秘密主義ディストピア

人は人に合わせていくつもの顔を持っているものだと思うけれど、相手に合わせた自分を持ちすぎている人を正直あまり信用していない。

本人すら素の自分、ひとりだけになったときの自分を思い出せなくなるのではと感じるぐらいに。

あなたの理想の自分はたぶん、あなたからどんどん遠ざかっている。


「私はあの人を絶対的に信頼しているわけではないよ」
「だから何を言われても大丈夫」


ふと口をついて出た言葉で、恋は終わっていると思った。

言ってくれないことを、聞きたいと思っていた。
ある時期までは。

でももうその時期すら過ぎてしまった。


秘密にされすぎると興味なくなるよね。
勿体ぶりすぎて
聞きたい?ついに話すよ、
と言われてももう訴求力を失っている感じ。

逃しちゃいけないタイミングは確かにある。

言わない顔をたくさん作って
いったいどこを理想郷とするのだろう。
どこに行けば安らぐのだろう?あの人は。


何か隠してることがあるんじゃないの?
しかも複数の。


と、昔なら聞いたかもしれない。

でも今はそこまでの熱量がない。


言わないなら言わないで大丈夫。
私の人生で大きなスペースは占めないみたい。
秘密にされすぎてあまり関心がない。

そもそも大切にされている認識もなかった。
距離なんて全然近くない。

特別ではあったのかもしれないけれど。


ふとしたきっかけで歯車はふつうの場所に戻る。
不安定な尊敬をつづける必要がなくなっていく。

強いて言えば渦中で向き合えたらよかったな。
そのときに教えてくれたら、言ってくれたら
私は本当に好きだったことを伝えたのにね。
もう期限切れ。


どんなにうまくやっていると思っても、
どんなに嫌われるのが怖いと思っても、
分かるものだね 

大切にしているものがなんなのか


自分のことがいちばん大事だとしても
それは悪いことじゃない


ただし詰めが、ちょっと甘い

秘密にしすぎて大事な理想像がブレちゃっているから
今のうちに修正できたらいいのにな


私も想いを隠しすぎた代償かもしれない
できれば味方でいたいしまだまだ期待をしていたい

いつからか俯瞰するようになってしまったなあ

秘密だらけの武装をふわふわ浮かびながら眺めている


もう一度あなたに興味と期待を抱かせてほしいよ
今ならまだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?