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ロシアとウクライナの違い

*上の写真は、キエフの中心部にあった像。ウクライナの男性の伝統的な髪型をしている。

今日は、ロシアとその隣国ウクライナの違いについて解説しようと思います。ロシアは有名ですが、ウクライナについては14年のウクライナ危機まで、どこのどんな国かわからない人も大勢いたことでしょう。2つとも東ヨーロッパの国で旧ソ連の構成国であり、インドヨーロッパ語族のスラブ語派の言語を話す民族が大部分を占めています。今から千年前に遡ると、現在のロシアの西側もウクライナもルーシという国で、現在のウクライナの首都のキエフが中心地でした。
早速違いについて見ていきましょう。

1.言語が違う
ロシア語もウクライナ語もスラヴ語に属しています。それでもやはり違いが存在します。使われているキリル文字が微妙に異なったり、ロシア語ではgの音がウクライナ語ではhの音になったり。
しかし、複雑なことに、3年前ウクライナの首都のキエフを旅行してみると、看板はウクライナ語なのに会話言葉はほとんどロシア語でした。キエフ到着後すぐにレストランに入ると、ロシア語で挨拶、接客されたのでびっくりしました。更に本屋に行くと、半分以上がロシア語で書かれた書籍でした。西側に行くと、ウクライナ語しか話さない人も多いようです。


2.コサックもボルシチも、どちらかと言えばウクライナのイメージ
日本ではコサックもボルシチもロシアのイメージですが、向こうでは、ボルシチはウクライナ料理で、ウクライナはコサックの国というイメージです。ウクライナ人がコサックの血を引いている、というようなことは、ウクライナの国歌で歌われています。一方、ロシアでコサックというと、領土が大きいこともあってかなり限定した地域に住む人達のことを指します。

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ボルシチ。写真は、モスクワのウクライナ料理店にて。

3.美的感覚が違う
ロシア人は、赤に金とかなり派手な色合いを好むようです。一方、ウクライナ人は金色をあまり使いません。落ち着いたデザインになっています。日本人が親しみを持てるのはウクライナの色使いでしょうか?色使いの違いは、民族衣装や伝統工芸の装飾にも現れていました。

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ウクライナの国旗の色をイメージした列車

4.ウクライナは比較的ヨーロッパ寄り
ウクライナは政治的に西欧諸国と関わりを強く持ちたいようです。EUに入るか否かについても議論が行われていますが、時の指導者によりロシア寄りの政治かヨーロッパ寄りの政治かが左右されます。ロシアは、EUとは距離を置いて(むしろライバル的な存在ですが)我が道を行く、といった感じです。