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繊細で感じやすい自分と折り合いをつけながら生きる。親子でHSPのわたしたち

5人に1人といわれるHSPとは

近ごろWEBや雑誌で見かけるHSPという耳慣れない言葉。
聞いたことはあっても、意味を知らないひともいるのではないでしょうか。

HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリ―・センシティブ・パーソン: 非常に感受性が強く敏感な気質のひと)を指します。

1990年代にアメリカのエレイン・N・アーロン博士が提唱し、日本ではHSP専門カウンセラー・武田友紀さんの書籍などを通して、『繊細さん』の呼び名でも認知されています。

(ウィキペディアから引用)

世界の全人口に占めるHSPの割合は15~20%にのぼり、約5人に1人が生まれつきこの特性を備えているそうです。
ひとクラス40人の教室であれば、8人ほどが該当しますね。

実はわたしとムスメも、そのうちの1人です。
※子どもの場合はHSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド:非常に感受性が強く敏感な気質の子ども)と称します。


HSPを表すとしたら、良くも悪くも「深く感じるひと」でしょうか。
非HSPと比べ、より精密に脳で情報を処理するぶん、刺激を受けやすく、
些細な変化や違いに気づく能力に優れ、相手への高い共感力を発揮します。
その一方で自分の繊細さに手こずらされ、周囲のひとや状況に過剰反応して苦しむことも少なくありません。

生きづらさを抱えがちなHSPが物事にどう対処しているのかを、当事者目線でnoteに綴っていけたらと思います。

家族や友人にHSPらしき人物がいるひとや自分もHSP と危ぶむひと、
そして自分自身もHSPの皆さんに、お付き合いいただけたら嬉しいです。

自分がHSPだとわかり、ほっとした話

数年前にアーロン博士考案のHSPセルフテストを試したとき、設問のほぼ
全てに当てはまりました。
書籍を購入してHSPの概念を理解するにしたがい、自分をぎゅっと締め付けていた「人並み」の呪いは無効化され、心に静かな喜びが訪れたのです。

わたしは、わたしのままで良かったんだ。

思えば物心のついた頃から、周囲の大人のかける無遠慮な言葉に、自尊心は少しずつ奪われていきました。

「何でも気にしすぎ」
「お姉ちゃんが、そんなことくらいで泣かないの」
「ぼうっとしてないで、〇〇しようね」

本人たちは良かれと思って、口をはさんだのでしょう。
けれども幼い子どもは全身でボールをキャッチするように、言葉そのものを、ずしりと受け止めてしまう。

いつしかわたしは世の中には、「実用的なひと」と「実用的なことに不向きで役に立たないひと」2種類のひとがいると考えるようになったのです。

一汁三菜の朝食を整え、洗濯機をまわす合間に子供たちの登校準備を手伝って、ひと段落ついたら休む間もなく自転車で仕事へ出かける。
無駄のない行動を好む母は、当然のように娘たちに同じ能力を求めました。

わたしはといえば、ふと見上げた空を雲が流れていくのを観察したりアリの行列を妨害したり、お使いを頼まれても余計な時間ばかりかかってしまう。
我を忘れて何かに没頭する、非生産的な時間が不可欠な空想癖のある子どもでは、目で見える結果を重視する母の期待には応えきれませんでした。

どちらも個性で、単なるタイプの違いと今ならわかる。
でも長い間、誰にとも言えない申し訳なさを感じていました。

非HSPの親がHSCの我が子に接するとき何が起きるのか

現在も非HSPの親の元で育つ、かつての私のような子どもがいるでしょう。

親が非HSPで子がHSCの組み合わせの親子の場合、「あなたのためを思って」と親の価値観で子どもを矯正してしたくなる方もいると思います。
自分も母親だから、その気持ちは想像できる。
アメリカで暮らす知人の話でも、男の子は何事にも動じない「男らしさ」を望まれ、すぐ涙ぐむ感受性豊かな少年は「女々しい」と見下されるという。

社会的に好ましい(とされる)基準が存在するのは万国共通で、我が子の
将来を案じる親ほど、多数派にならうのかもしれません。

親たちの願いの成就には、ときに犠牲が伴います。
優れた洞察力を持つHSCが、自分の本心を偽り、過剰適応している危険性があるからです。

最も大切なのは、そのままの子どもを尊重すること

弱さと解釈される繊細さは、見方を変えると強みへ転じる。
弱者を切り捨て強靭なパワーで突き進む、従来型の組織や社会に脆さを感じませんか。

不穏で混とんとした時代だからこそ、外よりも内に答えを見出す近未来版炭鉱のカナリヤである、HSP/HSCの力が求められるのではないでしょうか。
特に子どもたちは、未だ具象化されていない社会の変化や言葉にされない
息苦しさを察知し、改革する役割を果たしているように思えます。

彼らの心の拠り所となるのは、性質が相容れなくてもお互いを認めあい、
尊重しあえる関係。
具体的な対応策は、後からでも間に合います。
健全な自己肯定感さえ損なわれなければ、多少置かれた環境がまずかろうと、HSCはみずからの聡明さで現象をプラスに転じられるから。

どんなときも彼/彼女の生来の気質を尊重してあげるのが、親から子どもへの最大の贈りものだとわたしは信じています。

(我が家での具体的なムスメへの対応については次回書きますね)

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