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世界有数のスイスのホテル経営学校

フランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、リヒテンシュタインに接するスイスは、面積41,290km²、日本の九州よりもやや小さい内陸国です。公用語は、ドイツ語(約70%)、フランス語(約23%)、イタリア語(約6%)、ロマンシュ語(約0.5%)の4つです。

私がレ・ロッシュに留学していた当時(1998年〜2000年)の企業研修の最低給与はCHF2,000(約20万円)でした。現在(2020年)のスイスの最低賃金は、州にもよりますが、時給CHF20(約2,000円、月給約40万円)です。小売大手のコープ(co-op)は初任給をCHF4,100(約41万円)としています。

レ・ロッシュ大学は世界トップ3にランク(*1)し、世界のあらゆる業界で活躍する管理職クラスを輩出する人材教育で有名です。(*1)QS WORLD UNIVERSITY RANKINGS BY SUBJECT 2019 - HOSPITALITY & LEISURE MANAGEMENT

管理職か現場のプロか

スイスのホテル経営学校は”管理職”を養成する全寮制の学校です。在学中にすべての”現場”を体験・学習して、卒業時にマネージメントプログラム、管理職候補としてキャリアをスタートすることが多いです。海外の多くのインターナショナルホテルでは、キャリアのスタートの時点で、”管理職”または”現場でのプロ”になるかを決めることが多いです。日本のホテルでは、現場経験者が管理職となるケースが多いですが、マネージメントを知らない(教育を受けていない)管理職となることもあるために、残念です。また海外でホテル経営を学んだ人材を、区別する採用枠がないことも、よい人材が外資系(または海外)に流出する理由かもしれません。

3年間のディプロマ・プログラム(現在は4年制のBBAプログラム)では、1年目はサービス、2年目はキッチン、3年はマネージメントを半年学校で学び、半年は学習した分野での企業研修を行いました。学生には、PMS(Property Management System)と料理のレシピのソフトウェアがインストールされたノートブックが配布されました。

スイス国民の時間の厳しさは学校にも現れていました。初日午後3時にだらだらと集まった学生に「この学校での3時は、2時55分のことだ!」と。

学校での食事とそのサービスをすべて学生が行う

1年目は、宿泊と料飲のサービスを学びました。宿泊のフロントデスクのデザインから業務用の食器洗い機に使う洗剤の種類、シルバーカトラリーの磨き方からフランベのゲリドンサービスの実習を行いました。

2年目は、料理と料理理論を学びました。ひとつのチーム(4名)で約40名分のスターターとメインをつくり、ベーカリーの授業では、制限時間内にケーキをつくる個人テストもありました。HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)【食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因】も徹底的に叩き込まれました。

3年目のマネージメントでは、マクロ経済学からホテルのすべての部門管理職の職務を学びました。学生がグループごとに、ホテルの警備要員を自社で抱えるか外部委託にするか、その利点・不利点をまとめ採択する訓練、面接で要点を聞き出すプロトコルも行いました。

2年生が料理をつくり、1年生がサービスをして、3年生がマネージャーになります。半年ごとに学んだ分野で実習に出てまた学校に戻ってくる、一流の学校で学ぶものは、知識だけではなく、自信だと思います。

2019年10月 母校レ・ロッシュ大学で先端技術のワークショップを提供

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ブロックチェーン分野のでスイスの世界の位置

税率はヨーロッパの大部分よりも低く、たとえばツーク州は法人税は14%です。企業を設立する国として、世界で最も人気があるスイスでは2018年、43,000社以上の企業が新しく商業登記をしました。

ツーク州またはクリプトバレーでは、10億ドル以上の価値のある6つのユニコーン・スタートアップをみつけることができます。ブロックチェーン関連企業では、フェイスブックのリブラ、イーサリアム財団が本拠地を置くことで有名です。

スイスでは、連邦議会が、ブロックチェーンと分散型台帳技術(DLT)に関する修正案を提出しました。ブロックチェーン技術を活用したイノベーション、社会実装を国が支える準備を進めています。

レ・ロッシュの卒業生の活躍として紹介されました。

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