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子どもの成長を見守る西ドイツ生まれの工芸品

私の実家には、古い身長計があります。私が幼児の頃に買ったものだそうで、3度の引っ越しを経て40年以上も使われていることになります。

キリンが一番上なのは普通だと思いますが、ゾウがオウムより下とか、以下の順番についてはいろいろと謎があります。

私や弟たちが小学生の頃は誕生日を迎える度にこの身長計の前に立って写真を撮影したものですが、一番下の弟が150cmを超えてからは、ほとんど出番がありませんでした(母によると、親戚の子が来た時など稀に出すことはあったそうです)。そのため、私はこの身長計の存在をすっかり忘れていました。

それを思い出すことになったのは、長女を連れて帰省した時のことです。孫が来るのを楽しみにしていた両親が、しかるべき高さに設置していたのです。

そして、もうひとつ驚かされたことがありました。それが、身長計の裏側に記されていた以下の一文です。

Made in Western Germany

東西ドイツが統一されたのは1990年、私が小学5年生の時です。言うまでもなく、それより古い工業製品を見ることはめったにありません。そう考えると、この身長計は価値があるもののように思えてきます。

それから10年あまりにわたって、帰省した際には子どもたちを身長計の前に立たせて写真を撮っています。ありがたいことに2人とも順調に成長していて、長女が150cmに達するのはもう時間の問題です。次女もあと数年で150cmはクリアするでしょう。

しかし、この身長計はそれでお役御免とはなりません。弟のところには2歳の子がいますし、さらに増える可能性もあります。そして、孫たちが皆大人になると、今度は曾孫の身長を測るという任務が生じるかもしれません。

子どもたちが歩む人生に対してどうこう言うつもりはありませんが、もし私の孫、両親にとっての曾孫の身長をこれで測ることができれば、非常に嬉しく思うのは間違いないでしょう。

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