『停電の夜に』(ジュンパ・ラヒリ)
ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。418冊目。
親しい関係だからこそ表面に出にくい亀裂がある。インド系アメリカ人の作家であるジュンパ・ラヒリのデビュー作は、読み慣れた国内文学やアメリカ文学、又はロシア文学などとは違う視点で人間と人間の関係が丁寧に描かれている。そういった描写が関係の本質を、見えないようにしてきた小さな亀裂を、心の奥底の傷跡を、くっきりと浮かび上がらせているように感じる。ラヒリのこの短編集は、読むのがしんどいときもあるし、興奮してゾクゾクす