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フリーランスは毎日が仕事であり、休みである。

フリーランスという生物は、わたしの周囲ではなかなか珍しいのか、友人からは"何をしているのかよくわからない人"と思われていることが多い。

だからこそ、受ける質問もかなりふわっとしたもので、「普段、なにしてるの?」と聞かれることが多々ある。

返答に困った挙げ句「仕事してるよ」と返してしまい、何とも煮えきらない間が生まれるのがいつものルーティン。その後、広告作ったり、記事の校正校閲したり、その時々によって色んな仕事をしてるよと言えば「ふうん?」とハテナいっぱいの言葉が返ってきて、大体仕事の話はそこで終わる。

それか「フリーランスかっこいいね!」という謎の称賛を受けて、着地点のない会話に終始することもしばしば。

「かっこいい? なら独立したらいいじゃん」
「いやいや無理むり! わたしは会社に縛られてないと仕事しないから」
「そう? 必要に迫られればやるんじゃない?」
「いやぁ〜。むりよ。あなたはフリーランスに向いていたんだよ」
「意外となんとかなるって」
「いやぁ〜〜。確定申告? よく分かんないし」
「電子化されてるから大丈夫だって」
「むりむり〜〜。フリーランス憧れる〜」

会社員を目指すことが当たり前のルートのように育てられたわたしたちにとって、その道から外れる生物は何だか特別な存在であるかのように扱われて、ひょいっと違う棚の上に置かれてしまう。

全くそんなはずはないし、誰しもが平等に持っている選択肢の一つであるはずなのだけれど。それに確定申告は、まじでやれば誰にだってできる。

それから、こんな質問もよく受ける。

「仕事と私生活のメリハリってどうしてるの?」

会社員をしていれば、会社にいる時と会社にいない時という「空間」によって、明確にオンとオフを切り分けられる。在宅勤務にしても、始業時間〜終業時間までの間と、そうじゃない間の「時間」によってメリハリをつけることができるだろう(残業の概念は一旦置いておいて)。

そこでフリーランスはどうかというと、わたしの場合は「毎日が仕事であり、休みである感覚」で過ごしている。つまりは仕事をしてもいいし、遊んでもいい、ということで、正直メリハリのメの字もない。

けれど、だからといって苦痛かと聞かれれば大きく首を横に振って、むしろその逆だと鼻息荒く豪語できる。その日、その時の気分や状況に応じて、自由に動けるフリーランスに、仕事と私生活の線引きなんて要らない、とさえ思う。

わたしはたぶん比較的真面目な方だし、仕事も好きなタイプだ。だから平日でも、土日でも、朝から夜まで好きなだけ仕事をする。かと思えば、眠くなって昼寝をしたり、美味しいご飯が食べたくなって出かけたり、前日の夜に思い立って翌朝からガッツリ遠出をすることもある。

ちなみにだけれど、好きなだけ仕事をするといっても夜21時には就寝するので、深夜まで目を血走らせながら働く日はフリーランスになってから一度もしていない。

それこそ会社員をしていた頃は、決められた時間に必ず仕事をしていなければならなかった。仕事が終わるまで残業を重ねる必要もあった。ランチの時間も60分で、事前に有給を取って引き継ぎをしておかないと休むことさえできなかった。

わたしにとって、そんな生活は不自由極まりなく、「ここから出して」と閉じられた鉄格子を掴んで口煩く"会社員という籠"を揺らすような日々だったと思う。

だからこそ、今の「毎日が仕事であり、休みである生活」は、本当にわたしを幸せにしてくれている。

この幸せをもっともっと噛み締めて、ガムのように味がなくなるまで、味わい尽くしていきたい。

by セカイハルカ
画像:shinsukesugieさん
バターのお顔がかわいくて食べられなさそう🍞

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