serene/ライター

ライター/インタビュアー。 書籍やWEBの取材とライティングをしています。人生の折り返…

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ライター/インタビュアー。 書籍やWEBの取材とライティングをしています。人生の折り返し地点を過ぎたいま、もっと軽やかに自由でありたい。日常で触れる、かそけき気配や声にならない想いを綴ります。♦2人と1羽暮らし/血中武士度が高め/調味料フェチ/HSP(特別に敏感で繊細な気質)

記事一覧

白ちゃんの旅立ち

 白文鳥の白ちゃんが鳥さんの楽園へ旅立って百箇日が過ぎました。 2020年の年末辺りから呼吸に異音が混じりだし、一時は持ち直したものの、さえずりも求愛ダンスもできな…

長い冬の終わり。セーフモードで生きるとき

 文鳥の白ちゃんが甲状腺機能低下症を発症してから2か月余り、私たちはセーフモードで生きていた。どこの家庭でも、弱り目に祟り目とでも言いたくなるような時期があるけ…

「用の美」世界には美しいものが溢れている 親子でHSPの私たち

 今日から立春ですね。雪の天気予報は外れ、3月上旬のような日差しの温かさと、薄曇りの灰色がかった雲の合間からのぞく水色の空が気持ち良い。 文鳥の白ちゃんも起き抜け…

77歳で働く母に、自分の現役時代は好きに設定していいと励まされる

 今年の3月に77歳の母はパートタイムの仕事を引退します。 お役所の外郭団体がJR駅に隣接する観光案内所と、その上にある個室の 管理をする50代以上の男女を募集したのは2…

文鳥・白ちゃんの病気とバーゲンでの失敗 親子でHSPの私たち

 ムスメの愛鳥・文鳥の白ちゃんが、「プツプツ」と呼吸をするときに音を漏らすようになったのは昨年の12月頃でした。「何かがおかしい」と心が騒ぎ、年末に行きつけの動物…

note「#読書の秋2020 」コンテスト受賞しました

年末に嬉しいお知らせをnote事務局の方からいただきました。 ライツ社さんの書籍『売り上げを、減らそう。』の読書感想文を書いたところ、「#読書の秋2020」で受賞したの…

心のチカラを信頼する。親子でHSPのわたしたち

今週の月曜日、ムスメは修学旅行で沖縄に旅立った。 朝6時過ぎの暗闇に浮かびあがるバス停で、「だいすきだよ」と声をかけあい私たちは別れた。 コロナのご時世もあり、彼…

応援してます伝統工芸。東洋経済オンラインで輪島塗の記事が配信されました

40,50代でも「若手」に分類される職業とは何でしょう。 それは伝統工芸にたずさわる「職人」。輪島塗従事者の平均年齢は60代。 職人の高齢化は輪島塗に限らず、全国の伝統…

『売上を、減らそう。』皆が幸せになれる企業の教科書

「そんな生ぬるいやり方ではやっていけない」中村さんが未経験で飲食業界に参入した当時、経営を危ぶむひとは多かっただろう。ランチ営業だけの 国産牛ステーキ丼専門店「…

メビウスの輪のように循環する生と死

「命のバトンをつなぐ」よく耳にする表現だが、ともすれば対象が肉親に限定されるような危うさを個人的に感じる。世間的な名声を得ず、子を持たずに世を去るからといって、…

日常をPauseする。石川県金沢市

マンション臨時総会の準備に、車のリコール案内ハガキと歯医者での再検査をうながす学校プリントへの返事。 なすべきタスクに窒息しそうになると、わたしは暮らしのPauseキ…

余白をつくることの大切さ。親子でHSPの私たち

今日はムスメのお弁当を作らずに済み、少しラクをさせてもらった。 本日水曜日は学校の祝日ではなく、我が家の自主休校の日です。 学校には「風邪でお休みします」とわた…

おついたちまいりに寄せて

今日から10月1日。 白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)の「おついたちまいり」の日でもあります。 毎月1日に行われる「朔日参り(ついたちまいり)」が、ふと心に浮か…

学校を休ませるかどうかの判断に迷う朝。親子でHSPのわたしたち

今頃どうしているだろう。 ムスメが登校して何時間も経つのに、今朝のやり取りで心が塞ぐ。 子どもが学校へ行きたくないと訴えたとき、親の取る行動は2つ。 ・本人の主張…

繊細で感じやすい自分と折り合いをつけながら生きる。親子でHSPのわたしたち

5人に1人といわれるHSPとは近ごろWEBや雑誌で見かけるHSPという耳慣れない言葉。 聞いたことはあっても、意味を知らないひともいるのではないでしょうか。 HSPとはHighly …

×(バツ)と〇(マル)以外の言葉で、離婚を語りたい

先日ある集まりで、離婚経験のある女性と既婚者の男性が交わす会話を耳にしたとき、心がピクッと反応した。 「バツイチ」「結婚に失敗した」のフレーズが、お二人の口から…

白ちゃんの旅立ち

 白文鳥の白ちゃんが鳥さんの楽園へ旅立って百箇日が過ぎました。 2020年の年末辺りから呼吸に異音が混じりだし、一時は持ち直したものの、さえずりも求愛ダンスもできないまま、白ちゃんは天に召されました。  「ペットロス」の言葉を知っていても、幼鳥の頃より病気知らずの白ちゃんとは結びつかなかったし、私たちには関係ないとも信じていた。   突然ぷつんと断ち切られた2人と1羽の生活。 この喪失感から抜け出せる日が来るのだろうかと危ぶんだけれど、住人(鳥)のいないケージが視界をかすめて

長い冬の終わり。セーフモードで生きるとき

 文鳥の白ちゃんが甲状腺機能低下症を発症してから2か月余り、私たちはセーフモードで生きていた。どこの家庭でも、弱り目に祟り目とでも言いたくなるような時期があるけれど、2月の我が家はまさにそうだったと思う。 3月を迎えた今日、ようやくぬかるみから抜け出し、こうして日記をつけている。noteに帰ってこられて嬉しい。コロナに覆われた日常を経て、再び巡った春の訪れに、自分が予想した以上に喜びを感じているひとが、日本中にあふれていそう。色々あっても、私たちは日々ベストを尽くしている。

「用の美」世界には美しいものが溢れている 親子でHSPの私たち

 今日から立春ですね。雪の天気予報は外れ、3月上旬のような日差しの温かさと、薄曇りの灰色がかった雲の合間からのぞく水色の空が気持ち良い。 文鳥の白ちゃんも起き抜けから求愛ダンスを披露し、部屋の中にも春めいた明るさが訪れました。あとはムスメの抱える精神的な面からくる体調不良を残すのみ。  ムスメよ、もうすぐそこまで春が来ているよ。 車の排気ガスで汚れて固まった雪の残骸のようなやるせなさは、時が過ぎれば少しずつ溶けていくから、どうか絶望やあきらめに慣れ親しまないで。 高校生活とい

77歳で働く母に、自分の現役時代は好きに設定していいと励まされる

 今年の3月に77歳の母はパートタイムの仕事を引退します。 お役所の外郭団体がJR駅に隣接する観光案内所と、その上にある個室の 管理をする50代以上の男女を募集したのは2000年頃だったかと思う。 実家から徒歩5分以内の立地の良さに惹かれ、本人いわく「何となくやれると思った」勢いで履歴書を送った母は、それから20年同じ職場で働き、最古参のメンバーとなりました。スマホは持っていないのに、職場のパソコンでの管理業務や防犯処関連の操作は何故かできる。そんな彼女をみていると、良い意味

文鳥・白ちゃんの病気とバーゲンでの失敗 親子でHSPの私たち

 ムスメの愛鳥・文鳥の白ちゃんが、「プツプツ」と呼吸をするときに音を漏らすようになったのは昨年の12月頃でした。「何かがおかしい」と心が騒ぎ、年末に行きつけの動物病院を受診しました。しかしキリリとした本人の姿(小鳥は天敵(先生)の前では弱みを見せない)もあり、呼吸の際には少し異音こそあれ、診断結果は「異常なし」でした。  我が家に来て3年半の間、病気知らずだった白ちゃん。「今回も心配のし過ぎだったね」と軽やかな気持ちで新年を迎えたものの、いっこうにプツプツ音が収まらず、むしろ

note「#読書の秋2020 」コンテスト受賞しました

年末に嬉しいお知らせをnote事務局の方からいただきました。 ライツ社さんの書籍『売り上げを、減らそう。』の読書感想文を書いたところ、「#読書の秋2020」で受賞したのです。 本はこちらになります。 2015年から書評を連載していた雑誌が、会社の倒産に伴いコロナで4月に 廃刊となりました。編集長と毎月交わす往復書簡のようなやり取りも突如 中断してしまい、さようならを告げる暇もなかった。 それ以来読書はするものの、感想を言葉にする気持ちにはなれませんでした。でも今回の企画を

心のチカラを信頼する。親子でHSPのわたしたち

今週の月曜日、ムスメは修学旅行で沖縄に旅立った。 朝6時過ぎの暗闇に浮かびあがるバス停で、「だいすきだよ」と声をかけあい私たちは別れた。 コロナのご時世もあり、彼女と親和性の高い級友たちは残念ながら不参加だった。出発前の班決めから部屋割り、旅行中の自由時間を誰と過ごすかに至るまで、こんなとき独立系の生徒は切ない。 だが個人ではまわりきれないスポットも網羅された旅行内容は、海の生き物好きな彼女には見逃せない充実ぶりである。 「しろちゃん(ムスメの愛鳥)のお世話を気にせずに旅

応援してます伝統工芸。東洋経済オンラインで輪島塗の記事が配信されました

40,50代でも「若手」に分類される職業とは何でしょう。 それは伝統工芸にたずさわる「職人」。輪島塗従事者の平均年齢は60代。 職人の高齢化は輪島塗に限らず、全国の伝統工芸業界共通の課題でもあります。輪島塗の未来を見据えて奮闘される塗師屋(企画から販売までをてがける総合プロデューサー)田谷さんの記事が、東洋経済オンラインさんで公開されました。そちらに収まらなかった話をnoteに書きます。 「若い世代で、ものづくりの好きな人はいるはずです。けれども本人にやる気と意欲があっても

『売上を、減らそう。』皆が幸せになれる企業の教科書

「そんな生ぬるいやり方ではやっていけない」中村さんが未経験で飲食業界に参入した当時、経営を危ぶむひとは多かっただろう。ランチ営業だけの 国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」は、1日100食限定の売り切りスタイルをとっており、お店の営業時間は3時間半、従業員の残業ゼロという超ホワイト企業だ。  不確実な来客を見込んでの仕入れと異なり、フードロスはほとんどでず、メニューを3つに絞ることで、厨房とホール担当者の負担は軽くなる。業界未経験の新人も仕事を覚えやすい仕組み

メビウスの輪のように循環する生と死

「命のバトンをつなぐ」よく耳にする表現だが、ともすれば対象が肉親に限定されるような危うさを個人的に感じる。世間的な名声を得ず、子を持たずに世を去るからといって、何も残さないわけがない。故人の言動を思い返すひとを通じて、意識のDNAは受け継がれていくのではないだろうか。本書の主人公・ナスミと生前に関わりのあった、姉妹や夫、友人たちのように。 14話で成り立つ物語には、病室で死と向き合うナスミと彼女の周囲の人々、それぞれの人生が描かれている。2話以降を主人公抜きで進む展開は読者

日常をPauseする。石川県金沢市

マンション臨時総会の準備に、車のリコール案内ハガキと歯医者での再検査をうながす学校プリントへの返事。 なすべきタスクに窒息しそうになると、わたしは暮らしのPauseキーを押す。まずはいったん持ち場を離れ、ちょっとした気散じを自分に許すのだ。 ため息をつく代わりにバスに乗り、金沢市中心部に位置する神明宮(しんめいぐう)へ向かう。下界とは違う時間の流れている境内へ足を踏み入れ、 拝殿で日頃の加護へのお礼と近況報告を行う。 くさらず、あせらず、最善を尽くしていきますね。 ただし

余白をつくることの大切さ。親子でHSPの私たち

今日はムスメのお弁当を作らずに済み、少しラクをさせてもらった。 本日水曜日は学校の祝日ではなく、我が家の自主休校の日です。 学校には「風邪でお休みします」とわたしが連絡を入れ、ムスメは終日、 自由の身となった。 「学校へ行くだけで疲れるんだよ」と話すムスメ。 校舎内に充満する生徒たちや教師の醸し出す雑多なエネルギーと、勉強への焦りやプレッシャーから生じる気持ちのアップダウンなど、内外からの刺激に耐えて心を平らかに保つ作業だけで、パワーをほぼ使い切るのだろう。 HSPに

おついたちまいりに寄せて

今日から10月1日。 白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)の「おついたちまいり」の日でもあります。 毎月1日に行われる「朔日参り(ついたちまいり)」が、ふと心に浮かんだのは偶然ではないでしょう。 年明けから続いていた重苦しさと、最後に追い打ちをかけるかのような猛暑のダメージから抜けて、ようやく気持ちが緩んできたからだと思う。 そこでヴァーチャルではありますが、深呼吸したくなるような境内の清々しい澄んだ気を脳内再生しつつ、いまの自分の気持ちを綴ってみます。 (白山比咩神社の

学校を休ませるかどうかの判断に迷う朝。親子でHSPのわたしたち

今頃どうしているだろう。 ムスメが登校して何時間も経つのに、今朝のやり取りで心が塞ぐ。 子どもが学校へ行きたくないと訴えたとき、親の取る行動は2つ。 ・本人の主張を認めて、お休みの連絡を学校へ入れる。 ・なだめたり諭したり押し問答のすえ、何とか登校させる。 我が家では(これはしんどそう……)と判断した場合には本人と話し合い、学校を早退、欠席させている。 「授業を受けるだけで疲れる」とこぼしながら、全日制の高校に通い続ける彼女のチャレンジを継続するためにも、無理はよくない

繊細で感じやすい自分と折り合いをつけながら生きる。親子でHSPのわたしたち

5人に1人といわれるHSPとは近ごろWEBや雑誌で見かけるHSPという耳慣れない言葉。 聞いたことはあっても、意味を知らないひともいるのではないでしょうか。 HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリ―・センシティブ・パーソン: 非常に感受性が強く敏感な気質のひと)を指します。 1990年代にアメリカのエレイン・N・アーロン博士が提唱し、日本ではHSP専門カウンセラー・武田友紀さんの書籍などを通して、『繊細さん』の呼び名でも認知されています。 (ウ

×(バツ)と〇(マル)以外の言葉で、離婚を語りたい

先日ある集まりで、離婚経験のある女性と既婚者の男性が交わす会話を耳にしたとき、心がピクッと反応した。 「バツイチ」「結婚に失敗した」のフレーズが、お二人の口から何度も発せられたからだ。 悪気なく使われるこれらの言葉に、深い意味のないことは明らかだった。 でも彼女側から発せられる「バツイチ」の言葉に、どことなく肩身の狭さのような響きを感じとったのは、わたしが離婚経験者だからだろうか。 スルーしようとしたものの、心がざわめいてくる。 なんだなんだ、こういうシチュエーションは居