仏門に

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田中角栄所の山門 東京都北区 真言宗豊山派平塚山城官寺 私の百寺巡礼247

田中角栄所の山門 東京都北区 真言宗豊山派平塚山城官寺 私の百寺巡礼247

城官寺は、三代将軍徳川家光の病を治して信頼を得た山川城官貞久がこの寺に入り、平塚神社ともども再興したとされます。徳川家の侍医・多紀桂山一族の墓があり、東京都指定史跡となっています。(北区ページより)

山門にかかげられた「平塚山」は、城官寺三百年を記念して書かれた当時の内閣総理大臣 田中角栄氏の筆によるもの。

御朱印は本堂の前に書置きで用意されたものを自分で日付を記入する形だ。
ずっとお寺を廻り

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徳川家光の時代にゴイゴイスー! 埼玉県狭山市 天台宗仙波中院末薬王山地蔵院広福寺 私の百寺巡礼246

徳川家光の時代にゴイゴイスー! 埼玉県狭山市 天台宗仙波中院末薬王山地蔵院広福寺 私の百寺巡礼246

ここ、広福寺に来たい!と思ったのは、なんのことはない。旅番組で紹介されたからだ。

新狭山駅からなんでこんなに歩くんや!と文句を言いながらも、津田が歩いていた。その目的地がここ、広福寺だ。
テレビで観た時はパノラマ撮影で満開の枝垂桜が見事で、うっとりとしたのだ。

番組で紹介されていたのは、この門が竜宮作りという日本ではなかなか珍しいものなのだそうだ。
今回は残念ながら、梅、桜、紫陽花。何も咲いて

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狭山茶畑を見守る菩薩たち 埼玉県狭山市 曹洞宗福聚山徳林寺 私の百寺巡礼245

狭山茶畑を見守る菩薩たち 埼玉県狭山市 曹洞宗福聚山徳林寺 私の百寺巡礼245

私の大好きな可愛いお地蔵様に誘われて向かったのは、予想以上に大きな寺院であった。

市内を流れる、入間川の右岸に位置する曹洞宗の寺院・徳林寺は、旧鎌倉街道沿いにある、歴史と伝説の豊富な古刹こさつです。  元弘3年(1333)、上州の地で旗揚げした新田義貞が、鎌倉攻めの合戦のおり、この地(入間川)に本陣を置き、その守護仏として、聖観世音しょうかんぜおんを安置したことから始まったもので、後に文和ぶんな

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源頼朝の供養に創建された古刹 戸塚 曹洞宗龍谷山雲林寺 私の百寺巡礼244

源頼朝の供養に創建された古刹 戸塚 曹洞宗龍谷山雲林寺 私の百寺巡礼244

横浜市戸塚駅西口を少し坂を登って行く。
そんな所にあるのが、この雲林寺。

檀家さんの為の地方のお寺というイメージであったのが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で紹介されたことで、当時は注目があったと思う。

鎌倉幕府を開いた源頼朝の御台所(みだいどころ)だった北条政子が鎌倉時代の承元4年(1210年)、頼朝の供養のため建立。現在でも政子を開基とし、「妙観院殿如実大禅定尼」の位牌が本堂に大切に奉られ、

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吹き抜けの回廊にアニメの聖地 秩父札所17番 曹洞宗実正山定林寺 私の百寺巡礼243

吹き抜けの回廊にアニメの聖地 秩父札所17番 曹洞宗実正山定林寺 私の百寺巡礼243

今回、訪れた寺院の中では一番人が多かった。
というのも、ここはアニメ「あの花」の舞台ともなっており、アニメとのコラボグッズ販売もされているからだ。

くそーー。写真撮影したいんだよーーー。と思いながら待つ私。
若い男女が楽しそうに、自撮りやら集団で写真撮影する寺院である。

この札所は四間四面の簡素で均斉のとれた観音堂である。内陣周囲を古式の阿弥陀堂のように念仏回廊が回っている。本尊は「十一面観世

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立派な木彫りに惚れ惚れ 秩父札所18番 曹洞宗白道山神門寺 私の百寺巡礼242

立派な木彫りに惚れ惚れ 秩父札所18番 曹洞宗白道山神門寺 私の百寺巡礼242

柴又帝釈天参拝依頼、すっかりお堂や神社の木彫りマニアになってしまった私だ。
そんな木彫り愛好家の私にピッタリなのが、ここ神門寺だ。

この寺はもと修験寺で「神戸山・長生院」といい今宮坊(現在の第14番札所)に属して栄えたといわれている。本尊は、1㍍を超える「聖観世音菩薩」で、両手に蓮の花を持ち、室町時代の作と伝えられている。昔、ここは神社で大きい「榊(さかき)」があり、その枝が左右に分かれて空に伸

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