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Vaundy横アリday2。彼の掌の上で転がされた1時間半。

彼の頭の中には一体、いくつの音階があるのだろう。プレイリストをぐるぐると回して、たまたま止まった一曲をかけたとしても、120%類まれなる新しい音楽が耳に流れ込んでくる。

どの曲を聴いても間違いがないからVaundyをおすすめする時は、どの曲をピックアップするか、いつも迷う。(やっぱり怪獣の花唄かな。Tokimekiも聴き心地良いし、恋風邪にのせても鉄板だろうか。それとも逆光がメジャーで入りやすいのかな。むむ、1曲選ぶのが本当に難しい……。)

まさに奇才の代表格として、世の中に見つかってから瞬く間に飛躍し、人々を魅了しつづけるVaundy。

作詞・作曲・編曲・映像・デザイン……すべてを手掛けるマルチアーティストの彼が"音"を生み出すその瞬間を、遂に、この目と肌で実感してきた。

vaundy one man live ARENA tour "replica ZERO"

横浜アリーナ公演のday2に、行ってきた!!

Vaundyを初めて知ったのは、Youtubeで話題に上がっていた『東京フラッシュ』。在宅勤務も飽きてきて、ふらっとカフェでパソコンを開いた昼下がり。

カフェラテを喉に流しながら、なにか新しい刺激はないかとYoutubeを漁っていた最中に見かけた『東京フラッシュ』。

そういえば、なんか人気らしいな、この曲。

初めは、ほんの軽い気持ちで再生ボタンを押したことを今でもよく覚えている。

イヤホンの小さな窓をトントンとノックして、音が歩くようにゆっくり耳の中へ入ってくる。ギターのリフが耳に飛び込んできた途端、窓から降り注ぐのは午後の強い陽射しのはずなのに、辺り一面が夕陽で包まれた心地になって、夕方から夜へ、夜から深夜へ、空が満ちていくように、わたしはすぐにVaundyの世界におちていった。

仕事なんて頭からスッと抜けていって、手元のパソコンもカフェラテも見えなくなって、Vaundyが繰り出す音楽の世界に一瞬で迷い込んでしまったのだ。

当時は、70年代〜80年代頃にかけて流行した「シティ・ポップス」が再流行していた時期。ロックとフォークが混ざり合うトレンドのスタイルに、Vaundyならでは"令和"の都会的なアンニュイさが加わった「新時代のシティ・ポップス」感あるメロディーに、言葉通り、強い感銘を受けた。

聴いた瞬間に、これはまた「とんでもない天才が現れた」と思ったし、CD未リリースの新人と聞いて、さすがに「やべぇ」と言葉を失った。

2020年に日経新聞に掲載されていた取材記事では、『東京フラッシュ』についてこうも語っている。

「『東京フラッシュ』を作ったときは、シティポップをよく聴いていて。今売れてる曲やプレイリストに多く入っているものを聴き比べて、『共通点って何だろう?』って考えながら制作していきました。

あと、僕は何よりもメロディーが大事だと思っていて。この曲の冒頭から鳴っている特徴的なギターのリフも1回聴けば口ずさめる単純なもの。今の時代はストリーミングで音楽を聴く人も多いので、違うと思ったら、すぐ別の曲に飛ばされてしまう。だから、5秒以上聴きたい人思わせるような、つかみがすごく大切なんです。

それに加えて違和感というか、ひっかかりのある要素も入れるように意識しています。キックやタンバリンが鳴るタイミングをわざとズラしていたりとか。あと、『君の目が覚めたら』という歌詞の『き』の音もわざと少し外しました。常に平均台の上を歩いているような気持ちで聴いてもらいたいんですよね。不安定ゆえについ引きつけられてしまうような感覚のある楽曲が理想です。

ミュージックビデオは、同い年の監督(MIZUNO)CABBAGEと作ったんですけど、僕が思っていることをそのまま形にしてくれました。いろんなことが考えられる作品にしたかったんですよね。あえてストーリーは分からないようにしていて、10人が見たら10人が違う感想を持つようなものをイメージして作りました」

日本経済新聞 NIKKEI STYLE

この取材記事を読んで、もう抜かれる肝は残っていないのに、何かをさらに抜かれた心地。

情熱と計算と才能が掛け合わされると、こんなものが生み出されるのか……と、なぜか嫉妬心が浮かんでしまうほどVaundyの才能が羨ましく思えてしまう。

けれども、これほど心を動かすVaundyの音楽に出逢えて、すごくすごく幸せだと思うし、同じ時代に生きられてなんてラッキーなんだろうと胸が弾む。

『東京フラッシュ』から聴き続けてきたVaundyのLIVEにようやく訪れることができた今回は、間違いなくわたしの人生に影響をくれるだろうーーという大きな期待を抱いて望んだ横アリ公演で、わたしはすっかり彼の掌の上でコロコロとされるがままに転がされてしまった。

彼の音楽の前ではもう楽しむ以外の成す術がない!

そしてたっぷり1時間半、MCもほぼなく、たくさんの楽曲を最高の環境で歌い上げる彼に平伏すほかない。

友だちが集まったパーティーにふらっと立ち寄って歌うような、大らかなパフォーマンスと耳が釘付けになる圧倒的な歌唱、曲に合わせて世界観を一変させていく演出(照明がすんごかった!)、都度こころを痺れさせるバンドメンバーの繊細な音々……。

はあ、感無量。ありがとうございます。

人は満たされると、ため息をついてしまうらしい。

他のことなんて何も考えられないほど、Vaundyで頭がいっぱいになって、本当に至福の素晴らしい時間だった。ありがとう、ありがとう…………っ!!

とくに心に残っているのは、『そんなbitterな話』!

サビとともに照明が赤寄りの蛍光ピンクに変わって、"消えることも見えることも忘れることもできない"愛がアリーナ中に充満していくようで、たまらなかった。横浜アリーナに訪れた約15,000人の、その一人ひとりを指さして、「お前のために歌ってんだぞ。忘れんなよ。なあ?」と煽るように、歌声が心の奥深くにまで刺さってきた気がする。

いま思い出しても、鳥肌ものだ。

あえて一曲を挙げるのならば上記の通りだけれど、まじでどの曲もエグすぎたので、甲乙なんてつけられないし、つけるんようなもんじゃねぇ!と思う。

だって、何曲歌ってくれたと思う?

横アリday2のセトリを見てほしい。(たぶん、合ってる。Audioは番号が分からんくて入れてない!)

1.ZERO
2.裸の勇者
3.美電球
4.恋風邪にのせて
5.カーニバル
6.踊り子
7.常熱
8.宮
9.そんなbitterな話
10.黒子
11.NEO JAPAN
12.不可幸力
13.呼吸のように
14.Tokimeki
15.花占い
16.トドメの一撃
17.CHAINSAW BLOOD
18.逆光
19.怪獣の花唄
20.replica

にっ、20曲!!!

ありがとうございますっ……ありがとうございます……っ!!(額を床に擦り付けながら。)

(途中降ってきた銀テープ)

本当に行って良かったと思える素晴らしいライブだった。これだけのものを創り上げてくれたVaundyを初めとした全ての人に「ありがとう」 を言いたい!

(かわいい!)

ライブを終えて、なんだろう、自分の心を満たすような何かを始めたいな、なんて感情が湧いてきた。

Vaundyの生き様が、かっこよすぎんのよ。

はあ。

by セカイハルカ
画像 : 美しすぎる……!

♡♡♡

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