『罪の声』怒りのエネルギーを土台に結びついた男たちの捩れた正義と深淵から顔出して口開いた人たちのお話
小栗旬、星野源、松重豊、梶芽衣子、市川実日子…
もうこの面々を見ただけで期待値が上がる(ワクワク)
しかも脚本は野木亜紀子さん。
※アイキャッチ画像は上記本作公式HPより
※本記事はネタバレを含みます
作品概要
日本中を震撼させた未解決事件を掘り返す記者と、知らないうちに犯罪に加担してしまったテーラーを中心に…
点と点が線で繋がっていく快感
まぁ、35年経ったし…
あの人ももうおれへんし…
もう時効やし…
実は…言ってなかったことがある
まぁ…もう話してもエエか
をかき集めて点と点がつながっていく物語。
フィクションなんだけどフィクションとも言い切れない感じで、この映画のベースになった事件は私が生まれる前に起きたものだからあんまりよく知らないけど、ちょっと関連書籍読んでみたくなる映画でした。
幸せの定義
星野源さん演じるテーラーの曽根さんが
ある人物と初めて会って会話をするシーンで
私の中の幸せの定義レーダーが
反応したところもあって。
これね、初対面の人との会話なんですよ。
曽根さんは幸せに暮らしてるなんて一言も言ってなくて。でも結婚して子どももいるって聞いて「幸せに暮らしてる」と定義されてて。
ってフィクションでもノンフィクションでも
よーく見聞きするパターンだし
overthesunでも言ってた女の子の幸せ教育に加え
色んな作品で結婚して子どもがいる=幸せ
って描かれまくってたら、そら独身不幸教信者も増殖するわなぁと思ったり…
捩れた正義の追求
好きなものが一緒なよりも
嫌いなものが一緒な方が
結びつく速度が速いんだなぁと。
早く結びつくぶん脆さもあるのだろうけども…
少し前にソフィーという人物との会話のシーンがあってfossilという単語が出てきたけれど、あえてその時点でfossilは日本語訳が付されていなくて。
わたしはその時点でfossilがなんなのかを認識できなかったけども、しっかり英語を勉強していてこの意味がわかる人はその後のシーンを違った味わいで楽しめるよなぁ…と思ったのでした。
事件をエンタメとして消費してないかい
俺はギンマン事件を追うことは
マスコミの責任を問い直すことやと思ってる
そう言った新聞社の上司に対し
このセリフ、いま放送中の長澤まさみさん主演のドラマ『エルピス』でも描かれてることだなぁと思い
一視聴者としても耳が痛かった。
本編を通して胸が苦しくなるストーリーだったけども
2時間半近い作品を長いとは感じずに
物語に引き込まれて
ソワソワしてたら
あっという間にクライマックスが来た印象。
そんな映画でした。
おもしろかった。
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