"わくわく"起点、NPOの広報の仕事。東北の小さな町と支えられる人達との温かな「つながり」を結ぶ-NPO法人SET広報ファンドレイズ部
はたらく上で大切なのは、一人ひとりの"わくわく"感。
"想い"をベースに、東北の地から、
人、まち、社会に向き合う、『NPO法人SET』(以下SET)。
そんな"青春"のような、SETの仕事についてご紹介。
今回は特に、まちで紡がれる物語を届け、支えてくださる方々との温かな「つながり」を結ぶ『広報ファンドレイズ部』についてお話します。
仕事をはじめるには、まずは"想い"から
まずは、わたし達SETのご紹介から。
これまでSETは、東日本大震災を経験している岩手県「陸前高田市広田町」という、人口約3000人の小さな漁師町を拠点に活動してきました。
そして主に進めてきたのが、都会の若者達がこのまちを訪れる事業。
普段の生活では出会うことのない、まちの方と若者との、密な交流を行ってきました。
そこから、わたし達の活動は段々と広がっていきました。
大学生のインターンシッププログラムや、民泊修学旅行。
若者が参加する、4か月間の学び舎プログラム。
企業や行政職員向けの研修。
キャリア教育事業、中高生の居場所作り。
そんな様々な事業を展開しているSETですが、一貫して大切にしている、「クレド」(行動指針・志・信条といったもの)があります。
その一つ、「わくわく感を大切にする」ということは、特に日々の仕事をする中でも意識されていること。
一人ひとりの「わたしはこれに、"わくわく"してるんだ」という、「想い」からどの活動も始まっています。
組織全体の目標はもちろんありますが、
一つひとつの仕事の具体的なやり方は、それぞれの個性に合わせて。「これは楽しい」「わくわくする」と思える形で。
そんな一人ひとりの働き方を尊重し、違いを面白がれる、SETはそんな職場です。
事業が広がるのはSNSのシェアより、人と人との"出会い"
SETで働く仲間に共通しているのは、「SETが好き」ということ。
その背景には、学生時代にSETのプログラムに参加していた職員が多いということがあります。学生時代の心揺れる原体験から、SETを好きになり職員となってきました。
そこから少しずつ変化してきて、新しいつながりからSETにコミットする仲間も増えてきています。
SETという団体の可能性を、体験的に感じ取って、共にあたらしい挑戦をしていく。今はそんな流れもできています。
また、チームとしてのSETは、
ここまで「想い」についてお話ししてきたように、「言葉」というものに魂がこもる仲間でもあります。
「あなたのミッションは?」「あなたのやりたいことは?」といったことを、
一個いっこ大事にしながら、やり取りを重ね働いています。
広報ファンドレイズ部担当者が、初めてこの仕事についた時に感動したのは、
これまで寄付してくれた人のリストを見た時のこと。
「こんなにも、わたし達を支えてくれている人がいるんだ」、と。これまで現場で活動をする中では気づけなかった、SETが持つたくさんのつながり。
そこから、「どれくらい、SETは新しい人達と出会っているのか?」ということ調べることに。
職員のみんなに協力してもらい「今月初めて会った人のリストアップ」をしました。
そうすると、SET全体で1ヶ月あたり200人、300人近く人と出会っていることが分かりました。
この団体は、本当に人とのつながりが多いことを実感し、これを大切にしていこうと改めて思ったのです。
この記事であなたと出会えたように、今の時代ではSNSのつながりも、もちろん大切。
でも、それだけでなく、SETではリアルな出会いでの、人と人と繋がる持ち味を活かし、活動を広げていきたいと考えています。
海と山に、おすそわけ。地域に根ざした職場へ、足を運ぶ
これまでSETの職員は、主に岩手県の拠点に暮らしながら働いてきました。
そこから現在では、一都三県を中心に、リモートワークで働きながら、岩手の拠点へと度々訪問するという、新しい働き方も始めています。
普段の生活を送りながらも、そんな岩手県の拠点を訪れる度に、都会では味わえない働き方を体感することができます。
職員同士、古民家の縁側で話しながら、田んぼ道を散歩しながら仕事したり。
海に近くでは、暑い夏には昼休みに海に入ったり。
活動の合間にも、地元の方から「鹿捌いたから食べな」というように、畑の野菜や山菜など、おすそわけをいただいたりもします。
こんな働き方も、長年、地域に根ざして活動を続けてきたSETという団体だからこそ。
外から来た人だけでは、体験することがなかなか難しいような、
地域のつながりの恩恵をいただける働き方は、ここならではです。
「NPOの広報」"だけじゃない"仕事
ここからは、広報ファンドレイズ部の仕事についてお話ししていきます。
主な仕事として、
広報業務では、SNSやウェブサイトでの活動報告、イベントの企画を、ファンドレイジング業務では、寄付集めをしています。
SNSでは、日々の活動の様子、わたし達の想いをより多くの人に届けるために、定期的な発信を行っています。
活動拠点地域の様子や、学生たちの活動の報告など、現地のリアルな情報をシェアしています。
寄付に関しては、主に『マンスリーサポーター』という継続寄附者さんを集めています。
現在は約80人、月々500円から寄付をいただいています。
広田・岩手県に来てくださった方や、イベントに参加された方へと、一つひとつの出会いを大切にご案内しています。
他にも、クラウドファンディングの企画、単発の寄付の募集も行っています。
また、支えてくださる方々とのつながりを大切にしているため、寄付してくださる方々向けの様々なイベントを、オンライン・オフラインで企画しています。
そして、これまでお話ししてきたように、
SETには、東日本大震災後から始まった12年間の活動の中で、様々なつながりがあります。
そのつながりから、寄付やコラボレーションの依頼をするコミュニケーションをしています。
またこれからは、代表と二人三脚で、寄付営業をかけていくことにも、力を入れていきたいと考えています。
行政職員の方、インターンに参加してくれてる大学生、SETのプログラムに参加する中高生に、その親御さん、、、そして地域の方々。
SETには、関わってくれてる方が、本当にたくさんいます。
人とのつながりが多い分、活動も多様なのですが、やはり一貫している想いやつくりたい社会の姿は、どの事業でも通ずるものがあります。
活動ごとに応援し始めてくれる方が多いです。そんなお一人お一人に、SETの全体像もわかりやすく伝えていき、「SETのファン」になっていただく。
人と人とのつながりを広げ、深めるために、幅広い業務を担当するのが、広報ファンドレイズ部です。
「欲しいものは、ちゃんと『欲しい』と言いなさい」
2020年、新型感染症流行禍で、SETは緊急クラウドファンディングを行いました。
SETの主要事業である、大学生向けのインターンプログラムがストップしてしまったためです。
それが初めて大型のクラウドファンディングでしたが、約700万円ものご支援をいただきました。
活動を丁寧に報告して皆さんにお伝えすることと、感謝を伝えるコミュニケーション、そして、これからも応援してもらえるよう想いを届けていくこと。
支えてくださった皆さまのお陰で、活動を続けることが出来た大きな感謝から、広報の重要性を改めて気づかせていただきました。
そして、支えて下さる方々とのリレーションシップを丁寧に築いていこうと、チームが立ち上がり、部門になっていきました。
つながりを大事にして、生かし合いながら、
団体の内側でも外側でも、関係性を広げ深めていく。そんなポジションです。
広報担当者が、寄付をご検討いただいているある方とお話ししている時のこと。
その方にいただいた、とても印象的な言葉がありました。
「欲しいものは、ちゃんと『欲しい』と言いなさい」と。
何に困っているのか、何を求めているのか、ちゃんと言葉にして伝えるように、その方は言ってくださったのです。
活動の紹介をしてどのように寄付いただくか、伺いながらお話ししているところがありました。
しかし、「"伺う"ことをやめなさい」と。
「あなたは、"あなた"のために寄付を集めてるんじゃない。
あなたが活動してるその先の、 "本当にその体験が必要な人"のために、お願いをして頭を下げてるんだから。
自信を持って、おっきな声を腹から出して、寄付くださいという風に言いなさい。」と、おっしゃってくださいました。
それは、わたし達が担っている役割の真髄であって、忘れてはいけない事。大切なことに気づかせていただきました。
自分達の想いを、自信を持って、きちんと伝えていく。"わくわく"する社会を、未来をつくるNPO法人の、広報ファンドレイズ部が担う大きな役割です。
これを読んで"わくわく"している、あなたへ
SET全体の活動として、大きく目指しているものには、「社会に貢献したい」「社会をより良く変えたい」という想いがあります。
しかし、それだけではなく、
「自分の"わくわく"することって何だろう」
「みんなで一緒につくりたい未来って何だろう」というような活動する一人ひとりの想いを大切にしています。
そんな一人ひとりの"わくわく"するエネルギーで、いろいろな事を突破していく。
その先に、いつの間にか、
描いていた社会になったり、変えたいものが変わっていたりするような、そんな変化が起こせる。
SETは、そんな可能性のある団体です。
そういった"わくわく"起点のエネルギーで動いていくことに、心動いた方は、きっと共に楽しんで活動していけると思います。
また、今までにないエネルギーや動きも、団体にとって必要なタイミングだと考えています。
あなた自身の関心や大事にしていることも、思いっきり表現していただければ嬉しいです。
共に未来をつくっていける、あなたと出会えることを、とても楽しみにしています。
【採用情報】
現在SETで募集中の仕事はこちら。
ぜひ一緒に、"わくわく"する未来をつくっていきませんか?
【サポーター募集】
SETの広報ファンドレイズ部では、支えてくださる方々とのつながりを大切に、サポーター様向けの企画も行なっております。
"わくわく"する未来をつくるために、共に歩んでくださる方を募集中です。
構成:山本晃平・川田涼平
著:芦川智里
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