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学校を休ませるかどうかの判断に迷う朝。親子でHSPのわたしたち

今頃どうしているだろう。
ムスメが登校して何時間も経つのに、今朝のやり取りで心が塞ぐ。

子どもが学校へ行きたくないと訴えたとき、親の取る行動は2つ。

・本人の主張を認めて、お休みの連絡を学校へ入れる。
・なだめたり諭したり押し問答のすえ、何とか登校させる。

我が家では(これはしんどそう……)と判断した場合には本人と話し合い、学校を早退、欠席させている。
「授業を受けるだけで疲れる」とこぼしながら、全日制の高校に通い続ける彼女のチャレンジを継続するためにも、無理はよくないからだ。

高校に通うことがチャレンジ? と不思議に思われそうだが、我が家のムスメに関しては、そう呼んで差しつかえない日々を送っている。
それは彼女が、特別に感受性が強く繊細な気質を持つ子どもだから。

HSP気質(非常に敏感で繊細)の人間は脳の構造上、一般人のフィルターにはひっかからない、空間や人にまつわる微細な情報を受け取ってしまう。
中等部も含め生徒数1000人以上の学校は、静けさとは真逆の気配に満ち、
おそらくHSP気質の娘にとっては騒音のあふれる、ストレスを感じやすい
場所だろう。
ショッピングモールへ立ち寄ったあとに、わたしの心身へ押し寄せる疲労の波を思い浮かべると、「いつもお疲れさま」と労いたくなる。

雀のように群れはしゃぐ女子学生であふれる廊下を、身を固くして教室移動するムスメに、私ができるのは本人の気持ちを受け止めること。

とはいえ彼女の気持ちに、毎日寄り添えるわけじゃない。

***
学校を休む/休まないの問いに結論を出せずに悶え、合服のセーターが見つからない! と騒いでいるうちにもバス時間は迫ってくる。

(どうしたらいいんだろう……)こちらが泣きそうだ。

昨晩スマホ使用時間を大幅に超過したうえ、勉強もできなかったと落ち込む彼女の話に付き合ったのだから、ガス抜きはできているはず。
欠席の連絡をする時間帯、7:30-40分を過ぎそうだ。
4連休も控えているし、何とか持ちこたえてくれないか。

数十秒の間にめまぐるしく計算する。

この瞬間の意思を尊重したい想いと、通信制高校ではなく併設の高等部への進学と卒業を選び、大学受験を希望する本人の未来への決意を応援したい
気持ちとが拮抗する。

……となると、また休みたくなる日に備えて、出席日数は稼いでおきたい。進級の危ぶまれるリスクは抑えるべき。

***
わたし自身がHSPで場のムードや環境に影響を受けやすく、そりの合わない集団にいると耐えられない。
学校制度そのものに不適応を起こしている彼女に、もう少しの辛抱、目標があるなら目先の感情や欲望に流されないで、と声をかけつつ迷ってしまう。

何がそのひとのためになるのかは、長い目でみないとわからない。
人生は選択の連続だけれど、ことムスメに関しては、正解なんて見出せないのが正直なところだ。

傘を持たせればよかった。
薄着で登校させてしまったけれど寒くはないかしら。
お友達に意地悪されてるみたいだけれど、先生にお知らせした方がいいのだろうか。
内向的な性格だから、今のうちに集団でもまれる経験が必要かもしれない。

彼女が小さい頃から最善をつくしたい、本人にプラスとなるようにと考えるあまりに、些細なことにも気に病んできた。

娘が幾つになろうと、お迎えを待ちかまえ幼稚園の玄関先から「ママー」と笑顔で両手を広げてスカートに飛び込んできた、園児の姿と重なるのです。

***
何となく、学校へ行きたくない気持ちをわたしにぶつける彼女の言動から、(本当はピシッと背中を押してほしい……)無意識のメッセージが伝わった気がして。
本日は「頑張ってるね、行ってらっしゃい」の展開を選んだ。

物事を深く真剣にとらえ、相手に共感するHSP気質が仇となり、こういう
騒動があると本当に疲れる。
ムスメは私とは別個の人間だと理解しているのに、彼女の寂しさや辛さに
クローズアップしそうになるのが、想像力豊かなHSPの弱点なのだろう。

登校後の彼女の1日を悲しい気持ちで予想して、自分自身がぺちゃんこになった日は前にもあった。
でもそんなときに限って、「ただいまあ」と本人が大声で帰宅するのだ。

神様の粋な計らいなのだろうか。
嫌々登校した日が「悪くなかった」と、数日後に判明したケースもある。

壊れたレコードみたいに苦痛を並べても、その日あった嬉しいことや楽しかった出来事については、わざわざ口にしないのが彼女の性分なんだろう。
心配症の親に気を使い、架空の話をでっちあげる女子高生の話を聞いた身としては、無頓着な彼女に半ば腹を立てつつも救われている。

今日の対応は不適切だったかもしれないが、1日のミスですべてが決まるわけじゃなし。
肩の力をぬいていこう、と自分を慰めた。

雨が止んで、レースのシェード越しに白色の光が室内に入ってくる。
今週中にムスメの好物のスイーツを、一緒に買いにいこう。

今日も良い1日を。

#HSP   #エッセイ #日記 #子育て #学校 #人生  







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