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瀬戸のせともの屋
2023年3月24日 23:21
note始めます 2006年からメールマガジンを続けてきました。せともののこと瀬戸のことなど、毎週1回土曜日配信「瀬戸だより」として、17年間で870回を超す配信を行ってきました。我ながらよく続いたものだと感心します。 ひとまず、当初書きたかったこと、やりたかったことは済んだんじゃないかと思い、そのメールマガジンは定期配信を終了することにしました。残された大量の過去の文章は何かの形で活かしな
2024年8月12日 06:30
毎日「暑いねぇ」とか言わない方がいいのかなぁ、とは思うけど、人に会うとあいさつのように「暑いねぇ」と言葉を交わす今日この頃。さほど酒に強くない私でもビールが恋しい季節です。もう8月だよぉ。 さて、「窯が酔う」という言葉があります。窯が酔う、酔っぱらっちゃう…窯も酒を飲むのか?!いったい何のことか? 一言で窯を焼くといっても、焼き方には大きく分けて酸化焼成(織部や黄瀬戸などはこの焼成です
2024年5月26日 11:56
織部というのは瀬戸焼や美濃焼を代表する釉薬・技法なのはご存知の通りです。 銅を含む釉薬を酸化焼成して得られる緑色の落ち着いた色調です。とても人気がある釉ですが、意外と知られていないのが織部は窯から出て、すぐに完成とはいかないのです。 通常の釉薬の陶器は窯から出れば完成というパターンです(もちろん、出してすぐは熱くて持てませんが)。普段皆さんが手にする器の状態と変わりありません。ところが織部
2024年3月8日 11:05
釉薬について何度か書きました。 ふと、気がつきました。釉に色を着けるのを忘れていました。 染付の磁器に掛けられている透明な釉薬。釉薬の下に呉須で描かれた絵がきれいに見えます。でも多くの陶器に施されているのは何らかの「色」が着けられています。 古くから、赤津七釉と呼ばれる灰釉、鉄釉、織部、黄瀬戸、志野、御深井、古瀬戸(赤津地区は瀬戸でも作家や窯元が多い地区)などはもちろん、他にも瀬戸は釉薬
2023年7月9日 20:12
瀬戸は伝統的に灰をベースに釉薬を作ってきた土地です。という話を続けてきました。 ちょっと知れば普段の器がもっと楽しくという話をしたいのですが、釉の話は深いので難しくなりがちですいません。今回は近代的な釉調合の話。 昔は釉の調合は「〇〇灰1杯に、××石を×匁…」みたいな感じだったようです。調合していたメモ書きは暗号のようです。書いた本人以外にはよくわからない秘伝のレシピっぽい感じです。原料の
2023年6月18日 21:36
釉薬の話を続けます。普段、器を楽しんだり、ちょっと陶器に興味があるような方がもう少しだけ踏み込む手助けをしたい。そんな文章です。 前回は瀬戸の釉薬は伝統的に草木の灰をベースに作ると書きました。実際は水簸するなどの処理は必要ですが、草木の灰なら何でもひとまず釉薬の原料になります(たぶん大丈夫)。これから夏場にバーベキューやった後の炭の灰でも、キャンプファイアの残りの灰でも、(量はともかく、ひと
2023年6月9日 21:27
瀬戸焼は基本釉薬が施されています。先にも書きましたが、釉薬の種類が豊富なのが瀬戸焼の特徴です。 陶器好きの方たちがよく「織部の釉はいいね」とか「志野が好き」とか「黄瀬戸だよ、やっぱり」とか言っているのは主に釉薬の話です。織部も志野も黄瀬戸も(他にもいっぱいありますが)瀬戸で使われることの多い釉(釉薬)です。 釉の世界はとてつもなく広くて深いのですが、「釉薬に興味があるけどむずかしそうで」とい
2023年3月29日 22:11
瀬戸焼とせともの 今はあまりに「せともの」という言葉は一般的な焼き物全体を指すようになってしまっています。もともとせとものは「瀬戸で作られたもの」という意味でした。しかし今、瀬戸のやきもののブランディングを考えると「せともの」はあまりにざっくりしすぎているわけです。 そこで地域ブランドとして「瀬戸焼」を使っていこうという流れになります。 瀬戸の焼き物を話す時に「せともの」と言ってしまうとち