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短編小説

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基本的には他サイト掲載の転載か同時掲載の作品になります。え〜と、暗めの話が多いかもです。 文字数的にはショートショートかなとも思いますが、内容は何か違うよなぁと感じてしまうので…
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2021年8月の記事一覧

短編小説:薄暮

短編小説:薄暮

 一面が橙に染まる。
 暖かな空が徐々に闇を孕み、
 青黒い色が光を喰らう。

 景色は次第に色褪せ、
 山の端は赤く燃え上がる。

 それが何処か血を思わせ、
 たゑの胸をざわつかせた。

 こんな時刻に出掛けるなど、夫にばれたら何と言われるか。恐らく危険だと咎められるだろう。

 臥せった夫は、煎じ薬で眠っている。起きるまでは時間がある。それまでに戻ってくればいい。たゑは夜気に着物の合わせを寄

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短編小説:隠れん坊

短編小説:隠れん坊

 久しぶりに会った親戚の面々は、やはり歳をとっていた。そんな中で比較的に若い叔父が近付いて来た。私は目立たぬように携帯を取り出し、さも電話をしなければといった体で叔父から逃げようとした。

「いやあ、立派な大人になったなぁ。旦那さんは?」

 叔父が無神経に声をかけてくる。演技がばれたのではない。単に叔父が空気を読めない人間なのだ。心の中で盛大な舌打ちをしつつも、私はにっこりと最上級の笑顔を見せた

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