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フェイク情報とエコーチェンバー環境での生活<その2>

「フェイク情報とエコーチェンバー環境の生活」の第二回です。(前回のシーズン名称を改題したよ。誰も気づかないと思うけどw)

第一回はフェイク情報に焦点を当ててみたのだった。つーか、この世の情報って多少の違いがあってっも、すべての情報はフェイク部分(情報操作の意図があっても、なくっても)を含んでいるっていう試考でした。

今回はエコーチェンバー環境と銘打って、情報の受け手の周囲を試考してみます。フェイク情報とエコーチェンバー環境はセットなのだ。そんな見立てです。


娘「エコーチェンバーって何?」

父「ネットなどで自分と似た興味関心を持つユーザーとつながるとさ。自分と似た意見ばかりが返ってきたりするじゃないですか。すると、特定の情報を過剰に信頼しちゃったっり、一緒に反発したりしますよね。そんな状況をエコーチェンバー現象とか、効果とか言うらしいです。直訳すると「反響室」です。こだまがずーっと繰り返し響く場所ですな」

娘「あー、友達のグループとかで、誰か他の生徒の悪口を言って盛り上がっているやつね。あれ、嫌なんだよね」

父「だいたいそんな感じ。そのうち、きっとクラス全員、あの人のことを良く思ってないはずだってなっちゃうと、結構、痛いよね」

娘「実は、そのグループ自体がクラスから煙たがられたりして・・・。なんか面倒くさい現象だね」

父「まさに、教室の中にある反響室」



◼️エコーチェンバー環境の実害から試考する

まずは、ざっくりとエコーチェンバー環境にいることでの負の影響を、ざっくりと眺めてみます。どのような実害になるのかを生成AIにレベル分けしてもらいました。 第一回でやったフェイク情報に沿って、5段階で分けます。

エコーチェンバー現象が生活に与える影響は、深刻度に応じてさまざまです。ここでは、非常に深刻なものから軽いものまで、5段階に分けて説明します。

1.非常に深刻な影響: 社会的分断と暴力の助長

事例:とんでもない政治的エコーチェンバーが考える暴動
説明:
エコーチェンバーが非常に深刻な影響をもたらすケースとして、社会的・政治的分断の助長が挙げられます。や陰謀論をグループを信じるに所属する人々が、同じ意見を繰り返し確認し合うことで、他者に対する敵意や憎悪を強めることがあります。これにより、暴動やテロ行為に発展することもあります


2.重さの影響: 健康に関する誤った情報の拡散

事例:反ワクチン運動による公衆衛生の悪い影響
説明:
エコーチェンバーによって健康に関する誤った情報が広がることも、深刻な問題を考えます。内部で繰り返し共有されることで、多くの人がワクチンを避け、公衆衛生への悪影響を考慮します。これにより、ワクチンで病気が再び流行し、集団免疫が崩壊するリスクが生じます。



3.中度の影響:経済的・社会的判断の誤り

事例:投資やビジネスの失敗
説明:
エコーチェンバー現象が中程度の影響をもたらすケースとして、経済的・社会的判断の誤りがある。それで、投資判断やビジネス戦略の方向性に偏り、失敗するリスクが生じます。多様な視点を持たないことで、変化する市場やリスクを正確に認識できず、大きく失敗する可能性があります。



4.軽さの影響:偏った情報に基づく個人的選択の制限

事例:消費行動やライフスタイルの偏り
説明:
エコーチェンバーが軽度の場合、個人の消費行動やライフスタイルが特定の情報や価値観に偏ってしまうことが起こります。 、個人が特定の商品やブランドだけを意識するようになり、他の選択肢や代替案に無理がなくなりました。これにより、選択の幅が狭くなり、他に良い選択肢があってもそれを逃す可能性があります


5.非常に軽度な影響: コミュニケーションの単調化

事例:同じ趣味や意見を持つ人とのみ交流することでの対話の限界
説明:
エコーチェンバーが非常に軽い気持ちの場合、個人の日常的なコミュニケーションや対話が単調になることがあります。 、SNSやリアルな交流関係において、同じ意見や趣味を持つ人々ばかりと交流していると、新しい視点や異なる考え方に触れる機会が減り、対話がいつも同じ内容に終焉することがあります。


これらの5段階の影響は、エコーチェンバー現象がどの程度個人や社会に悪影響を及ぼしているかを示しています。深刻なケースでは社会的な分断や暴力の助長という結果につながり、軽度な場合は、個人の選択や日常的なコミュニケーションが制限されるのみ保持されます。しかし、どのレベルでも、エコーチェンバーが視点を狭め、多様な視点や意見を排除する傾向があることが共通しています。

生成AI

意外と、4の軽度、5の非常に軽度あたりが新鮮ですね。エコーチェンバーがいつ・どこにもある世界だって捉える方が筋が良さそ。集団とはチェンバーの側面を常備しているのです。

さて、第一回と同様にピラミッドにまとめてみます。図表328

図表328


 ここでの5段階とは小生の恣意的な区分けです。これって、前回の<その1>で描いたフェイク情報と対称性がありそなので、同じ5段階にしたのでした。

では、フェイク情報の5段階と、今回のエコーチェンバーの5段階を並べてみます。

図表329

フェイク情報は、どうやっても全ての情報にはフェイクが入り込んできてしまうので、「情報の混濁」と言えます。すると、この対称にあるエコーチェンバー環境に意味を与えるなら、意図せざる過剰な反復ってことなので「情報の濃縮」って言えそうです。

図表330

本人を中央に置くと、左側のフェイク情報発信側に誰かがいて、右側にはエコーチェンバー環境で同室にいる誰かがいる、っていう試考ができます。混濁した情報が濃縮して、それに包まれて「私」は日々生活しているのだった。


◼️エコーチェンバー環境の範囲

今度は、エコーチェンバー環境を広がりとしてみてみましょう。別に、特定の友達グループに限ったことじゃないところを可視化します。まずは、エコーチェンバー現象が起きやすい集団カテゴリーを、生成AIに提示してもらいました。

エコーチェンバー現象は、閉じた集団の中で同じ意見や価値観が反復強調され、異なる意見や視点が排除される状況を指します。ここでは、いくつかの具体的な事例を使って、エコーチェンバー現象が起きやすい集団形成を説明します。


1. 国や民族のエコーチェンバー

規模: 国家や民族のような大規模な集団
事例: 国民感情や民族意識が強い国
説明:
一国の中で、特定の国民感情や民族主義が広がると、それがエコーチェンバー現象のように機能することがあります。例えば、ある国のメディアや教育機関が一貫して特定の歴史観や国家の正当性を強調すると、国民全体がその見解を強化し、他国や異なる文化に対する偏見や誤解を持ちやすくなります。外部の情報がフィルターされ、内部の情報が反復されるため、国民は自分たちの考えが正しいと確信しやすくなります。


2. オンラインフォーラムやSNSグループ

規模: 特定のテーマや関心を共有するオンラインコミュニティ
事例: 同じ興味や信念を共有するSNSグループやフォーラム
説明:
インターネット上のフォーラムやSNSグループは、特定の話題に関心がある人々が集まる場として機能します。これらのグループ内では、メンバーが共通の意見や信念を持ち、それが繰り返し共有され、強化されます。異なる意見を持つ人々は排除されやすく、同意見のメンバーだけが残るため、グループ全体でエコーチェンバー現象が生じやすくなります。


3. 企業文化や職場のエコーチェンバー

規模: 企業や組織内の特定の部門やチーム
事例: 企業内で一貫した考え方が強調される環境
説明:
企業や組織内では、特定の価値観やビジネス戦略が上層部から強く推奨されることがあります。この場合、従業員やチームメンバーはその価値観や戦略を繰り返し受け入れるようになり、異なる意見やアプローチが排除されがちです。これにより、組織全体が特定の見方や戦略に固執し、創造性や革新が阻害される可能性があります。


4. 宗教的コミュニティのエコーチェンバー

規模: 宗教団体や宗教的コミュニティ
事例: 信仰や教義に基づく閉鎖的な集団
説明:
宗教的コミュニティでは、特定の教義や信仰が絶対的な真実として信じられ、その教えに反する情報や意見が排除されることがあります。信者同士が同じ信念を繰り返し確認し合い、異教徒や外部の意見に対しては批判的な態度を取る傾向が強くなる場合、宗教的なエコーチェンバーが形成されます。



5.家族や友人関係のエコーチェンバー

規模:小規模な親しい人々の集まり(家族や友人)の
例:家族や長年の友人グループの
説明:
家族や親しい友人同士の間でもエコーチェンバー現象がすぐに得られます。特定の話題について、同じ意見を持つ人々が集まって会話することで、その意見がさらに強化され、異なる意見や考え方を排除する傾向が生まれます。



6.個人の思考のエコーチェンバー

規模:一人の個人の内部の思考プロセス
事例:一人の人間の頭の中での思考の繰り返し
説明:
最も小さなエコーチェンバーは、個人の頭の中での思考の繰り返しです。個人は、自分が信じている他の視点や批判的な思考が排除され、自分の考えが「正しい」と思い浮かぶ状況が生まれます。

生成AI

AIから出てきたのは6つ。図解で可視化してみます。


図表331

生成AIが提示した六番目の個人は、エコーチェンバーの最小単位と考えることができそうです。この個人の頭の中も閉じた部屋ってことですな。一人の人間の頭蓋骨をエコーチェンバー環境の<基底>としてみます。
 また、人類全体だって閉じた集団と見做せるので、その最大形としてみました。なので、人類全体は<枠外>に置きます。この<基底>と<枠外>の間を5つの集団にして、波紋形にまとめたものが図表331です。

ここで示したいのはエコーチェンバー環境が幾重にも取り囲んでいる中に私たちがいるってことです。日々、この中で生活を営んでいるってことです。何やっても、何を聞いても、何を語っても、エコーチェンバー環境からは抜けられないのでした。


◼️個人の反応から試考するエコーチェンバー環境


エコーチェンバー環境が普通だって言い切っちゃうと、そこで見通しはなくなっちゃいますね。押し込みます。

 実は、エコーチェンバーな状況が心地よかったり、都合が良かったりするのではないか?。「エコーチェンバーを支えてるのは自分ちゃうの?」という問いから進めてみます。 エコーチェンバー環境が成立してしまう理由を試考します。生成AIに、形成の理由やパターンについて目配せの範囲を提示してもらいました。

エコーチェンバー環境に浸ってしまう理由や、その環境が知らないうちに形成されるパターンには、心理的、社会的、技術的な要因が絡んでいます。ここでは、複数の観点から、エコーチェンバー環境が生まれる原因やパターンを具体的に解説します。


1. 心理的要因:確証バイアス

説明:
人間は本来、自分の信念や価値観に合致する情報を好んで受け入れ、逆に自分と異なる意見や反対する情報を無意識に避ける傾向があります。これを「確証バイアス」と呼びます。自分の考えや立場を確認し、安心感を得るために、似たような意見を持つ人々と集まったり、支持する情報を積極的に探すことで、エコーチェンバーが形成されやすくなります。

具体的なパターン:
例えば、SNSやニュースアプリで、ユーザーが自分と同じ政治的見解を持つメディアや投稿を好んでフォローし、その結果、似た意見が繰り返しタイムラインに現れるようになる。これにより、異なる視点がフィルタリングされ、特定の情報ばかりが強調されていく。


2. 社会的要因:同調圧力とグループシンク

説明:
社会的には、所属する集団やグループに対して「同調」することが心理的に安心感をもたらします。グループの中で異なる意見を出すことは、時に摩擦や孤立を招く恐れがあり、多くの人は無意識に周囲と同じ意見や価値観を受け入れてしまいます。この現象を「グループシンク(集団思考)」と呼びます。同調圧力によって、個人は異なる視点を控える傾向が強まり、結果としてグループ全体がエコーチェンバー化してしまいます。

具体的なパターン:
例えば、職場や学校の仲間との会話で、ある政治的話題が出た際、全員が同じ意見を持っていると感じると、反対の立場を持っていてもそれを言い出せない雰囲気が生まれます。この結果、反対意見が排除され、全体が特定の方向に凝り固まってしまいます。


3. 技術的要因:アルゴリズムによるフィルターバブル

説明:
インターネット上では、検索エンジンやSNSのアルゴリズムが、ユーザーの過去の行動や関心に基づいて、好ましい情報を優先的に表示する仕組みが導入されています。これにより、ユーザーは無意識のうちに自分が好む内容だけを目にし、異なる意見や新しい情報に触れる機会が減っていきます。この「フィルターバブル」は、エコーチェンバーを技術的に補強し、個々のユーザーに独自の情報環境を提供することで、さらに閉鎖的な環境を作り上げます。

具体的なパターン:
YouTubeの動画視聴履歴に基づいて、似たようなテーマの動画ばかりが自動で推薦される状況。ある特定のテーマに関する情報ばかりを見ていると、結果的にそのテーマについて偏った情報に囲まれることになります。


4. 認知的要因:情報過負荷と簡単化への欲求

説明:
現代の情報社会では、膨大な量の情報が瞬時に手に入りますが、情報過負荷に陥ると、人々はその情報を簡単に処理したくなります。複雑な事実や多様な視点に触れるよりも、自分にとって理解しやすく、すでに信じている価値観を裏付ける情報を選びがちになります。この「簡単化への欲求」によって、同じような情報源に頼りやすくなり、エコーチェンバーを助長します。

具体的なパターン:
SNSやニュースアプリを利用する際、ヘッドラインや短い記事だけを読み、自分がすでに信じている内容に一致する情報だけを瞬時に選びがちになる。その結果、他の視点に触れることなく、情報のバランスを欠いた状況に陥る。


5. 文化的要因:アイデンティティと所属感

説明:
人間は、自己のアイデンティティを確認し、所属感を得るために、特定のグループやコミュニティに参加することを好みます。特に、文化的・社会的背景に基づいた集団は、自分の価値観や信念に一致する情報や意見を共有することで、アイデンティティを強化します。これにより、そのグループに所属している限り、他の視点や異なる文化的背景を持つ意見が排除され、エコーチェンバー化します。

具体的なパターン:
特定の宗教やイデオロギーを持つコミュニティに属する人々が、定期的に集まり、同じ考えや価値観を確認し合う。集団の一員としての所属感が強化される一方で、異なる信念や価値観に触れる機会が失われる。これにより、グループ全体が特定の思考に凝り固まり、外部の影響を排除するようになる。


6. 社会的ネットワーク効果:ホモフィリー現象

説明:
「ホモフィリー」とは、似た者同士が引き寄せ合う傾向を指します。人は自然に、似た価値観や興味、信念を持つ人とネットワークを作りやすく、それが結果的にエコーチェンバーを形成する原因となります。特にSNSでは、友達やフォロワーが似たような意見を持つことが多く、そのネットワークがエコーチェンバーの役割を果たします。

具体的なパターン:
FacebookやTwitterで、フォローする人々や友達が自分と同じ政治的・社会的立場を共有している場合、タイムラインには同じような意見ばかりが流れ、異なる意見に触れることがほとんどなくなる。この結果、ますますそのグループ内の意見が強化されていく。


7. 経済的要因:メディアの収益モデル

説明:
多くのメディアは、収益を広告に依存しています。より多くのクリックや視聴を得るために、メディアはターゲットにした視聴者層に好まれるコンテンツを提供し、広告収益を最大化しようとします。これにより、特定の視聴者層が求める情報や価値観に合わせたニュースや意見が増え、他の視点が無視されやすくなります。この収益モデルは、エコーチェンバーの形成を促進する要因となります。

具体的なパターン:
例えば、保守的な視聴者をターゲットにしているメディアは、その視聴者が共感できるニュースや意見を強調し、反対意見を取り上げないことで、視聴率を維持しようとします。視聴者はこれにより、ますます自分の信念に合った情報だけを受け取ることになります。



これらの要因が重なり合い、意図的に気をつけていても、知らず知らずのうちにエコーチェンバー環境が出来上がってしまうことがあります。

生成AI

AIからは7つの要因が出てきました。もう少し「見通しをよくしたい」ので、上位に階層をいれて再整理してみました。

図表322

解説します。

 大きく3区分してます。 (番号)はAI提示の元番号です。

個人の態度
「個人の態度」には(1)心理的関与と(4)認知的課題が入ります。心理的関与は、確証バイアスであり、自分の信念を肯定することを優先するために、それに沿った情報を受け入れてしまう態度です。一言で言うなら、アイデンティティ優先。つまり、自分の信念が揺らぐと、自分の存在が揺らぐ気がしてしまうわけです。認知的課題は、あまり難しいことを考えたくないという、知的怠惰な態度です。考えるの面倒だから、手っ取り早さを感じる情報にOKを出す。まあ、いい意味で言うならスピード優先。「もう、その件はこの情報が正しいってことにする」って感じ。

・集団との関係
(2)社会的課題の同調圧力とグループシンク(集団浅慮)は、有体に言うならピアプレッシャーですな。「みんながそうなら、私の意見もそれ」っていうエコーの受け方です。一言で言うと、ベストセラー優先です。最も売れてるのを買う、ですかね。(5)文化的課題は、気づきと愛着感です。過去の延長線上を優先して、慣れ親しんだ情報を優先的に受信していきます。これも、メタファー的な言い方で言うなら、ロングセラー優先かな。長く売れてるものに馴染みを感じるから、優先する。(6)社会的ネットワーク効果は、ホモフィリー現象(Homophily)で、類似性に従って情報選択し、それをエコーしていく受信の仕方です。「同じ学校の出身!」みたいな、情報の質には全く関係ないけど、自己投影できると、その情報は優先されてしまうパターン。型としては自己投影の優先

・ネット社会の特質
この2つは特異なパターンですが、これこそエコーチェンバーを下支えしてるものかもしれない。(3)技術上の課題は、アルゴリズムが同質化させる方向に情報を提示していくことで、機械的なエコーチェンバーができてしまうパターンです。これ単体では悪さはしなくても、SNSで同じ広告を見続けさせるのは、サブリミナル的な情報偏向になりますね。機械的な優先です。(7)経済的制約は、メディアの収益としての属性に沿った情報を購買行動につながるようにエコーチェンバー化させていくわけです。アマゾンっぽいかw。確かに、どのECサイトもエコーチェンバーになろうとして設計されてますから。金銭的な優先です。


◼️集団群と理由群でマトリックスを試考する

さて、エコーチェンバーの場としての集団。そして、エコーチェンバーの可動としてのパターン。この2つが出揃ったので、マトリックスでぶつけてみます。

図表333

チェンバーの種類が、集団カテゴリーの違いです。5つのエコーチェンバーごとに7つの成立理由で、関係が近しいものに○をつけてみました。

そして、このマトリックスを眺めて言えそうなことを試考してみたのが下図の図表334です。

図表334

三つぐらい語れそうなところがあります。

・「集団の規模」による2極分離。
大きくなればなるほど、同調圧力を強く感じたエコーチェンバーになる。「長いものには巻かれろ」が横行し出す
 この反対に、小さくなればなるほど、ホモフィリー現象(類は友を呼び、朱に交われば赤くなる現象)が強くなる。境遇が似ていることでの、エコーチェンバーです。「同郷を信じる、家族を信じる」とかね

・「集団の濃度」の影響
結局は、情報の前に人ありきであり、人は長く文化に晒されてできてるってことです。文化的に親しみのある情報でエコーチェンバーが起きるのは、不安な情報になればなるほど前面に出てきます。我が国は、我が神は、我が一族はみたいな歴史的な背景とくっついちゃうと、偏った情報のエコーチェンバーを許しちゃうのでしょう。

・「時代の潮流」の意味
機械的エコーと金銭的エコーはネット社会らしいものです。SNSならではです。だからと言って、他の集団に関係ないかと言うとそうでもなさそうだな。国や企業なんかはネットを使って民意や企業への好意度をコントロールしようとしているので、技術的なエコー作りは集団の階層を越えつつあります。ここはAIの高度化も含めて、全ての階層で起きているエコーチェンバーを強化していくでしょう。受信者は気がつくことができないぐらいの高度さで。


娘「でもさ、エコーチェンバーでいい時も、結構あるんじゃないの。推しのボカロPさん好きのコミュニティなら、楽しいだけじゃん」

父「ええ、その通りです。だからと言って、誰もがそのボカロPさんを知っているはず、っていう前提で話さない方がいいよ、ってことかな」

娘「たまに、トーチャンに熱く語るのは、止めるようにするよ」

父「まあ、実害はないんだけどさ。それに音楽ってクリエイティブですからね。ある意味、美しいフェイクですよ」



<おまけと予告> 

◼️情報諦観者(じょうほう・ていかん・しゃ)を目指す

 語るのも虚しいほどに、エコーチェンバー環境にどっぷり浸かって生きている私たちなのです。でも、気づいた以上は態度に出していきたいものです。ええ、理想的な情報態度とは、フェイク情報を見極め、エコーチェンバー環境から距離を置くような生き方です。

図表335

そういったものの・・・残念ながら、やはり、無理かもしれない。

いや、可能かどうかと問われるなら、可能ではある。

 フェイク情報にもエコーチェンバー環境にも埋没しない生き方とは、全てに行動を優先する人だろう。情報からの混乱の前に動けば情報はいらないし、情報の前に動くならエコーは聞こえてこないのだ。

もうひとつは、老荘思想的な生き方だ。山に籠って、淡々と生きるならフェイクか、フェイクじゃないとかは意味がない。森に囲まれて生きるなら、自然の音だけがエコーするのみだ。

うーん、気取って、達観者のようなセリフを吐いてみたけど、生活感なし。地方在住の子育て中のオヤジには遠すぎる。

図表336


ということで、行動先行でもなく山谷隠遁でもない第3の情報態度を試考してみます。それが情報諦観者・・・だと思うw

Go with the flow.

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