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認知症が進んできた家族、どうやって対応したらいいの? 原因や対処方法について

最近家族の物忘れがひどくなってきた気がする、何度も同じ話をしている、電気やコンロの止め忘れが増えてきた…そんな症状に覚えはありますか?

今日は家族の認知症が進んできたときの対応についてお話していきたいと思います。

認知症って?認知症になる原因は?

認知症とは、認知機能(物事を把握する力)が衰えることにより、日常生活に支障をきたしている状態のことを言います。

脳の障害によって認知機能障害(中核障害、誰にでも起こる症状)が起こり、行動や心理面の症状(個人差がある症状)が出てきます。


中核障害とは、以下の6つの障害を言います。


・記憶障害
新しい物事が覚えられない

・見当識障害
時間や場所、日付が分からない、他人が分からない

・失語、失行、失認
伝えたいことが上手く伝えられない、できていた日常動作ができなくなる、人や物事を認識できなくなる

・遂行機能障害
物事を計画的に進められない

・注意障害
注意力や集中力が続かない、マルチタスクでの行動や複雑な行動が行えない

・理解、判断力の低下
物事の正しい判断ができなくなる


行動・心理症状とは、もともとの性格や今までの生活、健康状態や環境の変化によって現れる症状で、個人差があります。

代表的な症状としては、不安・興奮・焦り・幻覚が見える・妄想・異常な行動・暴言暴力などがあります。

認知症は、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症といったそれぞれ疾患にかかることで症状が現れます。


認知症と物忘れって同じじゃないの?

高齢になると、物忘れが増えたり、忘れ物が増えたりしますよね。しかし、加齢による物忘れと認知症は異なる部分が多いです。

加齢による物忘れでは、忘れたことを自覚していたり、記憶の一部(例えば、旅行にいった事は覚えているがそこで食べたもの、など)を忘れてしまったりします。そして、日常生活に支障はない事が多いです。

認知症では、忘れたこと自体を自覚していなかったり、記憶そのもの(旅行に行った事自体)を忘れてしまいます。忘れ物や無くし物に対しても、加齢による物忘れでは自分で探そうとしますが、認知症では誰かに盗られたと思い込んでしまうこともあります。

認知症の家族にはどうやって対応したらいいの?

さて、認知症になると色々な症状が出てくることをお話してきました。そういった症状に対して、また、認知症になったご家族に対してどうやって対応していったらいいのかお話していきます。

物忘れが最近ひどくて病院に連れて行ったら、認知症ですと言われた。突然そんなことになったらショックですし、まさかと思いますよね。

本人も、家族も、最初はまず戸惑い、だんだんと認知症であることを受け入れていきます。認知症の介護をするのはとても大変なことなので、介護をするご家族にまず覚えておいていただきたいことがいくつかあります。


頑張りすぎない

大事な家族だからしっかりと介護したい、その気持ちは大切です。しかし、頑張りすぎて家族が疲れ切ってしまっては大変です。

いろいろと認知症介護の本を読んだり、ネットで調べたり、熱心に勉強することも大切ですが、患者様のあるがままの状態を受け入れながら、がんばりすぎずに介護していきましょう。

ずっと介護を続けていくには息抜きも必要です。デイサービスやショートステイをうまく利用しながら、介護するご家族自身の息抜きも大切にしましょう。

1人で抱え込まない

頑張りすぎないの項目ともかぶりますが、1人で介護や悩み、不安を抱え込むことはよくありません。家族で協力したり、病院のスタッフや訪問スタッフ、信頼できる友人などと悩みや不安を共有しましょう。時には愚痴をいうことも大切です。ストレスをため過ぎないようにしていきましょう。

認知症の家族をもつ家族会という集まりもあるため、そういった場に参加してみるのもおすすめです。

他の人と比べない

認知症の症状や進行は個人差がとても大きいです。

あの人は出来ているのに、もっと高齢のあの人は元気なのに、と他人と比べても仕方ありません。患者様本人の症状のみをみて、今はこういう状態なんだ、と受け入れてあげることが大切です。

様々な症状に対する対応方法


何度も同じことを聞かれる

認知症の患者様は、理解力が低下しています。わたしたちが一つのことを理解するためにかかるスピードとは、少し、もしくは大いにゆっくりになります。

そのため、繰り返し説明をしたり、ゆっくりと一つずつ説明したりして状況などを理解してもらうことが大切です。

言葉だけでは上手く理解を得られない場合には、メモなどに書いて患者様に読んでもらうことも効果的です。しかし記憶力が低下しているため、何度も同じ質問を繰り返されることが多いため、介護者側は、何度も同じ説明をする必要があります。そういったときにも文字に書いておくことで、読み直しを促すことができます。


突然妄想が始まり、突拍子もないことを言ったり行動に移したりする

例えば、突然「殺される!」と叫んで慌てだしたり、「○○さんが来たからお茶を用意しろ」と言ってみたり。「財布が盗まれた」と言ってみたり。。

どうしてそんなことを突然言い出すの?と思ってしまいますが、患者様の中では理由があってそういった言動をしていることがほとんどです。

昔戦争に行っていた方は銃声に似ている音を聞いて「殺される!」と慌てたり、以前商売をしていた方がチャイムの音に反応して昔の顧客が来たと思っておもてなしをしようとしたり、財布をなくしたことを忘れてしまい、誰かに盗られたと思い込んでしまうことがあります。

患者様の昔の事や、以前していた仕事などに関係していることも多いため、どうしてそういう事を言うんだろう?と理由を考えてみてください。

理由にそった返答をすることで、患者様は落ち着くことが多いです。

「殺される!」→「今の音は雷ですよ。ほら、外をみると雷が光っていますよ」

「お茶を用意しろ」→「今のチャイムは訪問販売でしたよ。○○さんではなかったよ」

「財布が盗まれた」→「どこかに落ちているかもしれません。一緒に探してみましょう」


など、説明と一緒に現状を見せたり、探し物をしたりすることも大切です。


新しい環境になると落ち着かなくなる

部屋の模様替えをしたり、家具が変わったりすると、自宅と認識できなくなる場合があります。

患者様の部屋はなるべく慣れ親しんだ状態を保ち、「ここは自分の部屋だ」と安心できる環境を作ってあげるようにしましょう。


患者様自身ができることは自身でやってもらう

認知症になってしまったからといって、日常生活の全てができなくなるわけではありません。

今まで主婦をしていた方でしたら、洗濯物を一緒に畳んでもらったり、食事の材料を切ってもらうなど、その方ができることをしてもらうことで認知症の進行を予防できます。

ご近所さんとお話することが好きな方であれば、一緒に散歩に行って馴染みのご近所さんとお話してみたり、にぎやかな場所が好きな方であればデイサービスなどで色々な方とお話したりレクリエーションに参加してみるのも良いでしょう。趣味があった方でしたら、一緒に趣味を楽しんでみるのもおすすめです。


まとめ

家族が認知症になってしまって、別人になったように感じてしまう瞬間もあるかもしれませんが、患者様本人は変わっていません。

ただ、認知症という病気になってしまっただけなのです。

大切なご家族とのひと時を楽しむつもりで一緒に過ごすことで、患者様もご家族も笑顔になれると思います。

抱え込みすぎず、頑張りすぎず、家族や第三者の力を借りながら、みんなで患者様を支えていきましょう。



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