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耳の痛い話をするときは「行動」や「環境」に焦点をあてる

ほめるときと違って、相手にとって「耳の痛い話」を伝えるのは、なかなか簡単ではありませんよね。

「叱ることは相手のためだから」と、自分では「愛のムチ」のつもりでも、言い方を間違えると「パワハラ」と受け取られてしまいかねません。

たとえば、
「だらしがない」
「いつまでたっても成長しない」
「注意力が足りない」など、
相手の「人となり」や「能力」を指摘すると、相手を傷つけてしまいます。

叱る目的は何でしょうか? 

それは
「相手の望ましくない行動を改善すること」
です。

決して、
「その人自身を改善すること」
ではありません。

ですから、叱るときは「事実」としての「相手の具体的な行動」や、そうした行動を引き起こした「環境」に焦点を当てることが大事です。

私の会社員時代の話です。

私の部下が、設備の異常を知らせる警報を「センサーの誤動作」と思い込んで、現場の状況を確認せずに放置していたということがありました。

話を聞くと、
「以前から時々誤動作を起こしていたので、今回も誤動作だろうと思い込んだ」というのです。

こんなとき、
「現場の確認に行かないなんて、横着だ。緊張感がなさすぎる」
などと言ったら、どうでしょうか。
部下は傷つき、萎縮してしまうかもしれません。

今までそういうパワハラ的な場面を何度も目撃していた私は、伝え方を変えてみました。

私は、
「現場の確認に行かなかったのは、よくなかった」
という「行動面の問題」と、
「以前から誤動作を起こしていた状況も問題だった」
という「環境面の問題」の2つを部下に伝えました。

そして、
「どうすればよかったと思う?」
と部下に聞いてみました。

すると、部下は、
「自分の思い込みで判断せず、必ず現場を確認すること」と、
「そもそも誤動作が発生しないように対策をする」と答え、実行してくれました。

叱ることによって相手が成長してくれれば、お互いにとって嬉しいことですね。

私は子育ての経験はありませんが、これは子どもを叱るときも同じだと思います。

叱るときは、「事実」としての「行動」や、その行動を引き起こした「環境」に焦点を当てて伝えてみてください。

きっとあなたの意図は相手に伝わるはずです。

それでは、また。

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