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じぶんの心なんて自然の一部でしかないのだ

この心はじぶんだけのもの。じぶんの持ちもの。
そんな意識で三十年間生きてきたことに気がついて、はっきり違和感を持ったのは先々月に訪れた奄美大島でだった。

あの何もない自然のなかにただ無垢にいて、そうだ、この心はこの自然の一部なんだ、とふと思い出したのだ。

じぶんのものだと思うから、苦しくなる。逃げ場がなくなる。とくに都会のような余白のない、息つくスペースのない場所では。

でもじぶん一人のものじゃないんだ、この広い広い自然の一部でしかないんだ、と思うことができれば、肩の力がふっと抜ける。

行き場のない心もひとりで抱え込む必要もないし、ひとりでどうにかしようとすることもない。どうにもならない自然の一部なんだから、どうにかしようとせずにゆだねていればいい。じぶんというある枠を意識することは、じぶんとそれ以外のすべてを分断しすぎてしまうことにもつながる。

そんなふうに心をとらえるようになって、ちょっと楽になったじぶんがいた。




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